清楚で可愛らしい妻には、淫乱なもう一つの顔があった


『そろそろ、赤ちゃん欲しいね』
妻ののぞみが、夕食後の晩酌の時間に言い始めた。僕は、その言葉に少しだけ驚いていた。結婚して2年、僕はまだ子供を作ることは考えていなかったし、のぞみもそうだと思っていた。

僕は、急にどうしたの? と、聞いてみた。のぞみは、
『あと2年で30歳でしょ? 体力があるうちに子育てしないと、大変かなって』
と、ごく当たり前のことを言う。僕は、そうなんだと答えた。

のぞみとは、24時間営業のスポーツジムで知り合った。ビックリするくらいに綺麗な女性がいるなと思ったのが、最初の印象だ。瞬きすると風が起きるのではないかと思うくらいのパッチリした二重まぶた。顔も、僕の拳くらいしかないのではないかと思うくらいに小さかった。
そして、脚も長くてスタイルも良いが、胸は小さい。さすがに、全部パーフェクトというわけではなかった。でも、そんな事は気にならないくらいに、とにかく顔が美しい。なぜ僕なんかと結婚してくれたのか、いまだによくわかっていない。

僕は、システム開発なんかをしているエンジニアだ。小さな会社だけど、誰でも知っているような有名企業の仕事なんかも請け負ったりしていて、それなりに利益は上がっているみたいだ。実際、僕もけっこうな給料はもらっていて、IT土方と揶揄されるような感じではないと思う。

でも、見た目はいかにもエンジニアという風貌だと思うし、これまでの人生で女性にモテたという実感は一度も持てたことがない。

当時、僕は比較的遅い時間にジムを利用することが多かった。深夜一時くらいに利用することが普通だった。その時間の方がジムが空いていると言う事もあったし、寝る直前に運動してシャワーを浴びたいという理由だった。

そんなある日、のぞみがジムに来た。深夜のジムは人が少なく、いても男性ばかりだったので、のぞみが入ってきたときに少し驚いた。
マシンプレスをしていた僕は、入ってきたのぞみに見とれてしまった。髪を束ねてポニーテールみたいになっていたのぞみは、パッと見大学生くらいに見えた。多分、メイクが薄いのかノーメイクだったのもあると思う。

僕は、彼女が更衣室に消えると、我に返ってトレーニングを再開した。周りを見ると、今日は僕以外に男性が2人いる。50代くらいの二人だ。黙々とトレーニングをしている。

のぞみが更衣室から出てくると、その姿にまた目を奪われてしまった。ぴったりとしたレギンスに、スポーツブラみたいな上着。ヘソが丸見えだ。
僕は、見て良いのか迷いながらもやっぱりチラチラ見てしまうような感じだった。のぞみは、準備運動をしてトレーニングに入った。さっきのおじさん達が、時折話しかけたりしている。のぞみは、軽く微笑みながら一言二言話している。でも、それほど会話も盛り上がらず、のぞみは淡々とトレーニングをしている感じだった。

僕は、とくに話しかけることもなくトレーニングを続け、そして終わるとシャワーを浴びて帰宅した。それが、最初の出会いだった。出会いと言っても、一方的な出会いだ。
でも、あとで話を聞くと、のぞみはこの日から僕を認識していたようだ。話しかけてこない僕に、好感を持ったそうだ。ただ気が弱くて話しかけられなかっただけなのに、何が幸いするのかわからないなと思う。

そして、週に2回3回のぞみとジムで顔を合わせるようになった。1ヶ月ほどで会釈する程度の関係になり、徐々に挨拶をするようになった。

そして、ウォーキングマシンを歩くとき、世間話をする程度の関係になっていった。半年くらいはかかったと思う。この頃から僕は、もっと仲良くなりたいと思うようになっていた。でも、ここで誘ったりしたら、すべてぶち壊しになるだろうなと思って出来ずにいた。

そんなある日、ばったり街中で彼女と会った。いつもとは違い、メイクもしている彼女は怯むほど美しく、彼女に気がついても声をかけることが出来なかった。すると、少し遅れて僕に気がついた彼女が、手を振りながらもの凄く良い笑顔で声をかけてきてくれた。

『松本さん! ビックリしちゃいました。会社、この辺なんですか?』
のぞみは、本当に嬉しそうに話しかけてきてくれた。僕は、彼女のその態度にただただ驚いていた。ジムで顔を合わせる程度の関係なので、外で偶然会ってもそこまで嬉しそうな顔はしなさそうなものだ。僕は、嬉しくなりながら会話を続ける。

のぞみは、
『そうなんですね! 私も、あのビルなんですよ。こんなに近いところだったなんて、ビックリです。縁がありますね』
ニコニコと話してくる彼女。僕は、あまりに無警戒に個人情報を話してくる彼女に、本当に驚いていた。
彼女くらい美しいと、色々と言い寄ったりストーカーまがいのことをしてくる男は多いのではないか? そんな心配をしてしまう。

『今度、お昼一緒に食べましょうよ! 美味しいカレー屋さん見つけたんです』
そんな事まで言ってくる彼女。僕は、社交辞令だろうなと思いながら、小声で良いですねと答えた。すると、
『思ってないでしょ。行く気ないって顔してますよ』
と、のぞみが少しすねたような顔で言う。僕は、慌ててそんな事はないですと言った。すると、のぞみの方から連絡先の交換を求めてきた。僕は、これは美人局的な罠にハマったのかな? と、思うくらいにビックリしていた。

そして、lineを交換すると、本当に彼女は頻繁に昼を誘ってきた。なかなかタイミングが合わなかったが、やっと一緒に食べに行くことになり、僕はかなり浮かれていた。

『やっと来てくれた。4回も断られて、心折れそうでしたよ』
のぞみは、少しおどけたような感じで言う。怒っているわけではないが、からかっているような感じでもない。僕は、謝りながらもメニューを見始めた。

のぞみは、よく話す子だった。自分のこともよく話すし、僕のこともよく聞いてくる。彼女は、すぐそこの会社の受付をしている子だった。大きな会社なので、常に玄関の所に受付の女性がいるような所だ。
東北から上京して一人暮らしをしていて、あのジムの近所に住んでいるそうだ。僕は長野出身だけど、よく似た感じの生活をしているんだなと思った。そして、この時点で僕はもう彼女に恋をしていた。

僕が、何回も誘ってくれてありがとうと言うと、
『4回も断られたから、私のこと嫌いなのかなって思っちゃいました』
と、笑顔のまま言う彼女。僕は、また謝りながらも、どうして僕なんかを誘ってくれたのかと聞いた。すると、興味があったからだと言われた。なんでも、僕があまりに彼女に関心を持たないので、逆に興味を持ったようだ。

想像通り、のぞみはよく男性に声をかけられるそうだ。べつにモテ自慢という感じではなく、少し迷惑に感じているようなニュアンスで言う彼女。美人は美人で、悩みもあるんだなと感じた。

そして食事が終わり、会社の近くまで一緒に歩こうとなる。受付の制服の上にカーディガンをまとった彼女は、とにかく美しく見える。僕は、一緒に歩けるだけで誇らしいというか、幸せだった。

『私、嫌われてるのかなって思ってたんですよ。最初の頃。話しかけても、あんまり話してくれなかったですよね?』
のぞみは、そんな風に言う。僕は、そんな事はないと言った。
『じゃあ、私のこと好きですか?』
のぞみは、真っ直ぐに僕の目を見つめながら聞いてきた。僕は、大きな目で見つめられると、催眠術にかかるような感じになってしまうんだなと思っていた。

そして、しどろもどろで上手く答えられずにいると、
『私は直之さんの事、好きですよ』
と、恥ずかしそうに言う彼女。僕は、まさかの言葉にフリーズしてしまった。そんな僕に、
『また一緒に食べて下さいね』
と、のぞみは言いながら小走りに会社のビルに向かっていった。後ろ姿を見送りながら、僕は自分の身に何が起きてるんだろう? と、困惑していた……。

そして、頻繁にお昼を一緒に食べるようになった。そして、勇気を持って僕が映画に誘った。
『やっと誘ってくれた。やっぱり、私のこと嫌いなのかなって思ってましたよ』
のぞみは、嬉しそうに微笑みながら言う。僕は、そんな事ないよ! と、慌てて否定する。
『じゃあ、好き?』
のぞみは、少し上目遣いで僕に質問してきた。僕は、すぐに好きだと告げた。無邪気な子供のような笑みを浮かべるのぞみ。僕は、彼女を自分のものにしたいと強く思った。

そして、数ヶ月後にのぞみにリードされるような感じで告白して交際が始まり、3ヶ月後にはプロポーズしていた。その夜、初めて彼女と結ばれた。もちろん、キスなんかはすでにしていたが、結局この日まで最後まで行くことはなかった。僕が、ビビっていたのが大きいと思う。

僕の部屋で結ばれた。恥ずかしがりの彼女は、ほとんど真っ暗にしてもなお恥ずかしがっていた。
『胸……小さいから……』
恥ずかしがる彼女。確かに、胸は小さいなと思ったが、そんな事はまったく気にならなかった。終始控えめな声を上げるだけの彼女。意外に、経験が少ないのかな? と思ってしまった。

そして、僕はあっけないほど簡単にイッてしまい、短いセックスは終わった。のぞみとセックスをしていると言うだけで、信じられないくらいに興奮してしまった……。多分、人生で一番早く射精をしてしまったと思う。それでものぞみは幸せそうに、
『やっとだね。いつ抱いてくれるのかなって思ってた。私のこと、嫌いなのかなって思ってたよ』
と言う。初めて一緒に昼を食べたときの台詞だ。僕は、愛してるよと言った。のぞみは、私も愛してると言ってキスをしてきた。僕は、最高の幸せを感じながらも、まだのぞみが僕のことを好きになった理由がわからずにいた。

結婚してから2年、本当に幸せな日々が続いていた。のぞみはいつも笑顔でよく話をしてくれるし、週に2回くらいはそれとなくセックスを誘ってくる。ただ、相変わらず恥ずかしがりだし、フェラチオとかもあまりしてくれない。それでも、僕はのぞみとセックスをしていると言うだけで興奮してしまい、あっけなく射精をしてしまうような感じだ。
申し訳ないなと思いながらも、のぞみもそれほどセックスが好きという感じではないので、セックスあとのイチャイチャする時間を大切にすれば良いかなと思っていた。

そんなある日、僕が休みでのぞみが出社という日があった。イベントで、休日だけど出勤になってしまったそうだ。彼女を見送ったあと、僕は家の掃除なんかを始めた。いつもはのぞみに任せてしまっているので、たまにはと思って掃除を始めた感じだ。

と言っても、けっこう綺麗なのでそれほどすることはない。寝室を掃除しているとき、ついつい彼女の下着の棚を見てしまった。少しヘンタイっぽいなと思いながらも、妙にドキドキして興奮してしまう。
見慣れた下着が並んでいる。すると、奥の方に見慣れない下着があることに気がついた。黒や紫の下着。セクシーな感じがする。僕は、少し驚きながらもそれを手に取った。拡げてみると、それは下着なのにスリットが入っていたり穴が空いているようなセクシーなランジェリーだとわかる。

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