エッチな話じゃないけどね


学生時代に少しの間付き合っていた女性(順子)との話です

高校を卒業してから文通しませんかという手紙が来て文通を始めた

そういう手紙は僕だけではなくて、たくさんの人に出したのじゃないかと思う

俺も高校を失業して浪人してたから、暇だし、「ま、いいかな」って感じで返事を出した

順子はちょっと変わった女で、色々な噂があったりして興味があったということもある

ずっと文通だけで1年くらい経って、大学に入って、夏休みに規制していた時にお茶飲んだり

遠くまで行ったりした。

交通費は僕持ちでしたから、ちょっときつかった

俺もそのころは純情で、なにもないままに夏休みが過ぎ、友人から順子がほかの男とも付き合ってるとか

様々なことを聞いて、ぶち切れて、電話一本で別れた

別れたというようなこともしてないから、大げさに言うほどのことでもないけどね

その順子から30年持って電話があって、「一度、逢いたいんだけど・・・」と言う

ある意味で懐かしくなって、逢うことにした。

1回目はちゃんとしたホテルの喫茶室で話をして、あの頃は楽しかったし、何か御馳走したいというから

お昼をごちそうしてもらった。卵料理だったかな。

その時は、「いったい何が理由で別れることになったのか?」とか訊いてきていた

なんだかんだ話をして、昔みたいにどこかに連れて行ってほしいということになって、また「連絡するよ」と言って別れた

2週間後くらいに二人で隣の県までドライブしたが、あてもないようなドライブだったので、走っていて見つけた

森林公園に行くことにした

つつじやら松やらの低木がいっぱい植えられている静かないいところだった

途中で、疲れた様子だったので、ベンチに座って昔のことやら今のことやら、亭主の愚痴やら話してくれた

でも、昔別れた理由が期になるみたいで根ほり葉ほり訊いてきたので、そのままのことを伝えた

嫌いだったら、付き合いもしなかったし、金もなかったし、心残りはいっぱいあるねと言うと

「あのころが人生で一番楽しい毎日だった」っていうものだから、「俺も内気でキスの一つもできなかったよ」

「ちょっと心残りだったかな」って言って、抱きよせてキスしたら、互いに舌を絡めてしばらくディ−プキッス。

少し高台で、ものすごく見晴らしがいいところだったから、他の人からも丸見えだったと思う。

唇を離してから「もっ!」というから、「あの頃もそういう言い方をよくしてたね、忘れ物を見つけられた気がするよ」

って言ったら、あの時にお返しに、ぶん殴ってあげるから「目を閉じて」というので、目を閉じてやった

彼女のほうからキスしてきた。唇がちょっと触れるくらいのキス。

その後、彼女からメールが来て、「逢う前までは、ぶん殴ってやろうと思うくらい怒ってたの。でも、逢うとそんな気持ちにな

れなくて、懐かしい気持ちでいっぱいだった。ありがとう。」

個人的なこともいくつか書いてあったけど、「何か欲しいものはある?」っていうから、「ない」と返信したら

「相変わらずね」だってさ。

実は彼女は大きな病気だったみたいで、なんとなく亡くなったような気がします。

たぶん昔の思い出を確認したかったんだろうね。彼女も、忘れ物のキスを取りに来たのかもしれません。

もう50歳だけど、彼女のおかげで懐かしい素敵な思い出になりました。

 

良かったら「いいね」してください。誰でも「いいね」出来ます!


同じジャンルの体験談

トップページに戻る