離婚した妹と


妹は4歳年下。
妹が離婚したばかりの27歳で、おれが31歳のときから始まった。
もうずいぶん続いている。
おれも妹も、一応は首都圏に住んでいるんだけど、そうそう簡単には会えない距離。
妹はひとり暮らしになっていた。おれは結婚していて、子供はまだ2歳だった。
従姉妹が結婚することになって、実家に近い都会で披露宴をすることになった。
大伯父の末娘の結婚なんで、おれたちも出席は義務みたいなものだった。
披露宴ではおれたち家族は、親族関係のテーブルで一緒だったけど、酒を飲みすぎた大伯父が、身内のテーブルからしょっちゅうやってきては、下ネタまじりでおれたち家族をからかっていく。
とくに離婚したばかりの妹については、「どしたんだよ、離婚なんて」「サービス足りなかったんじゃないのか」「そんなに相性悪かったのか」「初めて同士ってわけでもなかっただろうに」と、かなりセクハラ発言。妹に酌をさせるだけじゃなく、肩に手を置いたりした。
「中学生のころは可愛かったな。伯父さんが可愛がっていたの、覚えているか」とか。
おれはとうとう注意した。
「伯父さん、かなりお酒回ってますよ」
伯父は切れかけた。
「何? おれにお前が説教するのか!」
奥さんがあわてて止めに入った。
妹は、おひらきになる前に、具合が悪くなったからと、帰ってしまった。
あんまりいい気分じゃないまま、披露宴は終わり、両親はさっさとJRで 自宅に帰った。二次会は親しい友達だけというから、おれも泊まっているホテルへ。
妹もそのホテルに泊まっているはずだったけれど、もう帰ったんじゃないかとも思っていた。
そうしたらメール。
「お兄ちゃん、どこ?」
「いまホテルに帰ってきた」
「あたしもホテルにいる。ね、口直ししない」
妹にはそれが必要だろうと思った。
「どうする?」
「ホテルのスカイラウンジに行かない?」
「いいぞ」
行くと、妹は街を見下ろすカウンターにひとりで着いていた。着替えてなくて、パーティ用のおしゃれ着。おれはスーツ。
「さっきありがと」
「なんだ?」
「伯父さんに注意してくれて」
「あれはあたりまえだ。父さんたちは言うわけには行かないだろうし」
その話はそこでおしまい。披露宴では押さえていたので、ふたりともお酒。
あとは世間話。おれの結婚生活とか、子供の話とか。
おれは妹の離婚のことは聞かずに、妹の仕事のことを。妹はいちおう専門職なんで、離婚しても経済的にはとくにダメージはない生活だった。
久しぶりに妹と話したので、子供のときみたいな親しさが復活した感じがあった。
三十分ぐらい話していると、同じホテルに泊まっているらしい遠縁の夫婦が、スカイラウンジにやってきた。問題の伯父の家族に近いひとたち。
あいさつすると、酔っ払ってるご亭主のほうが言う。
「あんたたち、カップルに見えるぞ。××ちゃん、離婚したのって、そういう理由じゃないのかい」
奥さんもケラケラと笑った。
「ふたり、仲がよかったものね。子供のころから」
妹がびっくりするようなことをした。さっとおれの腕を組んで、よりかかってきたのだ。そしてその親戚夫婦に言った。
「そうなんです。仲がよすぎるってよく言われるんです」
その夫婦、ちょっとぎょっとした顔になったな。すっと離れていった。
ふたりがいなくなっても、妹はまだ腕を離さない。ちょっと妙な雰囲気。
妹が言った。
「お兄ちゃんの部屋で、飲み直したい」
もうそこで、なんとなく妹の期待していることはわかった。妹は、その気だ。
でも、一応は確認。
「兄ちゃん、いま酒が入ってるし、馬鹿やりそうだぞ」
「馬鹿やるって、どうして?」
「お前、艶っぽいしさ」
「兄ちゃんも男前だし。あたしも馬鹿やるかも。いいんじゃない?」
まだ確信は持てなかった。
部屋に入ると、妹は言った。
「少し汗かいた。シャワー借りていい?」
「うん」
「あ、でも、お兄ちゃんの部屋だから、先に入って。シャワー使いたいでしょ」
「じゃあ、そうする」
「あっち向いてろ」と言ってスーツとシャツを脱いで、下着だけになって、バスルームに入った。けっこう広いバスルーム。トイレは一緒じゃないタイプ。
裸になって、お湯がたまるのを待っていたら、妹が裸で入ってきた。
「お兄ちゃん、洗って上げる。いや?」予想というか、期待していたなりゆき。
「うれしいけど」
立って背中を洗ってもらっているうちに、なんとなく前戯っぽい雰囲気になってきた。
妹はぴったり自分の身体をおれの背中につけてくる。おれは勃起してきた。妹は勃起したペニスや股ぐらまで、手で洗ってくれた。
前戯っぽいことをしているのに、妹の話題は、おれの家庭のこと。
「子供、一緒にお風呂に入ってるんでしょ」
「うん」
「奥さんとは?」
「入らないよ。狭いし」
「お兄ちゃんも、洗って」
「うん」
「前を向こうよ」
身体の前のほうもボディシャンプーだらけにして、ふたりとも上下にゆさゆさ相手にすりつけるようにして洗った。子供のころの遊びみたいに。
妹はややスリム体型で、胸はおれの嫁さんよりこぶりだった。正直に言えば、微乳というところか。ヘアは薄かった。あんまりセクシーとは言えない身体かもしれない。
「義姉さん、仕事は完全にやめたの?」
「いや、休んでるだけだ。復帰したいって言ってる」
「保育園、入れるの?」
「復帰するとしたらな」
「流して、あっち行く?」
「うん」
ボディシャンプーをすっかり流してから、妹はバスルームを出ていった。
おれも身体を拭いてバスタオルを腰に巻いて部屋に戻った。妹は薄い掛け布団の下。
めくると妹は素っ裸だった。
妹を見た。何も言わない。黙っておれの顔を見てくるだけ。
おれもタオルをとって、妹の隣に身体を入れて、もう一回妹を見つめた。
妹は目をつぶった。おれは妹の胸に右手をおいて、妹のおでこにキス。
それから右手を妹のそこに伸ばした。濡れていた。
お互いに何もしゃべらないまま、セックスした。
ずっと正常位だけ。細かく言えば多少のバリエーションはあったけど、おれは詳しくない。妹が下で仰向け。おれが上。妹におおいかぶさる格好にもなったし、妹が脚をからめてきたり、おれにしがみついてきたりもした。だけど、全部正常位と呼ぶのでいいんだろうな。
ゴムの用意はなかったから、かろうじてなんとか腹の上に出した。
妹はおれが腹の上に出すとは思っていなかったみたいだ。腹の精液を手でぬぐってたしかめていた。
終わったあとは、猛烈な後悔がやってきた。何をやってしまったのかと、妹の顔も見られないくらいだった。
妹と目が合わないように、妹の頭を抱き寄せてしばらくそのままでいた。妹も何も言わない。おれと同じように後悔しているのだろうかと想像した。それとも、おれにぶち切れてしまっているのか。
身体をくっつけているのだから、嫌悪感はないのかもしれないけど。よくわからなかった。
気がつくと午前1時。
「あたし、部屋に戻るね」
「うん」もう少し愛想よくなりたかったけど、不機嫌に見えてしまったかもしれない。
妹はストッキングははかないで、自分の部屋に帰っていった。
ひと晩、罪悪感であまりよく眠れなかった。
朝になったら、妹からLINEが来ていた。
「おはよう。昨日はありがとう。朝ご飯は食べないで帰ります。またメールする」
とても顔を合わせられないと思っていたので、ほっとした。
妹からLINEがあったのは、東京に戻った翌日。
「来週月曜、〇〇まで行くんだけど、一緒にご飯食べる?」
おれの勤め先の近くまで来るということだ。もちろん会える。
そのときはもう罪悪感は少し薄れていた。なかったことにはできないにしても、それに触れないでこの先やってゆけるのではないかと思った。
LINEの調子でも、妹はそれを嫌がってはいなかったようだし。
おれはわかりやすいビルの前で妹を待った。食事はそのあとでもいい。
「あ、待った?」妹はパンツスーツ姿。
「いや。来たばかりだ」
「ちょっと歩こうよ」
妹はまたおれの腕を取ってきた。歩きながら、妹が小声で言う。
「こないだのこと、お兄ちゃん、後悔してる?」
「うん。兄妹で、まずいことしたよな」
「まずいことだった? あたし、うれしかったよ」
「兄ちゃんとしては、押さえるべきだったと思ってる」
「本気で?」
「お前と、兄妹じゃなくなってしまうのはいやだし」
「兄妹は変わらないよ。あたし、ただの女になってしまった?」
「いや、妹だ」
「よかった。きょうもお兄ちゃんとべたべたしたい」黙っていると、妹はおれを見上げてきた。「いや?」
「おれもしたい」
なんとなく場所を知っていたラブホテルへ歩いた。
「このあいだは、兄ちゃん、お前の気持ちを勘違いしてるんじゃないかと、心配しながらしたんだぞ」
「そのつもりじゃなきゃ、お兄ちゃんのおちんちんを洗ってあげたりしないでしょ」
「あれはまだ、子供のころの遊びの延長なのかと思った」
ラブホの部屋に入って、服を脱ぐ前に、妹はおれに抱きついてきて、せがんだ。
「キス、いい?」
おれは妹にキスをした。あのときはしなかったこと。かなり激しいキスになった。それだけで射精してしまいそうなくらいに、興奮した。
風呂でシャワーをざっと浴びているときに、妹がおれのチンコをくわえて、軽くフェラしてくれた。ときどきおれを上目づかいに見て微笑する。
口を離して妹は言った。
「あのときも、こうすればお兄ちゃん、心配しなかったのかな」
「びっくりしすぎて、小さくなったかもしれない。いまでも、びっくりしてるんだぞ」
「あたしのほうが、こういうことは積極的だね」
「子供のころから、なんでもそうだった」
妹の初体験は、高一のときのはずだ。おれは高三。
「もうしたい」
ゴムをつけて、正常位で始めた。途中何度もベロキス。初めてのときと違って、妹は少し声を出した。
途中で妹は言った。
「お兄ちゃん、横になって、後ろからして」
後側位という体位だろう。妹は、いい、いい、と何度も口にした。
最後も正常位でフィニッシュ。ペニスを抜いても、妹はしばらく身体をピクピクさせていた。
妹は後側位のときがいちばんよかったという。
「お兄ちゃんに可愛がってもらってるって感じが、いちばん強かった」
妹はおれの胸の上に乗ってきて言った。
「お兄ちゃんは、いまどうだったの?」
「最高だったな。すごくよかった」
「過激なセックスってわけでもなかったのにね」
「物足りなかったか?」
「違う。お兄ちゃんには、あたしで遊んで欲しくないし。いまので十分だったよ」
「妹で遊んだりしないよ」凌辱系のAVみたいのは、妹とはしたくもなかった。
「お兄ちゃんと、もっといっぱい会いたい」
「なんとか機会を作る。お前の部屋に行くのは問題だろ」
「世間体があるしね。女のひとり暮らしだから」
「彼氏はいないのか?」
「いないけど。お兄ちゃんも、結婚してるし、簡単じゃないよね」
それでもおれたちは、三カ月とか四カ月に一度会って、ラブホに行くようになった。おれがなんとか、深夜まで会える理由をつけて会うんだ。
そのうち、いちばんいいのは、実家の法事とかの用事でおれたちが田舎に帰ることだと気がついた。妹はひとりで帰る。おれも家族は置いていく。嘘をついたり、小細工する必要もない。
途中で待ち合わせて、実家に帰り着くまでの時間が、自由になる。その翌日、用事をすませて実家を出てから、夜まで一緒に過ごすこともできる。1年に2回くらい、そういう会い方ができる。
ただ、地元にはそういうときの目撃者もいるみたいで、あの親戚夫婦以外にも、あの兄妹は仲がよすぎる、という噂が広まっているらしい。

 

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