40歳の妻の恵美子が僕と結婚する前の過去の男3人について。
過去の3人目の男田村と言う男は恵美子が本気で愛した人だと言って居ました。
結婚を考えて婚約した堀よりも愛したのと聞くと(うん!婚約してから出会ったからし田村さんにも婚約してる女性が居たから)と聞かされました。
今から書く文章は恵美子が田村と別れる時に渡そうとして渡せなかった手紙です。
田村 友和さんへ
私が田村さんと知り合ったのは、去年の6月でしたよね。
私は沖縄旅行に行く前日で何となくそわそわしてて落ち着きがなかったのを良く覚えています。
旅行だと思ったら何かうれしくて、子供のようにはしゃいだりして・・・
あの夜もすごく楽しくて、時間が過ぎるのが本当に早く感じた。
あの日、田村さんともっともっとたくさんおしゃべりしたかったのに、私のちょっとの勘違いでほとんど話さなかったね。
今になって思えば「なんて馬鹿だったの」って後悔の嵐がいっも襲ってきます。
1ヶ月前に23歳になつてしまった事が頭にあって少し遠慮がちになっていたの。
22歳の頃だったらもっと積極的になっていたのかもしれない。
それにあの頃の私には結婚を決めた人がいたから更に遠慮して近くの宮脇さんとばっかりおしゃべりしていたの。
結婚することに、少し戸惑いを感じていたから何となく怖いような気がして思うように動けなかった。
あの時は、それでいいと思ってた。
そのまま平凡に時間が過ぎて、日々結婚する日を待っていたから・・・
一度だけ田村さんを見かけた時、静かだった心が揺れた。
去年の7月28日あまりにも突然で声をかけることも忘れた、一瞬の出来事だったの。
一度は自分自身で消したはずの思いが再び戻ってきて落ち着きのない時を迷いながら、それを見逃すことがどうしてもできなかった。
それからは、独りでたくさん悩み考えて私なりに結論をだしてそれに従った。
追いかける愛より、必要とされる愛を選んだの。
だけど神様は私の心の迷いを見逃してくれなかった。
その後すぐだった、あの人が別の人を抱いたことを知ったのは・・・
「私には責められない」そう思った。
心の動揺に対する罰だから自分のせいだと思って、あの人を責めもしないで黙って許したのに・・・
そのことが、あってから2人の関係は今までよりぎすぎすして変によそよそしくなっていて、寂しさを感じる時が多くなっていたの。
それから直ぐ決定的なことがおこってしまって私達は別れざるを得なかった。
その時、私には選択の余地もなかった。
ただ、あの人が抱いた女性が妊娠したとの告白に黙ってうなづいた。
そして私のお腹にも赤ちゃんを宿していたの。
女の子の日がこなくって、初めはいろいろあったから遅れているのかなと思ったけどツワリ観たいのがあって産婦人科に行ったら妊娠してた。
不幸のどん底だと思った。
何も見えなかった。
誰にも話すことなく中絶するしか無かった。
傷付いた気持ちさえ誰にも打ち明けることが出来ないくらいだった。
それ程落ち込んだ。
それからは毎日明るく生きていこうって自分に言い聞かせて頑張っていたの。
そんな時、宮脇さんの転勤の話を聞いて・・・
また田村さんに逢えると思ったらなんか嬉しかった。
妙に緊張していたの・・・
その時は、逢えるだけで満足してた。
だからあんな展開になるなんて思いもよらない事だった。
あの時がきっといちばん幸せだったのかも知れないね。
でも何故あの時、私を抱いたの?田村には結婚する人までいたのに・・
私を抱いた後に結婚の話を聞いた時は、すごく悩んだ。
もうすでに田村さんのこと、本気になり始めていたから・・・
信じられなかった。
信じたくなかった。
だけど事実はどんなに願っても消すことなんてできないの。
できないから悩んで苦しくて、どんなに悩んでも結果はでなくてイライラするだけで、私にとって何のメリットもなかった。
あの頃は、毎晩お酒飲んで無理矢理忘れようとしてた。
毎日つらかった。
だけど、田村さん忘れようとしてた私は自分に嘘をついてた。
元彼のことを悪く言えないと思った。
彼女さんにも悪いと思ったけど諦めだれなかった。
自分に素直になろうとその時初めて思った。
傷つくと知りながら田村さんに魅かれていくのが良く分かった。
もう止められなかった。
すごく愛してたから・・・
田村さんのが私の子宮にきた時は幸せだった。
一日一日別れる日が近づいてくる事を考えた時だけが不幸で、それ以外はすごく幸せな時間だった。
田村さんを感じていたかったからね。
結婚する彼女さんには、とても申し訳ないけど最後の最後までつきあっていたかった。
どういう結果を招くかは承知の上でそう決めたの。
もし田村さんの赤ちゃんができたとしても田村さんには告げずに産んで育てるつもりだった。
安心して田村さんの赤ちゃんできなかったから。
だから後悔なんて何もしてない。
もしろ田村さんには感謝してるの。
私ね田村さんの一言一言がとっても嬉しかったの。
私のことあんなふうに見てくれる人がいたのだと思うと自信も持てるしね・・・
結婚するって聞いた後の方が魅かれたかも知れない。
手が届かない人だから、心が離せなかった。
こんなに切ない恋ははじめて・・・
毎日、別れる日を泣きながら数えて夜も田村さんを思って眠れない夜も今は大切な思い出・・・
田村さんの独身一週間前の夜で別れのあの日のがいちばん凄かった。
田村さんが結婚してから「また逢おう」て 言った時「逢わないくせに」と私思ってた。
田村さんが結婚して6回も不倫しちゃったね。
修善寺に2泊3日の旅行にも連れて行ってくれてあの時の大吉のおみくじはお財布の中にしまっておきます。
もう逢えないかも知れないけど田村さんと過ごした短い間は、私の中には田村さんの思い出でいっぱいです。
田村へ恵美子からの手紙でした。
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