両親の本当の姿


私はそこそこ裕福な家庭に生まれ育ったが、父と母が仲良く会話をしているところを見たことがない。
共働きで家を空けることが多く、顔を合わせる機会が少なかったためか、父と母は会話のない夫婦となっていた。
しかも、母の方が五歳も年上で高収入だっためか、父としては肩身が狭かったのだろう。休みの日も家に居座ろうとせず、趣味の釣りやパチンコに出掛けることがほとんどであった。
母の方も手芸や家庭菜園といった趣味に勤しんでおり、互いのことに一切干渉しようとしない、家庭内別居に近い状態が何年も続いていた。
娘の私としては、「お父さんとお母さんには、もうちょっと仲良くしてほしい」、と切に願っていた。
そんな折、私は冬風邪をひいてしまった。
自分の布団ではなかなか寝付けず、幼稚園の頃みたく母に甘えたくなってしまい、寝床を両親の寝室へ移そうとした時だった。

――あぁ~……あぁ~……

どこからともなく、誰かの呻き声が廊下にまで漏れていた。しかも、その声は父と母が使っている和室から聴こえ、「中で二人は何をしているんだろう?」、という好奇心が湧いてきた。
そして、音を立てないように襖を数センチほど開け、その隙間から中の様子を覗き込むと、そこには私の知らない二人の姿があった。

「はぁ……はぁ……洋子(母の名前)!! 洋子!!」

「真二さん(父の名前)!! 真二さん!!」

父と母は裸のまま抱き合い、汗だくになってお互いを求め合っていた。
まだ小学生だったとしては、二人が何をしているのか理解できず、その場で呆気に取られてしまった。
初めて目にした両親の夫婦生活は、思った以上に生々しかった。父はまるで獣のようにアレを母のアソコへ押し込み、出たり入ったりするたびに、二人の喘ぎ声が廊下まで響いてきた。
あんなモノが股の中に入ると考えたら、こっちまでアソコがむず痒くなってしまう。
時折、父はまるで赤ちゃんみたいに母の乳房にチューチューと吸いつき、母もそんな父を微笑ましく受け入れていた。
いつもは口を交わそうとしない二人が……まさか、こんなに仲が良かったとは……

翌朝、いつも通りの会話のない食卓。ただひとつ違ったことは、父も母も心なしか上機嫌に見えた。

それからもトイレに起きるたび、両親の寝室をこっそりと除き込むと、二人が愛し合っている姿を何度も目撃した。そして、私が六年生になった時、母の妊娠が発覚。

四十二歳の高齢出産だったが、無事に弟を出産した。

現在、父は四十四歳、母は四十九歳の熟年夫婦となったが、夫婦生活をいまだに現役らしく、昨日も大学のコンパ帰りに両親の寝室の前を通ると、二人のいやらしい喘ぎ声が聞こえてきた。

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