「念友との初夜 Ⅱ」


前回:  「念友との初夜 Ⅰ」

《相寄る‥魂》
基より 念友が成り立つ根底には、男同士‥夫々の 男の身体への性向の共通性が不可欠です。しかし念友は それだけで成り立つものでは無いでしょう。そこには 二つの男が相寄るとき、その二人の魂が補い合い 相乗効果を齎す要因が無ければなら無いのです。それは 同じ内容である必要はありません。私たちの場合‥それは Hさんは(多分)忘我と解放であり、私の場合には 自己愛を充たし孤独を癒すことでした。(続く)

(承前)
【泣いちゃうかも‥】 《念友への ビフォー・メール(5日前)》
確かに‥私は当日 裸のHさんの胡坐に大股開きで跨り、生まれて初めての男‥ Hさんのマラ‥肉棒‥太棹に貫かれ、口を開け涎を垂らし ヨガって白目を剥き、〝あぁ‥オレは 何をやっているんだ!‥。コノ‥先月まで 名も顔も知らなかった男と‥。こんなあられも無い格好で 七十年の父母の躾も教養もかなぐり捨てて‥〟と思うことでしょう。そして‥多分 Hさんの裸の胸に縋って、滂沱として 泣いてしまうと思います。

Hさんにしてみれば 〝アレマァこのジジイ‥ ヨガって泣いている!〟と思うかも知れません。あるいは‥〝オレの口説きとセックス・テクニックも まんざらじゃぁ無いナ‥〟と思うでしょう。それは 一向に構いません。でも‥私自身‥今回の経緯には 自分でも驚いている処があります。まぁ‥こちらから 掲示板で求めたとは云え、またHさんにフケ専の欲望があって 私が丁度それに合うような条件のジジイだったとしても‥です。

でも‥考えてみたら 自分の性向や友人歴の経験から、多少は 腑に落ちる処がありました。始め‥Hさんに ブログの感想を甘く褒められ、私は正直云って 少し慌てました。それは‥今までの経験からどこかに 〝こんなに直ぐ オレを判ってくれる奴が居る訳が無い‥〟と云う思いでした。それが‥仰ってくれることが いちいちツボに嵌り、こちらがブッツケた 剥き出しの肌の感覚にも、正直に受け取れる反応を 感じ出しました。

そして‥それを確かめるような Hさんとのメールの応答の後、私はいつか‥Hさんを ブログの065「親友訣別」でも告白した親友‥、思う処があって先に絶交した 大学以来の50年の親友と比べていました。私は 彼が好きでした。一緒に山を歩きに行って 夜‥温泉宿で 足を絡め抱き合って寝ました。二人はお互いに 腹に固いマラが突っ張るのを感じながら、それでも‥抱き合うだけで キスもせず、マラにも触りませんでした。

彼とはその後 青春時代を東京と地方に別れて暮しましたが、一緒に国を論じ 社会を批判し、共に属する企業の通俗性を嗤って 飽きませんでした。処が50年の年月が経ち お互いに定年で時間を持て余すようになったある日、私は彼から ある‥小さな皮肉を云われました。その瞬間‥ 私は彼の存在に醒め、彼がこの50年 この私と云う存在を、思想も著書も作品も 何一つ‥認めず、無視し続けて来たことに気が付きました。

私は 悩みました。詳細は「親友訣別」に譲りますが、私はその中で 「思えば オレのアンタとの数十年は、オレの 自己満足ダケの数十年だった。それでもアンタは その時々に自分の気持ちを話してくれたし、オレもそれで満足してきたが、結局…アンタは オレの気持ちなり業績なりを認めることは無かったね。(後略)」と云い、彼とは 訣別したのです。その彼に比べ Hさんは、フケ専で肌を合わせたいと云う他に 心がありました。

そこで私は この人に‥もう何時死ぬか判ら無い、残りの人生をお任せしてみようかな‥と云う気になりました。しかしそうなれば 必然的に大の大人‥それもイイ年をしたジジイが、裸でお互いのマラを弄り合い 舐め合うことが必至のことになります。そこで私はHさんに 病気への配慮を確かめました。その答えは 私にも納得できるものでした。そうなれば 後は私が覚悟を決めるだけでした。私はHさんに 二つの質問をしました。

えげつ無い言葉ですが 私は年でもう50代の記憶が無いので‥、〝Hさんは その日に2回イケますか?‥〟と云うことと 〝その日には 私のウシロを使われますか?‥〟の2点でした。この後の質問など これまでの私の人生からは 考えられない質問でした。云わば 固く清らかに育てられた良家の娘が、結婚の初夜に いくらもう決まった話とは云え、自分から 〝今夜‥ オマンコをヤリますか?‥〟と聞くようなものです。

我ながら良く云ったものだと思いますが 恥ずかしくて顔が火照りました。電話の向こうでも一瞬間があって やがてHさんは、穏やかに 返事をしてくれました。電話の向こうでHさんのマラが ムックリと勃つのを感じました。返事は OKでした。‥となれば 今更後に引け無いので、更にその質問を深く掘り下げ 〝2回イケるなら 始めは口に出してもらって、文さんに口移しして 二人で舌を絡めたいんです〟〝イイ ですよ〟。

もう一つは〝オシリは朝‥ どうしたら良いのでしょう‥浣腸でも?〟でした。これには〝朝は普通に 良く便を出せば‥〟‥と云う返事で、私は〝当日‥Hさんが 風呂場ででも、指を挿れて 良く洗ってくれる?って云うこと?‥と理解し、それから先は火照りも冷め 俎板の上の鯉で、〝それじゃぁ‥お任せして どんな格好でもするので宜しく‥〟と 云うだけでした。瞬間‥私の頭に 風呂場で四つん這いになる私の姿が過りました。

あと一つの質問は 〝コンドームは どうされますか?‥〟でした。私は先ほどの確認で Hさんが男との関係を、閉じた関係に 限定しているのが判ったので、なるべく ナマの中出しが良いな‥と思いました。答えはやはり 〝使いたく無いんですが‥〟でした。私が賛成したので フェラも挿入も直かになりました。図らずも 私が女房に抱いていた疑問‥、男が熱い精液を放出したとき 受手が腹にどう感じるかが判るのです。

その後は お願いでした。Hさんには 〝バックや正常位も経験したいが、文さん‥男がイク時の顔を見たいので 対向坐位でイケますか?」〟と云ったら、これも OKでした。後は当日‥ なるべく鏡のある部屋で、白髪の皺だらけのジジイが 後ろからカマを掘られたり、正常位で大股を拡げる姿を 鏡に映し、その浅ましさ醜悪さを 自分の目で確かめたいと思っています。これだけ考えても 当日はまた予想外のことが起こるでしょう。

それにしても‥Hさんは 信じられる方ですが、信じられ無いのは 「フケ専」の存在です。しかしそれも 当日裸になり、Hさんのマラが 固くそり返って勃っていれば、当に 体語(ボディ・ランゲージ)による体話(ボディ・トーク)で、この手で確かめることが 出来ることです。枯れて行い澄まし‥ 平安な日々を送るジジイが、ソロソロお迎えも近いか‥と思ったのに この心の乱れようは、一体‥どうしたと云うこと なのでしょうか。

残るのは当日の 待ち合わせ以降の詳細の予定確認と、ローションその他 必要なものの買い物等の準備です、これは総て 申し訳が無いのですが、Hさんに お任せしました。Hさんは‥私に 当日は何事も私の気持ちを第一に、希望通りに 良い気持ちにさせる‥と云ってくれていますが、その場でそのつど 気を使わせるのも申し訳が無いので、予めこれを記して 当日は気を使わずに、コトを運ぶだけにしたいと思いました。

セックスの愉悦の3局面は ①は自分を裸にし 普段の隠蔽・緊張の生活から開放すること‥です。②は私など自己愛が強く 相手がマラを勃て濡れることは、即‥ 私への強い賛美と感じる‥のです。③はそしてセックスは 種の保存のためか、行為はブザマでも その行為に素晴らしい快感がビルトインされて‥いるのです。だから今‥私は 文さんのお蔭で、その3局面が充たされる日が 間も無く訪れるのを待ち兼ねています。◇

【想い‥】
程も無く 残涯の我が菊門を 侵し初むるか 君のデカ魔羅

不思議やな 月初に信を交わし染め 末には菊に 白き露遣る

古希過ぎて 男の肌を知り初める 淫らな夢に 魔羅の乾かず

残涯の 泉は涸れぬ 渇きには 君の淫らな 汁を分かたむ

菊門を 洗い給うと携帯の 言葉に四つ這う 我が姿見ゆ  (以上)

【倖せが怖いので‥】 《念友への ビフォー・メール(3日前)》
もう‥お会いするまでに 幾日もありませんね。
〝始めまして‥〟と握手した三十分後には その二人の男が、密室で丸裸で抱き合うのです。そして‥マラの裏筋を擦り合わせ 腰を使い合っているなんて、周りの人は誰も 想像すら出来無いでしょうね。

私は‥それを思っただけで 勃ちもし無いマラがムズムズして来ます。
そして一時間後には 風呂に這入った二人が、舌を絡め 太腿を組み合わせ、私は遂に Hさんのマラを咥え、Hさんの精液を口に受けて それ二人で呑み分けるのです。

企業を三十年‥律儀に勤め上げ 定年前に開業して十数年‥、何の瑕瑾も起さなかった 用心深く慎重に暮してきた私が、こんなにズバリと短時間に その欲求に直行するなんて、女房との初夜でも 無かったことです。

若いときの肉欲の妄想は‥ 訣別したハンサムな友達の巨大なマラをしゃぶり、それに貫かれコロテンで果てるイメージで マスを掻き続けました。でも‥今度のHさんとの絡みへの希求は 何か違うのです。

裸で抱き合い マラはしゃぶりたい欲はありましたが、アナルを使うことは 始めは自分の欲求からではありませんでした。そうでもし無ければ もうマラも勃た無いこのジジイが、今‥Hさんにして上げられることが無い と云う思いでした。

それが‥そのとき 自分が云った言葉から、その姿をイメージして 気持ちのドンデン返しが起こったのです。あのとき〝ウシロを使いますか?〟と質問して その自分の姿を想像したとき、私には ハッキリと判りました。

それはまず‥その質問が 堅気の未経験な人間が云う言葉では無く、そう云ったからには私も とうとうHさんとの引き返せ無い道に踏み込んだ‥と云う自覚でした。
その自覚は 私の残っていた迷いを払拭しました。

そして同時に そうか‥オレは、こんなにオレのことを理解し 想ってくれているHさんと、『こうする外に‥一体になり 一緒に居ることを共感する方法が無いんだ!‥』と云うことに気付き愕然としたのです。

私の‥五十年に亘る 訣別した彼への想いは間違いでした。私のことを 歯牙にも掛けない彼を、肉欲だけで想い続けるのは 虚しいことでした。それに比べ Hさんとの関係は、文さんに満々たる肉欲があるにしても それ以前に心がありました。

だから私は その瞬間から、Hさんに マラをアナルに基まで嵌め込まれ、身も心も一体になりたい!‥と 身体が望み始めました。もう世間体など気にせず 対向の坐位に組んで抱き合い、心行くまで舌を絡め 白くなりたいと思ったのです。

それからは一本道で‥ 訣別した彼を思った肉欲と違い、『こんなに 心を一つに出来る人と一体化し、アナルでも口でも深く繋がって これ以上近くなれ無い情態になりたい!‥』と 心から願いまた。その行為が受け手の私に どれだけの快感を与えてくれるのかは、今の私には 知ら無いし判りません。

でも‥今は その快感など無くても良いのです。私は今‥Hさんと 深く‥より近く居たいのです。それには‥Hさんのマラを 私のアナルに付け根までキッチリと嵌め込んでもらい、Hさんの精液を呑み合った ヌルヌルの口を合わせて、舌を絡め 白くなるより無いのです。

私は 弱い人間です。倖せや快感に酔って 有頂天になることが怖いのです。だから‥もし出来れば 冷酷に現実を付き付ける鏡に、その行為をあからさまに映して眺めたいと思い そのときの情況を自分で離れた目で見たいと思ったのです。

鏡には 老いさらばえた皺だらけのジジイが、逞しい壮年のHさんに挿し貫かれて 喘ぐ現実がアリアリと見えるでしょう。冷めた目で見れば 客観的にはグロでイカガワシイ形です。もし私の身内の人間が見たら‥ いやその行為を聞いただけで仰天するでしょう。

もしそれを 身内では無い一般社会の人間が知ったら、バイのジジイの色狂いと 軽蔑し顰蹙することでしょう。でも‥もう どう思われても良いのです。今の私はHさんと 深くより近くに‥居たいのです。

偶々‥私が Hさんより大分先に生まれたために、これからも ご一緒出来る機会‥時間はそう多くは残されてい無いと思います。しかし‥その年の差が フケ専好みの文さんと私を引き合わせてくれたと思うと、それもまた 一種の必然だったのでしょう。

私は今‥男との初めて肌を合わせる行為を前に、昂奮で気持ちが上擦り 思いが千々に乱れています。私の今の希みはHさんと 身も心も一体になる時間を持つことダケです。もう‥それ以外に 私の希望を聞く必要はありません。

当日はHさんのお好みのように SでもMでも、腹上死などし無い程度であれば お好きに料理しリードして下さい。そして大量の濃い精液を 私の口と身体の奥に仕込んで下さい。私はもう精液は出ませんが それを感じて充分にアクメに達するでしょう。

Hさん‥当日はより深くより近く一緒に居て 短い時間ですが私と一体になって下さい。
もう‥ご出張中は メールは不要です。緊急事項は 携帯で連絡し合いましょう。嫌なものが流行っていますが お風邪など引かぬようにお戻り下さい。では また‥ (茫々録・鶏肋抄 より) ◇

 

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続き:  「念友との初夜 Ⅲ」

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