美術室の秘密


高校1年です。
絵が好きで美術部に入りました。中学のときも美術部でしたけど、中学のときは
ちゃんと絵を教えてもらえなくて、ただ部活をやってるって感じでした。
それが高校だと、さすがです。先輩たちはすっごく上手いし、先生もちゃんと教
えてくれますから。

それで、この前のことです。2学期の中間テストの時。
テストの間は部活は休みなんですけど、ぼくはテストはどうせダメなので(笑)、
1日目のテストのあと、部室(というか美術室)へ行ったんです。そしたら、先
輩で部長の沙織さんが来ていました。沙織先輩は頭がいいから、きっと次の日の
テストなんか気にしていないんだろう、って思いました。

「こんにちは」って部屋に入りましたが、沙織先輩は不思議そうに僕を見ました。

「あら?」、「テスト期間だけど・・・」

「はい、俺、どうせテストダメだから」

そんな会話でした(笑)。

「沙織先輩はテストばっちりでしょ? 俺なんかと違うから」

というと、先輩、なんか様子が変です。

「ううん、私はぜんぜんよ」

って。

理由はよくわかりませんけど、先輩もダメなときがあるみたいです。それで、気
分転換に部室に来たんだそうな。俺は暇だから部室に来るけど、やっぱり出来る
先輩は違いますね(笑)。

「でも、先輩、絵うまいし、頭いいし、俺、憧れちゃいますよぉ」

なんて、本心を言ってしまったんです(汗) そしたら・・・

「そうなの? ほんとにそう思う? ○○○君?」

って、妙に真剣な目つきで見られちゃって(汗)

「ほんとですよぉ。俺、ここにはいったときから沙織先輩のこと好きで・・・」

って、実際、ずっと好きだったんですけど、言ってしまった(汗)

そしたら、沙織先輩、涙うかべて

「ありがと・・・」

って・・・(俺もなんか、涙)

で、美術室で2人で向かい合ったまま・・・

「ね、○○○君?」

って聞いてくるんです。

「は、はい?」

ぼくも、ちょっとドキドキしてました。いえ、ちょっとどころか、かなり(汗)

「は、はい、なんですか?」

「○○○君、私のモデルになってくれる?」

絵って、やっぱり人物を描くのが基本なんです。部員が交代でモデルやることは
ときどきあります。

「え? ぼくがモデルですか?」

「うん」・・・「脱いでね」

えええええ!

モデルは交代でしたことありますけど、裸になんかなったことないです。

「ええええ? 脱ぐなんて、無理です」

【・・・」

沙織先輩は、画架をもって待ってます。

なんていうか、もう、逃げられないって感じです(汗)。

(つづく)

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