チイちゃんと ①


東京から新幹線で一時間弱の地方都市、その更に郊外での話。
41にもなって流石に実家暮らしは体裁が悪いと一念発起した去年の夏、高校時代の後輩から半ば強引に借りた軽トラに荷物を積んでる時に隣の家から女の子の手を引いた白いノースリーブを着た女性が出てきた
「お兄ちゃん?あ~やっぱり!!久しぶり!!」
と声を掛けてきた
「え⁉もしかしてチイちゃん?立派になったね~!!」
心臓が高鳴った。それでも平常を必死に装った
「やだ~!!オジサンみたい(笑)私もオバサンだけど(笑)」
「俺と9つ下だから32か。まだオバサンじゃないよ(笑)ところで、その子はチイちゃんの?」
「そう一年生。旦那が長期出張で居ないから子供の夏休みついでに帰ってきちゃった。コロナ禍だからどうしようかと迷ったけど。ほらあいさつは?」
「こんにちわ(ペコリ)」
「はい、こんにちわ!!ちゃんとあいさつ出来て偉いね~」
頭を軽く撫でた。
「この子、チイちゃんにソックリだね」
「うん。よく言われる。『あの頃』にソックリだって」
ギクリとした。 

あの頃、俺が高1でチイちゃんが小1だった『あの頃』。
俺の家は旧家と言われるような家で、曾祖父の頃は使用人も居たらしいが、祖父と父の代で殆どの土地は手放し周囲は分譲地となり、我が家は少し大きめの家と土蔵だけになっていた。
中3で受験勉強を口実に父親に土蔵に電気を引かせてそこを自室にしていた。
隣に家を建て入居してきたのがチイちゃん一家だった。
一人っ子だったチイちゃんは何故か俺に懐いて、俺が高校から帰る頃を見計らって寝泊まりする土蔵に来た。
「兄ちゃん散歩いこ!!」
夕方はチイちゃんの手を引いて野山を散歩するのが日課になっていた。
ある日、雑木林を散策中にチイちゃんが
「おしっこしたい!!」
周りには公衆トイレはない。困っているとおもむろにズボンとパンツを下げ
「ここでするから兄ちゃん見てて」
としゃがみ込んだ。
困った俺は後ろに回り、少し離れた場所で目を逸らしていたら
「怖いから兄ちゃん前で見てて」
女の子の放尿なんて見たことない。恐る恐る前に回るとチイちゃんは俺の両手を握り目を見ながら落ち葉の上に放尿を始めた。
「シャー」
と音を立てながら股間から尿が勢いよく出てる。チイちゃんはトロンと呆けた表情でずっと俺から目を離さない。
ポタポタ···
気が付くと勢いのある音は止まり、雫がたれてる音がしてる。
「兄ちゃん拭いて!!」
「え?自分で拭きなよ」
「兄ちゃんに拭いてほしいの」
結構ドキドキさせながら持っていたポケットティッシュを一枚出してしゃがんで前からチイちゃんの限界まで拡げられたワレメの中をティッシュで拭く。チイちゃんは俺の首に腕を回してにしがみつく
「あふッ!!」
何か耳元で小1らしからぬ色っぽい声を出したような気がしたが聞こえないふりして優しくペタペタと押すように拭いてあげた···。

「ママおしっこ!!」
この声で我に帰った。
「兄ちゃんごめんね~。『この子』もおしっこが近いのよ。ところで、どこに引っ越すの?」
「すぐ近く、あそこだよ!!あそこの105号室」
と百メートル先のアパートを指差す。
「な~んだすぐ近くじゃん!!『またあとで』ね!!」
「『あとで』って?と思いつつ子供の背中を押しながら家に入るママになったチイちゃんを見送り残りの荷物を積み込んだ。

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