新たな家族。ー序章ー


「おいっ、どういうことだクソ親父!」ある日、両親が離婚してから半年が経とうとしていたある昼下がり。
亮介は声を荒げていた。無理もない。「いきなり新しい家族を紹介する。」だなんて言われれば誰でも腹は立つ。
「まぁ、待て。とりあえず落ち着け。」と父親に制止させられた亮介は歯を食いしばり椅子に座った。
「入りなさい」と一言親父が言う。しばらくしてドアが開けられた。
そこには、しっとりとした艶と母性がにじみでた落ち着いた雰囲気を持つ女性と
その後ろに亮介と年齢がさほど変わらないであろう娘らしき少女。
この二人が今日から新しい家族ということらしい。年上の女性は涼子。そしてその娘を鈴音と言った。
何となく父親がこの人を新しい家族に選んだのかわかった気がした亮介は悔しくて仕方がなかった。
と、同時にどことなく、二人の魅力に引かれている自分にきがつくのであった。
この日から亮介の日常が大きく変わり始めたのは言うまでもないであろう。

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