チイちゃんと ⑦ エピローグ


前回:  チイちゃんと ⑥

「レイねぇ、おしっこしたい!!」
「レイちゃん、お外でおしっこしたことある?大丈夫?」
道から外れたトコロでレイちゃんはズボンとパンツを下ろす
「パパ、あっちいってて!!」
「ハイハイ(笑)」
普通はそうだよな(笑)
『シャー!!』
さすが母娘だな。勢いまで似てる(笑)
「おともきいちゃだめ!!」
「はいはい(笑)」
ティッシュで拭うと投げ捨てて何事も無かったようにまた手を繋いで歩く
「あ、ごめんパパ、てあらってない···」
「ハハハ仕方無いよ洗うところないんだもん(笑)」
見晴らしのいい場所に出る。
「ここでパパとママは大きくなったんだよ。レイちゃんもここで大きくなろうね」
「うん。東京よりずっとここがいい」
「明日から学校だけど大丈夫かな?」
「もうおともだちいるからだいじょうぶ!!」

翌日、出勤すると総務部の空気がおかしい。
「まずいっすよ~」
「何がだ?」
「本隊の亡くなった常務の若い奥さんと子供を強奪してもう三人で暮らしてるなんて。出向組の部長はガタガタ震えてますよ」
「あんなんほっとけ」
『最初から俺の女だ文句があるか?』
と言いたかったが言うと余計にややこしくなるので
「まぁ、『人生 山あり 谷あり』だよ」
「なんすか?それ」

色々手に入れて、色々手放して、それ以上のものを手に入れて・・・本当に山あり 谷ありだな。

チイちゃんと二人でやがて壊される土蔵を見上げる。
「ここまで色々あったね」
「うん」
「おもらししたり、縛られたり(笑)」
「え!!そっちの話!!」
「冗談だよ(笑)ここに高校出てから入ってないんだよ。中はどうなってるかな?入ってみようよ」
上の窓は開けっ放しなので換気はよさそうだ。
「高校一年生と小学校一年生に戻ってさ」
「うん・・・」
少し恥ずかしそうにうつむきながらうなずく。
重い扉を開けて手を繋いで土蔵に入った
(完)

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