来年の神事のことだよ、どうするかだ


モレの弟は来年が神事だ。
新しい掟に従えば 第一候補は隣の在所の32歳の未亡人、第二候補は29歳の遠縁の出戻りの女性、第三候補は39歳の母親の妹、第四候補は今年24歳のモレの嫁さん。
      
既に今年も神事の相手役を勤めていた第一候補の女性には、快く了解をモレの母親がもらってきたから、安心だが、来年の夏にならないとわからないな、もしモレの嫁さんにまわったら、嫁さんは快く引き受けるといってるが、兄弟が穴兄弟になりかねない事実に、モレは引いている。
      
      
今年も神事が終わったわけだが、問題があるな。
氏子の新しい掟だと、以前おきた問題が起きる可能性があるのがわかった。
結局、今年も神事を迎える新若が候補に上げる女性が、以前の2/3位に実質減ったため重なる可能性が強くなった。
今年は、なんとか調整したが、来年もできる保障はない。
新しい掟で、神事に実質選ばれる対象から外されてしまった女性達の中に、不満がでているのも事実だし、女性の条件に関する新たな掟を原則論にして、もっと弾力的に運用しないとだめだと思う。
      
若中の反省会で、この話が出てたが氏子は何も言わなかった。
来年も氏子が神事を仕切ることが決まったが氏子も、田舎と現住所を往復するのが大変だな。
来年は、神事を迎える新若が、今年よりもずっと多いわけだが、今年でもこれだけ調整が難しかったのに来年は、どうなることかわからないな。
来年の新若の内、既に親が気を利かせて、相手の女性を今年の神事のうちに決めた家もあるようだが、それでも調整は大変だろう。
氏子の言う、「その年の神事において、複数の氏子を相手にする女性は認めない」この掟は続けてたら、やがて神事はなくなりかねないと思うが。
      
氏子もここを見てるのだったら、もう少し考え直して欲しいものだ。
若中や、氏子や、総代、宮司も神事の継続を望んでいるのに、改革は大切だが、性急過ぎる気がする。
来年、神事を迎える若中が、そわそわしているのがよくわかる。
一生に一度の神事なのだから、もうすこし改革よりも、神事を迎える若中と、神事を手伝ってくれる女性の事を考えるべきだと思うのだが。
      
      
今年の神事の打ち上げのときに、古株の総代連が氏子を呼び出して、遠い昔の神事に方法を戻したらどうだと言ってたぞ。
      
その年、神事を迎える新若と同数の女性を若中座で集めて、あとは神前で籤引きで相手を決定して行う方式らしい。
      
これだったらモレ達が必死になって調整に駆け回る事もなくなるわけだし良いかもしれないが、氏子ははっきりと断っていた。
      
籤引きで決めるのは、あまりにも当人の意思を無視しすぎているというのが氏子の断った理由。
      
氏子は氏子で、いろいろと頑張っていると思うよ、あんな、うるさい年寄り連中や女連中を相手に奮闘してるよ。
      
まあ、氏子だからみんな付いていってるんだけどな、年寄り連中も、女連中も氏子には、あまり偉そうに言えないからな。
      
だけど氏子の次にやる人間は大変だ。
氏子自身も、改革をやり遂げてから辞めるとは言ってるが。
      
改革元年の今年の神事ではっきりしたことは、意外だが、若中よりも女衆のほうがとくに若手の女衆の方が神事には積極的だったことだな。
      
神事の対象から掟で省かれた女衆が氏子に噛み付いていた。
      
子供会の役員は対象からはずすことになったわけだが、そのせいではずされた若奥さんが氏子の家でクレームをつけたらしい。
      
      
遠い昔の神事というのは、酒の席でよく話になる日露戦争直前までの神事形式だな。
あの頃と今では、時代も違うわけだが、年寄り連中は何を考えているやら、困ったものだ。
神事は、若中が行うもので、若中を上がった人間が神事のやり方に口を挟むのはおかしな話だ。
いくら、女性のほうがそれでも構わないと言ったところで、神事を迎えるまで相手が決まらないで、当日本人の意思関係なく、神事の相手が決まるというのは、やはりいくらなんでもまずい話だ。
      
氏子の話じゃないが、去年までの五年間で9回の神事を勤めた女性が出たりするのは、おかしな話だ。
その女性が了解し、その夫も了解しているとはいえ、異常事態だといわざる得ない。
関係者が神事だと割り切っているとはいえ、確かに改善することが必要なのは事実だ。
だから、新しい掟の、「女性は一年に一回しか神事を勤める事が出来ない」という項は正しいと思うが、今年の神事の打ち上げの時に、女性の方から反対意見がでたのは、確かに驚いた。
今の氏子の方針は、女性の立場を守るそれからスタートしているのに、女性の方から反対意見が出たことは、氏子も複雑だっただろう。
結局、どこかで今年定めた、女性の神事参加の要件を削除して、規制を緩める事が必要になるわけだが、氏子はどうするのだろうか?
      
来年新若になる連中の親達は、すでに今年の夏から神事の相手を探すのに躍起になっている、氏子の決めた掟を理解してない親が多いから、混乱してるのがおかしい。
「三親等以内の親族は神事の相手にならない」これが、混乱の原因だな。
たいてい、神事の相手が外で見つからない若中は、叔母とか母方の姉妹に頼む込むものだがそれができないからな。
それが氏子の定めた掟が不評な原因かもしれない。
      
      
来年の新若になる若中の中には、モレの弟もいるわけだが。
      
確かに混乱しているかも。
      
家の弟の場合、今年の神事が始まる前にすでに、モレの母親が第一候補の隣の在所の32歳の未亡人に了解を得ていたのだが、それを聞きつけた別の新若の父親が、自分の息子の神事の相手になるように割り込んできて、氏子預かりになった。
      
氏子は、近いうちに両家と、当事者の女性の意見を聞いて調整すると思うが大変だな。
      
新しい掟の為に、モレの弟の第三、第四候補は消えたわけで、その点ではモレは安心しているが
母親は、第一候補が外れた場合のために、今から第二候補に頼み込みに行ってる。
      
      
氏子と電話で話したのだが。
ここを見ている関係者もいるかもしれないので、結果だけ書いておく。
今年の秋祭りのあとの、総会で提案する予定らしいが、氏子が、女人講と女衆の役員と話し合った結果、女衆の方で、予備のリストを作って氏子に渡す事になったらしい。
そのリストは氏子だけが閲覧可能として、そのリストを参考に調整する事になったらしい。
ただし、神事の相手が決まらないでいる、新若が対象で、自分の家で決める事のできた新若は対象外にするらしい。
      
氏子に噛み付いた新若の親が、氏子の嫁を神事に貸せと言ったらしいが、その親の親戚が仲裁に入って、最後はその親が氏子に謝罪したらしい。
氏子が決めた新しい掟に、あの世代の人間はかなり怒ってる人間が多いようだ。
氏子の世代の若衆は、氏子を支持して結束してるから良いが、氏子の後を継ぐ人材がいないのも問題だと思う。
このままでは、氏子が役を降りたら、元に戻りかねないな。
どっちにしても、来年と再来年は祭りは続くが、その後は神事が続くかどうかはわからないな。
この神事、もはや隠し通すのにも限界にきてるし、神事の間、他所人の往来に若衆がピリピリしているのも限界に近くなってきている。
来年あたりは、夜警番に、女性を参加させなくてはならないかもしれない。

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