四歳下の妹と


姉、僕、妹の三人きょうだい。
姉は僕よりふたつ年上。妹は僕より四つ下。
妹と初セックスしたとき、僕は四三歳。

父方の祖父が亡くなって、僕の家族も葬儀に出ることになった。
そのとき、僕はバツイチだけど、姉と妹はそれぞれ結婚し、子供も作って別々の県で家庭を持っていた。
僕は東京に住んで、Web関係の自営業。
両親は、父の生家に近い街に住んでいたから、祖父が危篤となったときからもう生家に行って、看取る準備などをしていた。妹も、祖父が亡くなった翌日には祖父の家に着き、通夜にも出ていた。
僕は通夜には出ず、翌日の葬儀と火葬にだけ顔を出すことにした。
ところが姉は、ちょうど九月の連休だったので、前からの計画だという家族旅行に行ってしまい、通夜にも葬儀にも出席しなかった。
火葬も終わるまでのあいだに、妹はかいがいしく葬儀の雑事を手伝っていた。ときおり従兄弟連中や遠縁の親戚の男たちが、妹にセクハラめいたことを言う。僕はそのたびに妹をさりげなくガードして、妹をその場から逃がした。
妹はあまり社交的じゃない。たぶん亭主は初めての男だ。子供のころから僕とは仲がよかった。姉と比べて小柄で、顔だちは可愛い系だ。
葬儀の合間に、妹が聞いた。
「お兄ちゃんは、再婚の予定は?」
「ないよ」
「ひとりになって、もう四年でしょ」
「そんなになったのか」
「つきあっているひともいないの?」
「こういう歳だから、独身女性はまわりにいない」
「まだまだ魅力あるのに」
本気で言っているような顔だった。
「そう言ってくれるのは、お前だけだ」
「そんなことはないと思う」
火葬もすんで、僕と妹は精進落としの食事会には参加せず帰ることになった。両親はそのまま残る。
伯父は、姉や妹が家族と一緒に来るものだと思っていたのか、わりあい近場の温泉旅館を予約してくれていた。世話になるから、そのお返しに、ゆっくりしていってもらうとのことだったようだ。でも姉は来なかったわけだし、予約をキャンセルしてもらおうかと考えた。
妹が「お兄ちゃん、せっかくだから泊まっていかない?」と言った
妹はそのとき三九歳で、小学生の子供がふたりいる。この葬儀のあいだは、義母に子供の世話を頼んできたのだという。
「そうだな」と、僕はちょっと考えた。姉も泊まるならともかく、妹とふたりきりだと、いろいろ意識してしまいそうだ。
答にとまどっていると、妹は言った。
「用事あるなら、あたしもまっすぐ帰ろう」
僕は言った。
「もったいない。お前だけでも泊まっていけばいい」
「ひとりでなんて、つまんないよ」
「じゃあ、俺も行くか」
「そうしよう」と、妹はうれしそうな顔になって、亭主に翌日に帰ると電話をした。
その温泉旅館まで、最寄りの新幹線駅からタクシーで三十分くらいだった。着いたのは、まだ夕食には少し時間があるという時刻だ。
広い部屋で、子連れのふた家族でも余裕で泊まれる。部屋の外にベランダがあって、ヒノキの家族風呂があった。
妹が言った。
「お兄ちゃん、外のお風呂に入ったら」
「お前は?」
「あたしは、長くなるから、お兄ちゃんのあとにする」
僕は脱衣所で服を脱いで、ベランダにある家族風呂に入った。丸い風呂は、二人でも三人でも一緒に入れそうな大きさだった。足を伸ばしてのんびりつかっていると、妹がその家族風呂のあるベランダに出てきた。裸で、小さなタオルで前を隠しているだけだ。小さめの胸はさらしている。妹は子供もいるのに、意外にスリムだった。
「背中流してあげようと思って」と妹は言った。
「あとでな。一緒に入れよ」
「そうすっかな」
妹も最初からそのつもりがあったようだ。浅い縁をまたいで、風呂桶の中に身体を入れてきた。妹はちょうど僕と斜に向かい合うように、風呂桶に背中を預けた。お湯の中に乳首が見えた。
足先が触れ合ったので、僕は足の先を突ついたり、からめたりして遊んだ。妹も子供のときのように、足先でじゃれ返してきた。
妹の顔が少しずつゆるんでいったような気がした。通夜から葬儀と、身内としていろいろ気を張っていたのかもしれない。今夜自宅に帰る必要がなくなったので、リラックスしてきたのだろう。
妹がすごく可愛く見えてきた。子供のころ、妹と一緒にお風呂に入れられたとき、抱き合って「おサルさんごっこ」だと、はしゃいだことを思い出した。
妹としたいという気持ちが、どんどん強くなっていった。それはまずいと思いつつ、片一方で、いまの自分たちにはそれが自然だろという気持ちにもなっていた。妹のほうから風呂に入ってきたのだ。
僕は誘った。
「こっちへこい。だっこしてやるよ」
妹は、そう誘われるのを期待していたみたいに、うん、と言って立ち上がった。
目の前に妹の陰毛がきた。薄くて、面積も小さい。
妹は僕の腿の上にまたがると、僕の首に両手を回してきた。
「おサルさんごっこだ」と、妹は言って、ゆさゆさと身体を前後に動かした。湯船の中に波が立った。
僕のペニスは妹の腰の下で勃起してきた。僕は妹の腰に手を当てて持ち上げ、少し前後に動かした。ペニスが完全に勃起し、先が妹の陰部に触れた。
妹は何も言わない。見つめてくる。少し不安そうな目だったけれど、拒否してはいない。僕がまた腰を動かすと、ペニスはまったく抵抗もなくぬるりと妹の中に入った。
「あ」と、妹は小さい声をもらして、目をつぶった。
それをするつもりだったのに、僕は動揺した。入ってしまった。
やべえ。やっぱりやばくないか。
離れたほうがいいかと腰を引こうとした。妹は、両手で僕をしっかりつかまえてくる。動けない。
妹が腰を擦りつけてきた。僕も妹の腰を持ったまま、自分の腰を突き上げた。妹の右手が僕の背中に回って、頭がぼくの肩に乗った。お互いの胸が密着した。
僕が突き上げているうちに、すごい勢いで僕は高まっていった。いまにも射精してしまいそうだった。
僕が腰を引こうとすると、妹が顔を離して僕を見つめて聞いた。
「どうしたの?」
「中でしそうだ」
「いいじゃない。だめじゃないよ、きょう」
ほんとうかどうか、わからなかったけれど、僕はまた腰を突き上げ始めた。
妹は喘ぎ声をけんめいにこらえているようだった。困っているかのような顔になった。息が荒くなった。ぼくにしがみつくように身体を密着させてきた。
「行っていい?」と僕は聞いた。
「うん」
僕は妹の中で射精した。妹の腰の動きが止まり、妹は深く長く吐息をついた。
しばらく僕たちは風呂の中で抱き合ったままでいた。
「少しのぼせてしまった」と妹が言った。
ぼくは妹を抱いたまま湯船の中で立ち上がり、妹のおでこにキスした。妹があごを上げて唇にキスをしてきた。
射精の快感だけじゃなくて、何かべつの、気持ちの上での、まずいことをしてしまった快感もあった。罪悪感があるせいか、たとえば十五歳でお酒を飲んだときのような。危ないクスリをやってしまったときもそう感じるのかもしれない。
ぼくは先に風呂を出た。妹は身体を洗ってからタオルを巻いて出てきた。
妹は、僕の顔を見て言った。
「いやだったの?」
「どうして?」
「まずいことをしたって顔になってる」
「だって、やっぱり」
「あたし、うれしかったよ」
妹はぼくにしなだれかかってきた。僕は妹の腰と手に手をまわし、抱き寄せてもう一度キスした。長いディープキスになった。
そのあとは、僕たちは旅館のまわりを散歩した。妹は僕に腕をからめてきた。そのときのセックスについては話題にしなかったけど、少しだけエッチ系の冗談などがまじった。
部屋に戻り、浴衣に着替えて、ビールを飲みながら、また何もなかったかのように、兄と妹の世間話だけをした。
その夜、食事も終わって仲居さんが布団を敷いたころから、なんとなく雰囲気がそっちにかたむいてきた。僕は妹の目を見つめて、気持ちを確かめた。
恥じらった妹の顔に、僕はめちゃめちゃ欲情した。
僕たちは布団に移って、浴衣を脱いでセックスした。ほとんどずっと無言のままだった。
妹のそのときの声は、控えめだった。僕も行為は慎ましく押さえた。最初から最後まで正常位だ。いけないセックスをしていながら、妹に自分がエロ親爺だと思われたくなかった。
翌日、チェックアウトし、午後に東京駅のプラットホームに下りたとき、妹は立ち止まり、少し不安そうな顔で僕を見上げて言った。
「お兄ちゃんに、電話してもいい?」
「当たり前だよ」と僕は思わず笑いそうになった。
「どうしてそんなことを聞く?」
「嫌われてしまったんじゃないかって、心配なの」
「俺のほうこそ」
「ずっとお兄ちゃんだよね」
「そうだよ。お前も、ずっと妹だろ?」
「うん」と、妹は微笑した。
僕たちはエスカレーターへと向かって歩いた。妹は僕の左腕に、また右手をからめてきた。
「こんなふうにして、また歩きたい」と妹が言った。
「いつでもいいぞ。お前が計画して、電話してくれ。俺は合わせられるから」
「うん」
そのときはすごく妹にキスしたかったけれど、なんとかこらえた。
新幹線改札口を出たところで、僕たちは手を振って別れ、別々の方向に向かった。妹は家に帰るためにさらに一時間、JRに乗る。
僕たちがその次に会ったのは、四カ月後の一月だ。
快晴の月曜日、用事を作って妹が東京にやってきた。浅草で会って、ランチを食べてから、ラブホに行った。その日、妹は騎乗位でも僕とつながった。
それが六年前のこと。
僕と妹はそれから年に一回は会って、セックスしている。ラブホに行くことが多いけれど、妹が僕の部屋にやってきてしたこともある。
妹は、オーラルセックスがあまり好きじゃない。それがわかっているから、フェラをされるときは、いとおしさでいっぱいになる。こんな気持ちは、妹以外では感じたことがない。妹がいやがるので、クンニはしたことがない。
妹は家庭があるし、東京にきて僕と会うときも、泊まることはできない。「伯母さんの葬儀まで我慢しよう」と、不謹慎な冗談を言い合っている。
三年前、お盆に帰省したとき、珍しく同じタイミングで妹も姉の家族も来ていて、姉弟妹が揃った。
このとき、母が、以前よりも僕になつく妹を見て「あんたは子供のころからお兄ちゃん子だったものね」と笑いながら言った。
妹は、「大人になってから、もっとお兄ちゃん子になったみたい」と言った。
ぼくはひやりとした。姉がちらりと僕を見たのがわかった。
「子供のころはうざかったよ」と僕は逃げた。
さいわいその話はそれで終わったけれど、女性はこういうことに敏感なはずだし、姉も母も、もしかしたら勘づいたかもしれないという心配がある。

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