初体験の儀式は「筆おろし」・「ヒラキ」と呼ばれた


一部の農村・漁村では、「筆おろし」「ヒラキ」と呼ばれる「前近代的」な儀式がおこなわれていた。
精通期の男子をつかまえて、初体験をさせるのである。
一種の通過儀礼といえるだろう。
男子が相手を選んだり、自分の好きにふるまうことは許されない。
相手は、共同体が近所のおばさんや遠い親戚の女性から選択するか、相手をつとめる女性が「あんたも齢頃だからヒラいたらどうぢやろ」
と声をかけるかして(高倉薫「童貞開きの伝習奇習」179頁)、決定した。
    
     
我が国の近代は西洋化の歴史だから、時代が下るにしたがってセックスが禁止されていく。
それと並行的に、男女性別役割が強化され、男性は労働力+兵士となり、女性は家事専従者になっていく。
ここで女性の仕事は、家庭内に限定されていくので、労働者としての役割がなくなっていく。必然的に良妻賢母が褒めそやされていく。
婚外のセックスが否定され、女性に貞操が要求されていく。
     
     
誤解しないで欲しい。
戦前の農村では、女性は男性と同様に重要な労働力だった。
だから、農村の女性には良妻賢母など求められなかったし、彼女たちの活動は家庭内に限らなかった。
農村部には売春婦はいなかったし、女性に貞操が要求されることもなかった。
こうした背景があったので、漁村農村の女性は自立していたのだ。
      
     
神戸市長田区の駒ヶ林の雑魚寝も妊娠を目的としたる雑魚寝・種貰いであると思われる事。
神戸市長田区の駒ヶ林のざこねの風習も、土地の「子安観音」信仰や「乳母が石」信仰から見ても察せられる様に、快楽を求めるだけの祭りではなく、妊娠を目的としたる雑魚寝が本来の目的かもしれない。
子供は本当の父が分からなくとも、村の子供として神仏から授かったとして育てる、そして共同体としての村の結束力を高める意義があったとおもわれる。

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