資本主義が面倒なセックスの代わりにオカズを提供するのでオナニーが増える


『セックスレス亡国論』 (朝日新書) 鹿島 茂,斎藤 珠里
      
      
タイトルから受ける印象と中身が釣り合っていないが、なかなか楽しめた一冊。「結婚相手を自由に選べるようにしたことであぶれる人が出てくる」「面倒なことを代行するのが資本主義。そのため、面倒なセックスの代わりにオカズを提供してオナニーするようになった」など、興味深い指摘が多かった。
      
      
資本主義の発展は、本質的に面倒くさいことを金で「代行」させる仕組み(ビジネス)が発展すること。その結果、面倒くさいことの代表であるセックスが少なくなってしまったという考察。猥雑な知識があちこちから飛び出してきて、とっても面白く読めるけれど、これは本当は怖い話だと思う。たしかにありとあらゆることが「代行」されているのに気づく。とどのつまり人工知能は、思考することを代行させることになり、資本主義の中で今話題の人工知能が発達していくとすれば、欲求も思考も人間はなくしていき、まさに生ける屍となることが危惧される。
      
      
“資本主義がセックスレスを招く”と提起する本。 面倒くさいことをお金を払って避けるのが資本主義であると説き、男はセックスのための面倒くさい求愛行動を避けてオナニーで済ませるようになったと言う。確かに。 一生童貞のまま終わりそうな友人は自分の周りにも何人もいる。 いやだけど、「そうじゃないだろう」と、自分も問題に向き合ってみたい。
      
      
表のテーマはセックスレスだけど本当のテーマは「面倒くささ」。面倒くさいものにどう対処しているかでその人が見えてくるような気がした。セックスが夫婦関係の潤滑油っていうのと女性誌を読んでいる女性はもてないってのは真実。

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