妻を常務に預けてしまった(1)


 私には辛い思い出があります。丁度10年前のことになります。妻、雅美、30歳。私が33歳の時です。営業職10年で社長賞を獲得して課長に昇格しました。有頂天になっていたのかも知れません。妻が25歳の時に結婚しました。雅美は社内でも評判の美人で大学時代には、ミス丁市になったほどです。

 社内では、若い彼氏とできている。上司と不倫していると言う噂も流れていました。私が福岡支社に転勤してきたとき、雅美を誘いました。断られると覚悟していましたが承諾してくれました。何回かデートを重ねて結ばれました。
「結婚しょうか」
 駄目元のプロポーズを承諾してくれて結婚しました。私が28歳になった時です。仕事のノルマを達成させることに苦しんでいましたが、結婚したことで運が向いてきました。

 お得意さんからの注文を一桁ミスして、1000個を10000個で発注してしまいました。急いで訂正しましたがコンピューターが走ってしまい受注を確定してしまいました。常務に失敗したことを報告して、訂正する許可を貰いに行きました。
「馬鹿野郎、お前は何年やっているのか----首だぞ」
 と脅されました。
「何とか、首になることだけは勘弁してください」
 と何度も懇願しました。

「条件がある」
「ハイ、聞きます」
「ノーの回答は、首になるだけだ。お前の奥さんを毎週一夜、俺のマンションに泊まりに来ること」
「エーッ-----」
 拒否することができませんでした。
「解りました」
 この場を治めるには、承諾することしかなかった。

 自宅に戻ってもことのを妻に話すことができなかった。私が余りに塞ぎ込んでいたので、
「あなたどうしたの-----」
 し聞いてくれた。会社での失敗、常務とのことを話した。
「私が人身御供で行かない限り、あなたが困るのね」

 翌朝、雅美は、
「私、常務の所に毎週行きます。あなたそれでよいですか」
「済まない」

 常務に妻が承諾したことを話、妻の携帯番号とアドレスを教えた。
「今回は、金曜日の夕方から日曜日まで預かる。いいね」
 拒否できないことを承知で2泊3日にされてしまった。

 約束の金曜日の夕方に雅美からメールがあった。
「常務から連絡がありました。約束なので行ってきます。子供のことお願いします。近くまで迎えに来るそうです」
「気を付けて-----」
 としか言えなかった。

 娘の雅子を寝かしつけ、モンモンとした時間を過ごしていた。23時を過ぎて携帯が鳴った。
「雅美は、いい女だ。俺の精液を口にも、膣にも飲ませたよ。これで雅美も俺の女になったよ-----」

 カッと怒りが燃え上がった。原因は自分にあるのだと思うとヘナヘナと座り込んでしまった。妻を奪われてしまった男の悲しみと激怒とやり場のない怒り-----酒で紛らわせるしかなかった。
 朝まで悔しくて眠れなかった。

 6時過ぎに携帯が鳴った。雅美からであった。
「あなた、大丈夫-----心配しないでね」
「雅美は、大丈夫か」
「いっぱいされたけど----仕方ないもの-----」
「常務の精液を飲んだの」
「飲めと言われるの----仕方ないもの----おなた怒っている」
「申し訳ない。俺の失敗で----」
「心配しないで-----ホテルで泊まっているの----身体中、キスマークを付けられたけど----」
「日曜日、迎えに行くから-----」
「お願いします」

 妻の声が聞けたのでイライラが納まってきた。そんな時、娘の雅子が起きてきた。
「パパ、ママは-----」
「ママは、お仕事なの----」
 マンションでいるとイライラするので娘を連れてドライブに行くことにした。

 気が付くと唐津まで来ていた。虹の松原で遊び、呼子まで行った。運転していても雅美が常務の巨体に抱かれているかと思うと悔しさと虚しさが襲ってくる。
「仕方ない---仕方ない----」
 と言い聞かせるが心の乱れは収まらない。
「パパ---大丈夫---」
 と娘からも声が上がった。
 心が乱れ、意識も乱れているが今の私では如何ともできなかった。

 その夜は唐津のシーサイド ホテルで泊まった。博多のマンションに戻ると雅美のことが気にかかるので帰らなかった。
 雅子はドライブの疲れがスヤスヤと眠ってくれた。
 
 一人モンモンとした時間を過ごしていた。
 20時過ぎに携帯が鳴った。
「あああ----いい----いい-----逝きます----」
 妻が逝くときの声が流れてきた。
「もしもし-----」
「お前か----雅美はいい声で鳴くので俺も満足だわ----昨日から何回したかわからないくらいしたがまだまだする。乳房もプリプリしている。膣の中も柔らかいが締りがいい----お前には、もったいない女だ----俺がこれから仕込んでやる----もっと、感度のいい女にする。今夜、ヘアは記念に剃ったから---ヘアは俺の者になった記念に持っておく」
「---------------------」
「悔しいだろう----これも自業自得だから仕方ないだろう----明日の夕方には帰してやる」
「お願いします」
 しか言えなかった。今回の常務の声は冷静に聞けた。怒りが無くなっていた。

 誰にも怒っていけない問題なのだ。私が悪いのだ。
 そのように思えると妻の喘ぎ声でペニスが勃起してきた。私も妻の膣の中にペニスを沈めたい気持ちに駆られた。悔しさの中に雅美の半分は、常務のものになってしまった気がしていた。

 そのとき、メールの着信音がした。
 妻の黒々としたヘアがある写真とヘアが無くなった縦の筋がある写メールが届いた。

 ガーンと頭を殴られたような気持になり、涙が溢れてきて泣いた。

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