ストーキングキャット


 ご主人様のお帰りは足音ですぐに分かった。
 
 冬至の暗がりの中、白のニットと黒のジャケットのコーデはご主人様に間違いなかった。

「しろ。ただいま」
「おかえりなさいませ。ご主人様」

 デニムのショートパンツに着替え、部屋でくつろぐご主人様。
 スレンダー美脚にこんもりとした恥丘がまぶしい。
 ここぞとばかりにご主人様の股間に頭をこすりつけた。
 こつん。
 頭を軽く小突かれたが、それでも、何度も何度もその動作を繰り返した。

「感じてきちゃった」

 パンツを脱ぐと、ご主人様の時間が始まった。

 しかし、一気に果てると思いきや、仕事疲れからかぐったりと動かなくなるご主人様。

 放置されたその部分を舌でこすると、やがて、荒い息遣いが。

 ドクっとあの液体が零れ落ちた。

 それから、その日はクリスマスイブだった。

 朝からお休みをとり、ピンクのカーディガンとピンクのニーハイでお出かけになるご主人様を見送って、お外に散歩に出た。

 夕方、お帰りになったご主人様には、中年男が同伴していた。

 お部屋では早速あの行為を開始するゴングが。

 男に果敢に跨り激しく腰をうねらせるご主人様。

 やがて、男の本気汁を搾り取るように、お尻を二、三度痙攣させた。

 ぐったりと横になるご主人様に近づき、脇の下に鼻面をしのばせる。

 ふくよかな二の腕を抱いて腰を小刻みに動かすとすぐに射精(だ)してしまった。

 「なんだ。この猫」

 男のこぶしが頭を直撃した。

 慌てて部屋を飛び出し、お外に出ると近づいてきたのは、車の明かりだった。

 

 

 

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