いけない兄妹


妹と、ずっと続いている。始まりは遅かったのだけど。
初めてのときは、妹が26歳で、結婚していて、男の子が3歳だった。私は29歳。未婚だった。
私はそのとき東京でひとり暮らし。妹も亭主の仕事の都合で、東京に住んでいた。
ある夜、妹から電話があって、男の子が熱を出して救急車で運ばれたと言う。子供は難病で、いったん発症すると大病院で手当てを受ける。
亭主はひいきのサッカーチームの応援で広島にいた。その日のうちには帰ってこれないという。妹はパニック気味だったんで、私は病院に駆けつけた。
ICUのそばの廊下で、妹が両手を広げてくるので、私はハグして背中を軽く叩いて励ました。
ベンチに腰をかけると、そのうちに妹は手を握ってくる。子供の容態も心配だし、亭主が帰ってこれないってことで、心細いのだろうと思った。
そのうちに医師がやってきて、妹とわりあい長い時間話し出した。一週間ぐらい入院ということになった。
その日、妹はそのまま病院に泊まるというし、私も付き添うことにした。
同じベンチに並んで腰かけていたが、そのうち妹はうとうとして、おれにしなだれかかってきた。看護師が呼びにきて声をかけられ、目をさまして、自分が私にしなだれかかっていたことに初めて気づいたみたいだった。
妹「ごめん、兄ちゃん」
看護師が言った。
「あ、お父さんじゃなかったんですね」
私は少し照れた。妹の亭主と見られたことが、ちょっといい気分だったんだろう。
看護師から何か話があった。入院の準備のこととかを教えられたようだ。
朝まで病院にいて、子供の容態安定。不安はないとのことで、妹はいったん家に帰って、入院のためのいろいろな支度をしてくることになった。
亭主が着いたのは昼過ぎだった。私は亭主と交替して帰ることにした。
妹が私にハグしてきた。
妹「ありがとう、兄ちゃん。ありがとう」
亭主がなんとなく面白くなさそうな顔をした。だけど、妹とは何もなかったよ。そのときは。
子供はさいわいその後は元気に育っている。
最初にセックスしたのは、それから半年ぐらいたってからで、妹がお盆に子供連れで実家に帰ったとき。亭主は休みが取れないとのことで、一緒にはこなかった。
妹は孫を連れていったから、両親は大喜びで、私たち兄妹に言ってくる。
「子供は見ててやるから、ゆっくりしろ。お前たち、温泉の日帰り入浴にでも行ってこい」
実家のある町の近くに、わりあい大きな温泉街がある。
妹は私に確かめてきた。
妹「兄ちゃん、せっかくだし行く?」
私「ああ、いいな」
ゆっくりすると言っても日帰り入浴だから、せいぜい二時間くらい両親に子供を見てもらうだけだ。
何度か行ったことのある温泉旅館に行った。
妹「兄ちゃん、混浴のほうに入ろうね」
私「そうだな」
子供のとき以来、妹とは混浴なんかに入ったことはない。
混浴風呂にはほかに客はなくて、私と妹は横に並んで話をした。
妹「あのときはほんとにありがとう。兄ちゃんがきてくれて、うれしかった。兄ちゃんが頼もしかった」
私「行っただけだぞ。何もしていない」
妹「そんなことない。心細かったし、兄ちゃんが兄ちゃんでよかったと思った」
私「兄ちゃんをおだててどうするんだよ」
妹「兄ちゃんにきちんとお礼もしていないな」
私「いいよ、べつに」
妹は身体を寄せてきて、顔を私の肩にくっつけた。
妹「あのとき、こんなふうに眠ってたんだよね」
私「気持ちも張っていたんだろう」
妹「看護師さんが、お父さんって誤解してたね」
私「ああいう状況なら、そう思うよな」
妹「兄ちゃんが、ほんとにそうならいいって思った」
私「兄妹なんだぞ」
妹は私の肩のあたりにキスした。私は妹の頭を引き寄せて、おでこにキスを返した。
このときは妹もそうだと思うけど、全然エッチモードじゃなくて、兄妹モード。
そのあと妹がもっとしなだれかかってきて、妹の胸が私の腕に当たった。
そこからなんとなく、やばい雰囲気。
ふたりとも黙ったまま、肌が密着していることを意識していた。
そこに男の客がふたり、にぎやかに入ってきた。妹は私から身体を離した。
少ししてから、妹が私の手をお湯の中で握って言った。
妹「兄ちゃんと、ゆっくりお風呂に入りたい」
私が妹の目を見ると、妹は真剣な顔でうなずいてきた。
私「ここ、出るか?」
妹はにっこりした。
温泉街のはずれに、ラブホとしても使われている旅館がある。
そこに入って、あらためて個室の風呂に入った。
妹は子供を生んでいたけど、身体は張りがあって、若かった。想像外に大きい胸も、ピンとしている。
陰毛は薄く、Iラインがくっきりと見えた。
兄ちゃんが先に、と言われたので、私がバスタブの中に入ると、妹は私の背中にまわって、おぶさるように身体をくっつけてきた。
横顔を私の首のあたりでするようにして、妹は言った。
「兄ちゃんの背中、大きい。頼りになる背中だ」
旦那だって、けっして小柄な男ではないのだけど。
私「こっち側に回れよ。顔を見せてくれ」
「うん」妹は私の前にやってきて、いったん背中を私につけてきた。
私が妹の横顔に唇をつけると、妹は身体をひねってきた。またキスした。最初は軽く触れるだけ。それから私が妹の唇を割って舌を入れた。妹は受け入れて舌をからませてきた。
私は妹の胸から陰部に右手を這わせていった。
妹は小さくあえぐような声を出した。感じているというよりは、いいよ、それでいいよ、と伝えてくれているようだった。
妹のそこに指が触れたとき、妹はぴくりと身体を縮めたけど、嫌がってはいなかった。
さわっているうちに、妹の中はすぐにうるおってきた。妹は私のペニスに手を伸ばして、おずおずと亀頭に触れてきた。妹のてのひらの中で、私のペニスは十分に勃起した。
「あっちに行こう」と私は言った。
妹はこくりとうなずいた。
黙ったまま妹の身体を愛撫し、キスした。高まってきてから、私は妹に背中を向けてゴムをつけ、それからふたりともほとんど何も口にしないで結合。
妹はあまり私の目を見てはこなかった。
ときおり妹は、切なげな喘ぎ声をもらしたけど、乱れたわけでもない。途中何度もキスをした。
私は高まってきた。
ピストンを速めると、妹は私の背中に両手を回して、何度か声を出した。
妹「兄ちゃん、兄ちゃん」
そうして射精。しばらく私たちはそのままの姿勢で余韻が引くのを待った。
妹の上から下りて横に並び、妹を腕枕して抱き寄せた。
妹が私の胸にキスしてくる。涙ぐんでいた。
私「やっぱり悪いことしたか?」
妹「どうして?」
私「泣いてる」
妹「ちがう。うれしくて、なんか涙出ちゃった。兄ちゃん、後悔してる?」
私「少し。お前、妹だから」
妹「しないで。お願い。あたし、嫌じゃなかったんだから」
私「そうなら、よかった」
妹「すごく幸せだった。兄ちゃんと、ほんとに兄妹になれたみたいに感じる」
私「いけない兄妹になったんじゃないか」
妹「悪いことしたんじゃないよね」
私「ふたり次第だよな」
妹ともう一度風呂に入ってから、私たちは実家に戻った。帰り道、妹はずっと私の腕を取っていて、実家に帰ってからも、両親の目を盗んでは私の身体にさわってくる。
私も、もっと妹とセックスしたくてたまならくなっていた。でも次の日には私は東京に戻ることにしていた。
帰るとき、玄関先で。
妹「また早く会いたい」
私「都合つくのか?」
妹「保育園、旦那さんに迎えにいってもらえるときがある。そのときなら、外出して少しゆっくりできる」
じっさいは妹はなかなかその機会が作れなくて、けっきょく最初のときから4カ月以上もたってからになった。そのときも、最初のときと同じように、妹は私の目を見ず、ほとんど乱れる姿も見せなかった。セックスのあいだ、ずっと感じることをこらえるような表情だった。
「よかったのか?」と私は終わってから聞いた。
妹「どうして?」
私「感じているように見えなかったから」
妹「はずい顔見せたくないから」
私「自然にしろよ」
妹「やだよ。兄ちゃんなんだから。節度ってものがあるでしょ」
私「もう兄妹の節度越えてる」
妹「兄ちゃんとは、ずっと兄妹でいたいの」
男と女じゃなく、という意味だろうと思った。私も同じ気持ちだった。
私「わかった。そうだよな」
妹「こんどいつ会える?」
私「やりくりしよう。だけど、お前は無理するなよ。家庭を大事にしろ」
じっさいには、同じ東京に住んでいても、小さな子供のいる妹と会うのはけっこう難しかった。妹の家庭を大事にしようと思えば、子供を保育園に預けているあいだ、都心まで出てきても大丈夫な日、私が仕事を休んで会うことになる。年に二回が限度だった。
4度目か5度目のときに、私たちは初めて口も使った。ごく軽くだけど。
そのとき妹は風呂の中で、いたずらするみたいに私のペニスをくわえてくれた。
私はそのときはまだ妹にフェラさせることには抵抗があって、あわてて言った。
私「そんなことしなくてもいいぞ」
妹はちょっと笑った。
妹「照れる?」
私「兄妹じゃなくなるのが心配だ」
妹「もうあたしたち、壊れないように思うんだ。だから、ちょっとだけ」
あんまり長い時間はしないで、妹はペニスを離した。
妹「兄ちゃんもして」
私は風呂のふちに妹を腰掛けさせて、そこをなめた。クンニで妹が感じている声を聞くと、自分はやっぱり罪なことをしていると意識して、すごく興奮した。
数年後に私も結婚した。会う頻度はがたんと減った。3年くらい、実家で妹家族と会うとき以外には会えなくなった。もちろんそういうときは、セックスはできない。
妹の子供が大きくなってから、メールがあった。
「〇日、旦那さんと〇〇くんが遠征。都合は?」
旦那は息子を泊まりがけでひいきのチームの応援に連れていくということだ。私はシティホテルを予約した。
最後のセックスから5年たっていた。
部屋に入って抱き合うと。
妹「むっちゃ照れる」
私「初めてのときみたいだ」
それから、6年ぶりのベロキス。
妹「初めてのとき、兄ちゃんがエッチじゃなくてよかったと思った」
私「エッチだから、こうなったんだぞ」
妹「兄ちゃんがエッチだったら、あたししなかったよ」
私「そうか? いまは、ひとには言えないようなエッチなことしてるけど」
妹「きょうも、ひとには言えないようなことしよ」
久しぶりだったので、少し激しいセックスになった。
それからまた始まって、最初のときから数えると、もう15年ぐらい、妹と続いている。

 

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