祭り


昔住んでいた地域では子宝祭と呼ばれる奇祭があった。正式な名前は別にあったようだが、地域の人はみんな子宝祭と読んでいた。
立秋から立冬の間で晴れた日に行われていて表向きは五穀豊穣や子孫繁栄を祈る神事でその年の収穫された作物を供えて宮司と氏子総代が神前で祝詞奏上したりするこじんまりとした祭りだったが、夜は違う面が見える。
夕方になるとその年に12歳になる男子と10歳になる女子が神社に集まり、初めての性行為をする。男女のペアはくじ引きで決められるが、本人たちの強い要望があればそれが優先される。そして決まったペアは神社の裏手にある布で簡単に区切られた2畳ほどの部屋に入り、初体験をする。私たちが生まれる前は唾液や体液のみで潤滑をしていたらしいが、私たちの時はローションが用意されていてスムーズな挿入が可能だった。
私の相手は隣に住んでいた琴美という子で昔から仲がとても良く、子宝祭の時にはペアを組む事を約束していた。
子宝の後からは本人たちが良ければそのままカップルになって結婚までする場合もあるらしい。この祭りがあるのが理由かは定かではないが、集落の初産の年齢は10代がほとんどで生まれた子供は地域の中でしっかりと育てていくので母親は比較的安心できるようだ。
琴美とは子宝祭の後も最低でも週に1度は会って性行為をしていた。その結果、琴美が16歳の時、第一子を妊娠して元気な女の子を産んだ。その後も琴美の無限大な性欲のため、乳離れする頃には第二子を妊娠していた。
結局成人するまでに2人の子供を産み、成人式の時には第三子を妊娠していた。全て私と子供だった。今は琴美と子供たちと共に集落から出たが、今でも子宝祭の思い出は鮮明に覚えている。

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