妻が高校の同窓会に出かけて、そろそろ日付が変わる……。22時には帰ってくると言っていたのに、連絡も無い。久しぶりの同窓会なので盛り上がっているのだと思うが、心配になってしまう。ドラマなんかにあるような、不倫とかを心配しているわけではない。事故だとか、酔い潰れてどこかで寝てしまっているのではないか? そんな心配だ。
連絡をすれば良いだけの話だと思うが、ゆっくり楽しんできてと言った手前、躊躇してしまう。それでも、さすがに0時を回ったら連絡をしよう……そう思っていると、玄関で物音がした。
「ただいま~。ゴメンね、遅くなっちゃった。なかなか帰るタイミングが掴めなくて……」
玲奈は、申し訳なさそうに入ってきた。当然だが、出かけていったときと同じ姿だ。別に、髪が乱れているわけでもないし、怪しいところは見当たらない。でも、そんな事を考えてしまった自分に、少し驚いている。
玲奈は、とても真面目な性格だ。ウソのつけないタイプで、浮気をする事なんてないと思う。小柄で髪も短く、ボーイッシュな雰囲気がある。身体を動かすことも好きで、アクティブな女性だ。
私は、心配していたことを表に出さず、どうだった? と、素っ気ない素振りで聞いた。実際は、結構気になっている。私は、心配性で、少しヤキモチ焼きなところがあるのを自覚している。玲奈が何か良くないことをするとは思っていないのに、つい心配が先に立ってしまう。
「うん。楽しかったよ。ありがとう。久しぶりに会うと、みんな年取ったなって思った」
楽しそうに報告する彼女。でも、まだ玲奈は28歳だ。歳を取ったと言うには若いと思う。私は2歳年上の30歳だが、やっぱり20代と30代では体力が違うなと感じることも多くなった。
「シャワー浴びてくるね。眠かったら、先に寝てても良いよ」
玲奈は、優しい笑みを浮かべながら言う。私は、わかったと言いながらも、飲みかけのコーヒーを飲んでリビングで過ごした。ホッとしている。言っていたよりは遅い時間だが、まだ日付は変わっていない。
同級生とはいえ、他の男性達と楽しく過ごしていたと思うと、嫉妬心が刺激される。私は中高男子校だったので、同窓会に行っても男だけだ。それはそれで楽しいが、やっぱり華は無いと思ってしまう。
「コーヒーなんて飲んだら、寝れなくなっちゃうよ」
そんなことを言いながら、ソファに座る彼女。パジャマを着てすっぴんだと、子供みたいに感じる。私は、何人くらい集まったの? と聞いた。
「20人くらいかな。10年しか経ってないのに、この人誰だっけ? って忘れちゃってる人もいたよ」
無邪気に笑いながら話を続ける彼女。そう言えば、元彼とかもいるのだろうか? 同じ高校の人と付き合っていたという話は聞いたが、同級生なのか先輩なのかまでは聞いていない。そうは言っても、元彼はいたの? とも聞けず、次の言葉が出てこない。
「今日、あんまり絡みが無かった人に、好きだったって言われちゃった。全然知らなかったから、驚いちゃった。でも、なんか甘酸っぱい気持ちになったよ」
唐突に、そんなことを言い始めた玲奈。ドキッとしてしまった。ドキッとしすぎて、コーヒーカップを倒しそうになった。
「フフ、驚きすぎだよ。私も驚いたけどね。高橋君って言うの。バスケ部だった人。でも、本当にほとんど絡みは無かったんだ。特に印象に残ってることも無かったから、驚いちゃった。どこが好きだったの? って聞いたら、顔だって。私なんて、別に可愛くないのにね」
玲奈は、多少酔いが残っているせいもあるのか饒舌だ。そして、なによりも嬉しそうに見える。
「うん。それは嬉しいよ。誰かに好きになってもらうって、イヤな気持ちにはならないもん」
玲奈は、そんな風に答える。確かに、その通りだと思う。玲奈は、彼に好意は持っていなかったのかと聞いた。
「フフ、気になるんだ。ヤキモチ焼いてるの?」
玲奈は、イタズラっぽく微笑む。私は、少しねと答えた。実際は、結構ヤキモチを焼いている。でも、プライドが邪魔をしてそう答えた。
「嬉しいな。ヤキモチ焼いてくれるの、初めてじゃない?」
玲奈は、そんなことを言う。確かに、実際に言葉に出したのは初めてかも知れない。でも、いままでそんなシチュエーションがなかっただけだと思う。
「好意は持ってなかったよ。全然気にしてなかったから。そんなに絡みもなかったし、私の好みのタイプじゃなかったもん」
好みのタイプじゃないと聞いてホッとしながらも、どんな人なの? と、聞いてしまった。もう、完全にヤキモチを焼いている男になってしまっている。
「中性的って言うのかな? なんか、整ってて可愛らしい感じの顔だよ。背は高いんだけど、男らしいって感じではないかな」
それは、イケメンだと言うことだと思う。でも、確かに玲奈は男らしいタイプが好きだ。私も、大学の時はボート部で身体はゴツい。顔立ちも、濃いと言われることが多い。
「凄くモテてたしね。なんか、違う世界の人って感じだったかも。話してて、色々思い出したよ」
玲奈は、楽しそうに話を続ける。私も、気になったことを色々聞いてしまう。
「まだ独身だって。仕事忙しいって言ってた。美容師になったんだって」
玲奈は、色々と教えてくれる。その表情は楽しそうで、ますます嫉妬心が刺激される。すると、いきなりキスをされた。そればかりか、舌まで差し込んできた。興奮した顔でキスを続ける彼女。少し酒の臭いを感じる。酔っているにしても、こんなキスをしてくることは初めてだ。
「ヤキモチ焼いてる? 心配してる?」
玲奈は、私のことを見つめながら聞いてくる。その表情は、妙に可愛らしいし挑発的にも見える。私は、素直に嫉妬しているし、心配もしていたと伝えた。
「浮気しちゃうって思った?」
玲奈の質問は続く。浮気の心配はしていなかったが、説明できないモヤモヤした感情を持っていたと伝えた。
「私のこと、好き?」
玲奈は、思っている以上に酔っているみたいだ。意外に、絡み酒なのかな? と感じる。もちろん、大好きだと伝える。
「私も。大好き」
玲奈は、そう言ってキスを続ける。そのままもつれるようにソファに倒れ込み、セックスが始まった。今日の玲奈は、積極的だ。キスをしながら、股間をまさぐってくる。こんな事をされた記憶はほとんどない。
「固くなってるよ。ヤキモチ焼いて、固くなったの?」
玲奈は、イタズラっぽく微笑みながらまさぐり続ける。私は、快感にうめきながら、そうだと答えた。
「嬉しいな……もっとヤキモチ焼いて欲しい」
そんなことを言いながら、私のパジャマを脱がせてくる彼女。すぐに乳首にむしゃぶりつくように吸い付いて舐めてくれる。快感に、思わず声が漏れる。本当に気持ちいい。嫉妬していることで、快感が増すのだろうか? 不思議な感覚だ。
「高橋君、3年間ずっと私のこと好きだったんだって。でも、勇気がなくて言えなかったって」
私の乳首を舐めながら、そんな報告を続ける玲奈。もしも告白されていたら、どうしたの? と聞くと、
「う~ん、タイミング次第だったかな? 私、高校の時はだいたい彼氏いたから」
と言われた……。それは聞いていなかった。過去にヤキモチを焼いても仕方ないとわかっているが、それでも嫉妬心がもたげてくる。
「今度、お茶しようって誘われちゃった」
玲奈は、少し緊張気味に言う。私は、慌ててどう答えたの? と聞いた。自分でも、みっともないくらいに動揺してしまっている。
「良いよって言ったよ」
玲奈は、真っ直ぐに私を見つめながら言う。思わず絶句してしまった。二人きりで会うのは、さすがにダメだ……そう言おうと思った瞬間、
「フフ、ウソだよ。そんなの無理だよって言ったよ」
と、笑顔で言われた。玲奈は、楽しそうに笑っている。そして、
「びっくりした? でも、ここもっと固くなったよ。どうして? ヤキモチ?」
玲奈は、私のペニスを握ったまま聞いてきた。確かに、今の私はかなり興奮してしまっている。興奮しすぎなほど興奮している。
「こんなになるくらい、興奮しちゃうんだね。変なの。でも、それならOKって言えば良かった? その方が、もっとヤキモチ焼いてくれる? 興奮する?」
玲奈は、好奇心で目を輝かせている。私のヤキモチが嬉しいみたいだ。そんなのダメだよと言うと、
「本当に? カチカチになってるよ。高橋君とデートしたら、もっとカチカチになるんじゃない? もっとヤキモチ焼いてくれるんじゃない?」
玲奈は、驚くほどの執着心を見せる。そんなに私のヤキモチが嬉しいのだろうか? でも、考えてみれば、最近好きだとか愛していると言葉にしていなかった。もしかしたら、寂しい思いをさせていたのだろうか?
言葉が上手く出てこない私……玲奈は、自分も服を脱ぎ始めた。そして、ソファに仰向けに寝転がると、
「来て……愛してる」
と、恥ずかしそうに言う。小柄な身体は、可愛らしい印象が強い。でも、脱ぐと思いのほか胸のボリュームはある。玲奈は、さっきまでの積極的な態度がウソのように、恥ずかしそうにモジモジしている。私は、玲奈のまばゆい裸体に目を奪われながら、すぐに彼女に覆い被さった。
最近は、避妊具を使っていない。でも、計画的に子作りをしているわけではない。授かったら産もう……そんな形での子作りを始めたばかりだ。
「うぅ……固い……すごく固くなってる」
玲奈は、いつもと違う感覚があるようだ。でも、それは私も同じで、いつも以上に摩擦を感じる。それだけ私のペニスが怒張していると言うことだと思う。玲奈が、他の男と楽しく過ごしていた……好きだったと告白されて、喜んでいる……そんな事実に、不思議なほどの嫉妬と興奮を覚える。
すぐに腰を振り始めると、玲奈は抱きついてくれる。そして、いつも以上に気持ちよさそうにあえぎ始めた。
「んっ、アンッ、あっ、固い……気持ちいいよ。いつもよりカチカチになってる」

