真夏といえばどんな記憶がよみがえるだろうか。
俺はといえばそのころ、受験戦争のさなかで予備校に通っていた。
地下一階の教室はキンキンに冷えていた。しかしその日はなぜか生徒はまばらで、お目当ての女の子もいなかった。国語の模擬テストが終わるとふと田舎に帰りたくなった。
数千円の切符で飛び乗ったのはもちろん各停だった。
数時間の長旅だったが、実家の最寄り駅は都会の喧騒とはうって違い静寂で空気もよどんではいなかった。
目の前を美人さんが通り過ぎた。
「おかえり」
兄嫁の愛美さんだった。
「気づかなかったよ。しばらく見んうちに変わったのね」
「姉さんこそ美人になってて見違えたよ」
兄嫁の愛美さんは高校の同級生。
産毛の生えたてのころから知っていた。
『初夜では大出血して号泣したんね』
それなのに今では雛にもまれな美人さんとは愛って偉大だなあ。
迎えに来てくれた兄嫁の運転で途中車が止まったのは人気のない公園の駐車場だった。
さっきからノースリーブの横乳とデニムのショートパンツからのぞく生足に外の暑さとは別の熱気が下半身から上ってきた。
車のエアコンはマックスで車内は冷え冷え。
「ねえ。見るからにたまってそうなんだけど。ちゃんと抜いてる」
ドキッ
鼓動が胸を打った。
「目を閉じてじっとしててくれる」
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