壁に耳あり襖に目あり


 2浪して入った大学の紹介で入った安アパート。
 4畳半だった。
 「おーにーちゃーん」
 やけに明るい声で訪ねてきたのは妹のカナだった。
 2歳年下なのに先に大学に入っていたのでもう3年生だ。
 「ビール買ってきたよ。お祝いしよう」
 缶ビールを飲むうちカナの目がうっとりとすがるような眼差しに。
 「昔のことだけどさあ。お兄ちゃんのごっくんしてあげたことあったよね。憶えてる?お風呂の脱衣所でさあ。」
 何も思い出さないが、
『何を言いだすんだ』
と思い聞いていると
 「カナのイチゴのパンツにぶっかけてあったんだよ」
と衝撃の告白が。
 「お兄ちゃんがおかずにしてくれたのがうれしくて。カナその晩夜伽に行ったよね。挿入は無理だったけど、お口で」
ごっくんしたってか。
 思い出した。カナのうっとりとした顔。
 やばいと思った刹那、「奪って」という声が。
 隣の部屋で物音がした。「うっ!」という呻き声も聞こえてきた。それよりも襖に穴がずぼっと開いたのにはびっくり。
 『OK。わかった』
 全てを理解した俺は妹の処女穴に子種を仕込むのだ。
 4月とはいえコタツの布団が兄妹の体液でべとべとに。
 翌日今まで挨拶もしなかった隣部屋の男がおはようと挨拶してくれた。
 管理人さんにも会ったので襖に穴が開いたことを報告すると、気になるならといって、持っていたガムテープを穴に張っってそそくさと立ち去った。
 
 

 

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