自分が寝取られフェチだと認識したあの日


 結婚して早や二十年、
今年四十三歳になった妻の佳恵。

 地味な丸顔にショートの黒髪、
美人ではないが、かといってブスではない。
 小柄で華奢、ほっそりした体形は、
スタイルが良いと言うよりも
ただ瘦せていると言った方が的確だろう。

 性格は大人しく控えめで、
一緒にいても空気のようにまるで存在感がない。
 極めつけは高校生の息子の友人達から、
「のび太の母さん」なるニックネームで呼ばれていることだ。

 聞けば、結婚するまで男性と交際したことがなく、
経験した男も私一人だけとのこと。
 セックスに関しても常に受け身で、
妻の方から求めてきたことは結婚以来、一度としてない。

 月に一度あるかないかの営みは、
妻の側からすれば、やむを得ない「お勤め」なのだろう。
 悦びの声をあげることもなく、
ましてや絶頂に達することもない。
 やがて私が精を放つのを、うつろな表情で待っているだけ。
 コトが終わるやいなや余韻を楽しむ暇もなく、
さっさと隣のベッドへ移ってしまう。

 虚しい気持ちでコンドームを外し、
鈴口から沁みだしてくる残滓を背中を丸めて拭き取っている私だが、
これまで文句を言ったことは一度としてない。
 常日頃から夫婦の性生活なんて、
だいたい何処の家庭でもこんなものなんだって諦めていたし、
何より妻や母親としての務めを十分こなしている妻に対して
口にこそ出さないが、内心感謝していたからだ。

 ところが先日、
この夫婦の絆を覆してしまうような思わぬ事件が起きる。

 仕事が立て込んで遅くなった日、
車通勤をしている会社の若い部下に
家まで送ってもらった時のことだった。

「武井君、悪かったね。
 ちょっと上がって休んでいかないか」

「係長、ありがとうございます。
 じゃ、お言葉に甘えてちょっとだけ」

「佳恵、武井君だ」

「初めまして。 武井と言います。
 係長にはいつもお世話になっています」

「さ、さあ、どうぞ。 お上がりください。
 散らかっておりますが」

 突然の来訪者に戸惑う妻、
ノーメイクを恥じてか
やや伏し目がちに武井を招き入れる。

 リビングのソファを勧め、
慌ただしくコーヒーの用意をする妻。
 地味なコットン生地の膝丈ワンピ、
ノースリーブの肩口から
白いブラのストラップがだらしなくハミ出している。

「アイスでいいかしら。
今日は暑かったですね」

「いただきます」

 腰を屈め、グラスを差し出す妻の大きく開いた襟ぐりから
飾り気のない白いブラが丸見えになっている。
 よく見るとサイズが合っていないのか
完全に浮き上がってしまっていて、もう少しで乳首が覗けそうだ。
 慌てて武井を見ると、彼もじっと妻の胸元を覗いている。

「よ、佳恵。 もういいから洗い物でもしていなさい」

 妻がキッチンへ向かうと、
武井はこちらに向き直り真顔で話す。

「係長の奥さんってメッチャタイプです。
ファンになってもいいですか」

「た、武井君も悪趣味だなぁ。
 あんなオバサン相手に」

「係長、オバサンはひどいですよ。
 おねえさんですよね、奥さん」

 急に振られた妻は困った表情で
苦笑いを浮かべている。

 上司の妻へのリップサービスかと思ったが、
キッチンに立つ妻の小ぶりなヒップや
ほっそりとしたふくらはぎを見つめる武井の真剣な表情からは
妻に対して興味を抱いている事が明らかに読み取れる。

 普通なら誰も見向きもしないような
こんな痩せぎすで地味な中年女の
一体何処がいいのか全く分からない。
 会社には今年大学や短大を出た
若くて可愛いくて胸の大きいOLが何人もいるというのに。

「武井君、カノジョはいるのかい」

「いや、いません」

「へえ、君ほどのイケメンが」

「なんか、若い子って駄目なんです。
めんどくさいっていうか、ついていけないっていうか。
 僕は落ち着いていて物静かな大人の女性、
係長の奥さんみたいな女性がタイプなんです」

「しかし物事には限度ってもんが……」

「いいじゃないですか、係長。
 そうだ、奥さんスマホの番号教えてくださいよ」

「え、あの、ちょっと……」

「良いじゃないですか。 今度お茶でも」

「おいおい、武井君。 
 もうその辺で勘弁してくれよ。
 家内も困っているだろ」

「え、あー、そうですね。 
 ご主人の前でナンパなんて、図太すぎますよね。 
 じゃあ、今夜はこれで失礼します」

「すみません、武井さん。 何のお構いも出来なくて」

「いやいや、今日は奥さんにお会い出来て良かったです」

 妻はその言葉にまた苦笑いを浮かべ、少し頬を染める。

 玄関先まで見送りに出た妻をじっと見つめる武井。
 柔和な表情を浮かべてはいるが、その視線はオスそのものだ。
 細い首筋、華奢な肩、袖口から伸びるほっそりと白い二の腕、
コットン生地をかすかに盛り上げている小さな胸の小山。
 無遠慮な武井の視線が妻の身体を舐めるように行き来している。
 
 そしてその様子を妻の後ろの物陰から、
唖然としながら見入っている私。

 間違いない。
 あの男は私の妻を性欲の対象にしている。
 もしも、あの場に私がいなかったら、
今頃妻はどうなっていただろう。
 唇を奪われ、全裸に剥かれ、力づくで組み敷かれると
思わず目を背けるほどの反り返った剛直で
子宮まで一気に刺し貫かれていたに違いない。
 力強いピストンに心ならずもイカされて、
最後は子種をしこたま注ぎ込まれたことだろう。

 武井が帰った後、
ダイニングでビールを飲みながら、
洗い物をする妻の後姿を眺める。
 
いままで二十年間も連れ添った妻が、
他の男に奪われそうになることで感じる、
狂おしいまでに焦燥感、損失感。

 もしかけがえのない妻が
私以外の男に身体を開いたらという
どうしようもない無力感、敗北感。

 胸が締め付けられ、動悸が収まらない。
 それは私が今まで経験したことのない感情の昂りだった。

 一本目のビールを空にして次のビールに手を伸ばす。
 妻の後姿を眺めながら、さらに想像を逞しくする。

 久しぶりに出席した同窓会で、
飲めない酒を飲まされて、
イケメンの元カレ(?)にお持ち帰りされてしまう佳恵。

 パートで勤めているスーパーの
好色そうな売り場主任に言い寄られ、
暗い倉庫の片隅で身体を許してしまう佳恵。

 遊びに来た息子の友人たちに
抵抗むなしくレイプされ、
危険日にもかかわらず、何度も中出しされてしまう佳恵。

 武井とこっそり連絡を取り合い、
私には仲の良い女友達とディナーに行くと嘘を付き
ラブホテルで快楽を貪り合う二人。
 何度も何度もイカされて、
最後は武井のモノになると誓わされる妻、佳恵。

 次々と浮かぶ妄想は留まるところを知らず、
私の頭の中はやがて「寝取られ」一色に染まっていく。

 「あなた、あの武井さんって方、
気さくな感じのいい方じゃないですか」

「お前の事、えらく気に入っていたな」

「そうかしら。 お世辞ですよ」

「もし、お茶や食事に誘われたらどうする」

「どうするって、そんな誘われたりしませんよ」

「お前のことが好きだって告白されたらどうする」

「そんなこと言いませんよ」

「食事の後、ホテルへ行こうって誘われたらどうする」

「はあ? あなた、なに言ってるんですか」

 酔いの力も手伝って
愛おしい妻を奪われたくない、
佳恵は私の女だという強い思いが頭の中を支配する。
 
 凶暴な意思に突き動かされた私はフラフラ立ち上がると、
洗い物をしている妻の背後に立ちいきなりスカートをめくりあげた。

「きゃっ! 何するんですか」

 高校生の母親とは思えない小ぶりなヒップに
飾り気のない白色のショーツがぴったりと張り付いている。

「どうしたんだ、こんな小さなパンツ履いて。
 武井が来たから履き替えたのか」

「ちょっと、何言ってるんですか」

 抗議すべくこちらを向き直った妻の頬を両手で挟み、
強引に唇を重ねる。

「ちょ、ちょっと、や、止め……」

 嫌々をして必死であらがう妻の
可憐な花びらのような唇を有無を言わさず吸い立てながら
わずかに開いた唇から舌を侵入させ
前歯から歯茎をこれでもかと蹂躙する。

「うぐっ、や、止めて……」

逃れようと必死にかぶりを振る妻に合わせて
執拗に唇を重ねながら、
素早くベルトを外し、ズボンをブリーフごと膝まで下す。

「佳恵、ほら、どうだ。
 俺のチンポを握ってみろ。
 こんなに硬くなってる」

 いきり立つ怒張を無理やり握らせながら
素早くワンピースをたくし上げ、
乱暴に首から抜き取ってしまう。

「お願い、止めて……」

 ブラとパンティだけになった妻は、
身体を屈めて必死で隠そうとする。

「コーヒーを出すとき、
わざとおっぱいを見せただろ。いやらしい女だ」

「見せてません。 偶然です」

 身体を丸めて逃れようとする妻の腕を取り、
無理やりダイニングテーブルの上に仰向けにすると
今時の中学生でも付けないだろう
シンプルな白いブラを強引に引っ張り上げる。

 プルンとばかりにまろび出る小ぶりな乳房。
 まだ芯が残っているのか仰向けになっても崩れずに
けなげに上を向いている。
 薄茶色をした大ぶりな乳首が、
ダイニングのライトに照らされて艶々と光っている。

「こんなに乳首を勃たせやがって。
 視姦されて感じていたんだろ」

「感じてなんかいません。
 お願い、もう許して」

「お前は俺の女だ。
他の男に色目を使うんじゃない」

「分かっているわ。
 分かっているから、もう許して。
 あなた、智樹が二階にいるんですよ。
もしこんなトコ見られたら……」

 私は聞こえないふりをして
ショーツのウエストに指をかけ、
薄皮を向くようにスルスルと膝まで一気に引き下げると
片足を抜き取ってしまう。

 うっすら生えているヘア、
ほっそりとした太もも、
経産婦とは思えない程の貧弱な尻タブは
まるで未成熟な少女のようだ。

 こんな子供のような身体をした女を抱きたがるなんて
武井って奴はロリコンなんじゃないのか。

 両膝をグイとばかりに割り開く。
 ぴったりと閉じられているスリットから
非対称の小陰唇がわずかに覗いている。

「ねえ、お願い……シャワーを浴びさせて。
汚れているから恥かしいわ。 
その後にお布団で、お布団で好きなだけ……
あなたの気が済むまで抱いて」

 妻の必死な声を聞き流し秘唇を指で押し広げる。
 四十過ぎのオバサンにしては綺麗なピンク色をした膣肉が
明るい照明の下に曝け出される。

 極度の興奮で真っ赤に充血した亀頭を
おちょぼ口のような膣口にあてがうとゆっくりと突き入れていく。

「い、痛い。 痛いからやめて」

 普段から指一本でもキツキツのヴァギナなのに
レイプ同然で濡れていないことも手伝って容易に奥まで挿入出来ない。

 一旦挿入は諦めて、
今度はパックリと剥き身になっている
小さなヴァギナにむしゃぶりつく。

「あっ! 汚れているからダメ!」

 懸命に腰を振り、股間から顔を外そうと試みる妻。
 そうはさせじとがっちり腰を抱え、
ムッとする性臭が漂う女陰から
包皮に包まれたクリトリスまでを徹底的に嬲り続ける。

 妻は苦し気に顔を歪め、
くぐもったうめき声をあげて懸命に抵抗を続けていたが、
やがて女陰の奥底から透明なラブジュースが
こんこんと沁みだしてくる。
 男を迎え入れるという女性の機能というものは
望むと望まないとに関わらず、
無意識の内に作動してしまうものなのだろう。

「ほら、濡れて来たじゃないか。
 いやらしい身体だ。
 誰に抱かれても濡れるんだろ」

 クンニリングスを止めて再び挿入を試みる。
 愛液と唾液が混ざり合い、
とろとろに蕩けている膣口を目がけて一息に突き入れると
今度は軽い抵抗感を感じながら、
あっという間にすっぽりと根元まで飲み込まれる。

「あぁ、ぬ、抜いて……
お願い、抜いてください」

 今まで何度このオマンコと交尾してきたことだろう。
 百回か、いやもっとそれ以上だろう。
 セックスを重ねるうちにすっかり私の形に馴染んでいったこのオマンコ。
 もし違う男のペニスを迎え入れたなら、妻はどんな反応を示すのだろうか。
 私とのセックスでは経験したことのない膣イキなるアクメを
妻は味わうことになるのだろうか。

「そんなに俺とセックスするのが嫌なのか。
 武井ならいいのか。武井に抱かれたいんだな」

「違う、ここじゃ嫌なだけ。
お願い、ベッドで、ベッドで……」

 少女のような細腰をがっちり押さえ
凶暴な肉棒をこれでもかと突き入れる。
 亀頭の先が子宮を押し上げる度に小ぶりな乳房が前後に波打ち、
すっかり立ち上がっている乳首がそれに合わせてプルプル踊る。

 結合部は激しい抜き差しに泡立ち、
溢れ出た汁はアヌスを伝ってテーブルに水溜まりを作る。

「武井に抱かれたいんだろ。
正直に言うんだ」

「違う、違います」

「言え! 言うんだ」

「お願い、もう勘弁して」

 挿入してからまだ一分も経っていないのに
強烈な射精感が込み上げてくる。
 尿道口を駆け上がってくる大量のザーメンは、
すでに待ったなしの状態だ。

「佳恵、出すぞ、いいな」

「あなた、避妊して。
 今日は危ない日よ」

「出すぞ! ああ、出る! 出る! 出る!」

「ああっ! ダメ! 外に、外に」

 より深い快楽を求めて、
狂ったように抜き差しをした直後、
子種の奔流は堰を切り膣奥の最深部、
ポッカリ開いた子宮口へと我先に殺到した。

 一射、二射、三射と続く豪快な射精、
イキの良い精子たちは着床せんが為に
四十三才の子宮を駆け上っていく。

「ああ、外に出してって言ったのに。
 ひどい、ひどいわ」

 すすり泣きを始めた妻の女陰から
すっかり小さくなったペニスが抜け落ちると
開きっぱなしの膣口から大量のザーメンが溢れ出て
太ももを伝い流れ落ちていく。
 そのザーメンはやがて足首に丸まっているショーツで堰き止められ
その生地にゆっくりと沁み込んでいく。

 嗚咽を漏らす妻が急に愛おしくなる。

「すまん、佳恵。どうかしていた。 
 許してくれ」

 いたたまれずにその場を離れ、リビングのソファに移動する。
 妻はその後もしばらく泣き続けていたが、
やがてテーブルから起き上がると床に散らばっていた服や下着を拾い上げ、
無言のままバスルームへと消えていった。

 ダイニングの冷蔵庫からビールを取り出し
もう一度リビングのソファに腰を落ち着ける。
 
 妻はいわれのないセクハラ行為に身も心も深く傷ついただろう。
 しかし私は今まで経験したことのないような
至上の快楽を味わう事が出来たのだ。

 恐らく近いうちに武井を再度招くことになるだろう。
 妻と武井がもう一歩踏み込んだ関係になることを想像し
胸をわくわくさせている私がいる。

 これも夫婦の形の一つなのだと
ビールをあおりながら自分に言い聞かせた。

 

 
 

 
 

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