行方不明の母 前編


これは私が大学生(21)の時に起きた母(45)が寝とられた話です。

私と母は都内で二人暮らし。父が浮気し母と父は離婚。私は母に引き取られました。
自分で言うのも変ですが母は美人で料理もうまく、自慢の母でした。
一つ欠点があるとすれば、かなりの方向音痴で地図が読めません。
用事で始めての場所に出掛けた際は必ず私に電話がかかってきます。
そしてその方向音痴がきっかけで母は寝とられてしまいました。

私と母は親戚関係の用事で東北地方に泊まりで行く事になりました。
和は大学の授業もあり、先に帰ることになり、母は数日後に帰ることになりました。
私は帰る際、当然ながら方向音痴の母に帰りの電車のメモと新幹線のチケットを渡しました。

母が帰る当日、母から「これから帰るよ~」と電話があり、私は新幹線が乗る新幹線が駅に着く時間に迎えに行くための準備をしました。

夜の8時に母の乗る新幹線が着き、母が出てくるのを待ちましたが、母は出てきませんでした。私は車両を間違えたかと思い母のケータイに電話をしましたが反応はなし。新幹線の駅に行くまでの地元のローカル線に乗り間違えたのかと思い調べると、そのローカル線で人身事故があり、遅れが出ているようでした。

しばらく駅で待ちましたが、最終の新幹線が出てしまい私は改札を出て家に帰りました。
家の電話にも着信履歴はなし。留守電もなし。親戚の家に電話しましたがとっくに帰ったとのことでした。

2日後、私は大学を休み母が帰る予定だった逆ルートをたどり東北地方に行く事にしました。
地元について母を探すためです。
私が準備をしているとケータイがなり、相手は母でした。
あわてて電話に出た私は「母さん今どこ?心配したんだよ!」と話しかけると、その電話の相手は母ではありませんでした。

「あぁ、もしもし。有紀さんの息子さん?」

誰だ?私は「すみません、どなたですか。」と聞くとその男は「残念だけど有紀さんはもうそっちには帰らないよ。悪いけど有紀さんの荷物とかをこっちに送ってくれない。住所は…」と話してきました。

私は母が誘拐されたのだと思い「母は無事ですか?お金なら」といいかけると、男は笑いだしました。
「心配しなくても有紀さんに暴力とかはしてないよ。有紀さんは自由だ。自分の意思でこっちに居たいと言ってる。」

当然私は信じられず、その旨を話すと男は「残念、有紀さんは電話に出られない。どうしても信じられないのなら動画を見るといいよ。送るから」と言って電話が切れました。その直後、私のスマホに動画が送られてきました。しかもかなりの量。
私は恐る恐るその動画を見ることにしました。

続く

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続き:  行方不明の母 後編

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