嫁とデートしたがる友人に、1回だけの約束でデートさせた結果


「そう言えば、また謙也に言われたよ。いおりとデートさせてくれって」
私は、食事中に妻のいおりにそんな話をした。
『え? 謙也さん、また言ったの? ホント、物好きね』
いおりは、優しく微笑みながら言う。ベビーベッドの中の息子が寝たので、そんな会話を始めた。大学の時からの付き合いの謙也はなぜかいおりのことをすごく気に入っていて、私に会うたびにデートさせろと言ってくる。
冗談だとは思うけど、あまりに毎回のように言ってくるので、本気なのかな? と思ったりもする。そもそも謙也はルックスも性格も良く、女に困ったことはないと思う。わざわざ友人の嫁にちょっかいを出す必要もないはずだ。

いおりは、今年32歳になった。2歳の息子がいるとは思えないくらいに可愛らしい感じの女性だ。身長は160cmで、体重はわからないが痩せ型だ。夫の私から見たらとても可愛らしくて性格も良い女性だが、飛び抜けてイイ女かというとそこまでではないかもしれない。

「でも、こんなにいつも言ってくるから、一回くらいはデートしてあげる?」
私は、当然冗談のつもりで言った。それなのに、いおりは黙ってしまった。真剣に考えているような顔だ。
『別に、謙也さんのことはキライじゃないけど……。なんか気恥ずかしいよ』
いおりは、少し考えた後にそんな風に答えた。私は、一気に緊張がほどけてホッとした。まさか、デートすると答えるつもりだろうか? そんな事を考えてドキドキしていた。私は、冗談で言ったんだよと伝えた。
『なんだ、そうなの? 真剣に考えちゃったじゃない』
いおりは、恥ずかしそうに言う。私は、なんとなく話を続ける。
「デートしたかった?」
そんな風に聞くと、いおりは少し慌てた感じで、
『そんな事ないわよ。あるわけないでしょ』
と答えた。私は、なんとなくドキドキしながらいおりと会話を続ける。
「でも、興味はあるんじゃないの?」
しつこく食い下がる私に、
『まぁ興味くらいはあるけど。でも、パパもイヤでしょ? そんなことしたら』
と、私に話をすり替えてくる。私は、別にイヤではないと言った。実際にはイヤだと思うが、話の成り行き上そういう風に言ってみただけだ。
『そうなの? どうして? 浮気しちゃうかもよ』
いおりは、少し驚いたような顔で話を続ける。私は、揚げ足を取るように、
「浮気してみたいの?」
と聞く。
『そ、そんな事あるわけないでしょ!』
少しムキになったように答えるいおり。考えてみれば、いおりが浮気をすることなんて考えたこともなかった。そういうタイプではないし、私自身もいおりに愛されている自覚もあった。

「想像くらいはしたことないの?」
私は、しつこく食い下がる。自分でも、どうしてこんなにムキになっているのかよくわからない。
『それは……少しは……。でも、想像だけだよ』
いおりは、かなり動揺している。私も動揺してしまった。そんな事を想像したことがあるなんて、考えてもみなかった。

いおりは、恥ずかしそうにキッチンの方に移動する。そして、コーヒーを入れてプリンを持ってきてくれた。話はすっかりと変わり、息子のことや週末の予定の話になった。私は、なんとなくはぐらかされたなと思いながら、プリンを食べていた。

付き合いの長い夫婦でも、意外と知らないことはあるんだなと思った。いおりが謙也とのデートを想像したことがあるなんて、少しも知らなかった。それは、どの程度の想像だったのだろう? ただデートしただけ? それとも、最後までしてしまった? 
いおりの想像の中の話なのに、なぜか私は嫉妬してしまっている。そんな事ばかりを想像する私は、なぜか興奮するようになっていった。

そんなある日、また謙也と昼食を一緒に食べた。職場が近いせいで、どちらからともなく誘う感じだ。大学の時の他の仲間とは年に1~2回会えば良い方なので、謙也とは本当に頻繁に会っている感じだ。どちらかと言えば正反対な性格の二人なので、意外に馬が合うのかもしれない。

「考えてくれた? いおりちゃんとのデート」
こんにちはの挨拶のように毎回そんな事を言ってくる彼。でも、今日は私の方がいつもと違うリアクションをしてみた。良いよと返事をすると、
「え? 良いの? マジで?」
と、キョトンとした顔で聞いてくる彼。本当に驚いているような感じだ。私は、いおりも喜んでいると伝えた。
「本当に? え? デートしたいって言ってくれてるって事?」
謙也は、驚きながらも嬉しそうな雰囲気だ。私は、話を続ける。前から興味があったと言う事も少し大げさに言ってみた。
「へぇ、嬉しいな。そう言うの、興味ないのかと思ってたよ」
謙也は本当に嬉しそうだ。そして、どこでデートしようかとか、いつが良いだろうかなどと話を続ける。そんな中で、
「オマエは、どう思ってるの? やっぱり、嫌な気持ち?」
謙也が、少し冷静になったような感じで質問をしてくる。私は、正直に気持ちを話した。嫌な気持ちも感じるが、嫉妬と興奮も感じると。

「そっか、寝取られ性癖があるんだ」
謙也は、妙に納得した顔で言う。私がポカンとしていると、
「今、多いんだってな。嫁さん他の男に抱かせてオナニーしちゃう旦那」
と言い始めた。私は、デートと言ってもそういうデートじゃないとすぐに否定をした。
「あ、そうなの? いい歳した大人がデートって言ったら、当然そう言うことなのかと思ったよ。逆に、どんなデートを考えてるの?」
謙也にそんな事を言われて、私は戸惑ってしまった。正直に言って、ホテルでセックスをする二人を想像していた。でも、さすがにそれは言えず、一緒に食事をしたりドライブしたり遊園地に行ったりと、ごく一般的なイメージのデートを言ってみた。

「学生みたいなヤツね」
謙也は、笑顔で言う。
「でも、オマエはそう言うので良いの? 寝取られ性癖なんだろ?」
そんな風に言う謙也。私は、違うと否定した。
「でも、興奮するんだろ? じゃあ、普通のデートしてみるよ。その後で、またオマエの気持ちを聞くことにするよ」
謙也は、妙に自信たっぷりの顔で言った。そして、週末にいおりとドライブデートをするという約束をして彼とは別れた。

一人になった私は、猛烈にドキドキしていた。まさか、本当にこんな事になるなんて……。いざ約束はしたものの、本当に良かったのかと考え始めてしまった。でも、そんな風に考えながらも、いおりが謙也とセックスをしている光景を想像してしまっている。見たくもないような光景のはずなのに、想像するだけで驚くほどドキドキしてしまう。

自宅に戻ると、いつものようにいおりと息子が出迎えてくれる。息子は、最近本当に言葉が上達していている。パパおかえりと言われるだけで、顔がほころんでしまう。

そして、食事をしているといつものように息子が寝始めた。そのタイミングで、私は謙也と約束をしたことを告げた。
『え? 約束?』
いおりは、キョトンとした顔で私を見つめる。私は、デートのことだよと告げた。
『本気だったの? いつ?』
驚いた顔で聞いてくるいおりに、私は週末だと告げる。
『急だね。でも、パパはどう思ってるの?』
いおりが真剣な顔で聞いてくる。私は、いおりが他の男性とデートすることに興味があると話した。
『どうして? 私なら、そんなのイヤだな』
いおりは、理解出来ないという感じになっている。私は、いおりのことが好きだから、いおりのすべてを知りたいと説明した。
『でも、そんなの知らなくても良いことじゃないの?』
いおりは、やっぱり理解出来ないという顔のままだ。苦し紛れに私は、寝取られ性癖かもしれないと告げた。
『ねとられせいへき? なにそれ?』
いおりは、その言葉にピンときていないみたいだ。男性の私は、AVや漫画で寝取られジャンルがあるのはよく知っている。でも、好き好んで見ようと思ったことはなかった。自分が寝取られ性癖だなんて、思ってもいなかったからだ。私は、自分の知っている限りの説明をした。

『そういうの、寝取られ性癖って言うんだね。そういう人がいるのは知ってたよ。ヤキモチ焼きって事でしょ?』
いおりは、意外にすんなりそんな風に言う。そして、
『パパも、そうなの? 私が他の人と……そういうの見たいの?』
と、感情がわかりづらい顔で言う。私も、そこまでは思っていないと告げた。
『そうなんだ……。どうする? 本当にデートした方が良いの?』
いおりは、困惑している。それがはっきりわかる顔になっている。私は、いおりがイヤじゃなかったらと言った。
『うん……イヤではないよ。謙也さん、面白いし。でも、それでパパが私のこと嫌いになったらイヤだな……』
いおりは、色々と考えた感じで言う。私は、イヤになるはずがないと告げた。ただ、どんなデートだったのかは聞かせて欲しいと言った。

『わかった。じゃあ、デートしてくるね。本当に、私のこと嫌いになったらダメだからね』
いおりは、念を押すように言う。私は、もちろんだと言った。

そして、週末までの数日間、私はドキドキしっぱなしだった。いおりも、最初は緊張しているような感じはあったが、週末が近づくにつれてなんとなく機嫌が良いように見えてきた。私は、そんないおりの様子を見てすでに嫉妬心が膨らんでしまっていた。

『じゃあ、行ってくるね。たーくんのご飯とか、よろしくね。夕ご飯までには帰れると思うから』
そう言って、いおりは家を出て行った。外には迎えに来た謙也がいる。でも、私はなんとなく顔を合わせづらくて家を出なかった。

いつもよりもメイクの時間も長かった気がするし、服も可愛らしいのを着ていった。いおりが他の男とデートをするためにオシャレをするのは、私に強い嫉妬心を抱かせる。

息子と二人きり。あまりないパターンだ。私は、いおりのことがすごく気になりながらも息子と遊び続けた。無邪気に笑う息子。たどたどしく話しかけてくる息子。私は、自分が何をやっているのだろうと自己嫌悪のような気持ちになる。息子が大好きなママを、他の男とのデートに行かせている……。そんな事は、とても言えない。

そして、夕方になると言葉通りにいおりは帰ってきた。
『ただいま。ゴメンね、大変だった?』
笑顔で言う彼女。私は、そんな事はなかったよと告げながら、そっちはどうだった? と聞く。楽しそうに帰ってきたいおりを見ただけで、嫉妬で胸が痛いくらいだ。
『うん。楽しかったよ。恵那峡ランドに行って来た。お客さん、全然いなくてビックリしちゃった。つぶれちゃうかもね』

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