最強の相棒 総集編


中学3年の時初めて奴の球を受けて衝撃を受けた。
鷲が翼を拡げた様なダイナミックなフォーム、そのフォームから放たれるボールはフォップするようにノビ初速と終速がかわらずに豪速球が俺のミットにおさまる。
俺は捕手として全国でも一番だと思っていた。関東シニア優勝、シニア全国大会ベスト8、ジャイアンツカップ優勝と俺は4番、守りの要としてチームを引っ張って来た。
いくつかの名門高校に誘われていたとき、一人の年配のおじさんが家にやってきた。おじさんは東京の無名校の監督で出来たばかりの野球部だが中学の有望選手を集めていて、その中の一人に凄い投手がいるから君とバッテリーを組んで一緒に甲子園に行こうと言われその投手に会ってみたくなり一度会う事にした。
とある中学校のグランドで監督の車で行き落ち会った。
奴と会ったとき俺と奴は久しぶりだなという顔をしていた。初めて会うと思っていた監督は驚いていた。
そう、奴とはシニア全国大会の時に敗れた相手のエースだったのだから
監督に受けてみろの言葉に俺は受けることにした。マウンドに立つ奴は18.44mの距離よりも大きく見えた。
奴が軽く俺のミットめがけて投げてくるフォームは美しく軽く投げているボールも綺麗な回転をして俺のミットにおさまる。
そして上記に書いた様な豪速球を投げ込んだ。俺は奴の球を受けた瞬間こいつとならバッテリーを組んで甲子園に行けると確信した。
衝撃を受けてから2年が絶った、俺と奴は3年になっていた。1年からバッテリーを組みベスト4、2年は春夏共準優勝とあと一歩の所で甲子園はかなわなかった。
だが3年になった俺らには自信が満ち溢れていた。俺は高校通算60本のホームランを打ち、奴は151キロにまで球が速くなり、体格もみるみる大きくなっていた。
自信を持って挑んだ秋季大会、俺等は難なく勝ち上がり選抜に出場が決まり、奴と俺の力で決勝に進んだ。これに勝てば初出場初優勝の偉業を達成する
決勝の相手は春夏合わせて2回甲子園優勝の強豪校、7回まで0対0の緊迫した展開、ツーアウトから俺に打順が回り打席に立つ、ここまで2打席とも抑えられ4番としの仕事が出来ていなかった。
だが俺はここで豪快な一発を放つ。
最終回、奴は次元の違いを見せた。
三者三振にきってとる、奴は表情を変えることもなく俺のミットに自分のグローブをポンッと叩く。
この瞬間初出場初優勝の偉業が達成された。
続く夏も優勝し俺等は春夏連覇を成し遂げた
甲子園が終わると国体があり優勝し中学以来の全日本に選ばれ奴と俺はバッテリーを組んだ。
10月になり俺等の近辺はあわただしくなった。
俺らはプロを志望し俺は奴と同じチームに入ってバッテリーを組みたいと思っていた。
だが奴は違った。
なぁ、健司?お前は**に行きたいんだろ。
あぁ、小さい頃から好きだったからな・・・
そっか、なら俺達のバッテリーもこれで最後だな。俺は万年Bクラスの**を目指して優勝する
やっぱり奴は自分に厳しい男だった
ドラフト当日奴は6球団が1位指名し見事意中の球団が引き当てた。
俺はドラフト2位で奴と同じリーグの**に指名された。
5年後奴は球界のエースになり、日本代表になる。俺はチームの生捕手になるのが精一杯だった。
奴は**賞2回、最多勝3回、など数々のタイトルを獲得した
そして奴は宣言どうりチームを優勝に導き日本一を手にいれた。
俺と奴の力の差は歴然だった。

 

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