DVDを整理していたら、あの人が映る映像を見つけた。
まだあの人と夫婦だった頃、娘と猫のジョニーとあの人が遊んでる動画。
あの人も娘も笑ってる、ジョニーも可愛い。
あの人の笑顔がとても優しい…
画面の隅にある日付…これ、16年も前の動画なんだ…
あの人に抱かれるのが好きだった。
特別なテクニックは無かったけど、優しく包み込んでくれる愛情あふれる優しいセックスだった。
クンニリングスもくすぐったいくらい優しくて、クリトリスをいつまでも舐められてた。
気持ち良すぎてボーっとして、気が付くといつの間にかあの人が入ってきてた。
子供を作ろうって決めてしたセックス、忘れられない。
あの人が奥まで入れて、私の子宮に精液を解き放った時の熱い感覚…あの人の子供が欲しいと心から願って抱かれたあのセックスは最高だった。
アソコからあの人の出した精液が流れ出てくるのを感じて、ああ、セックスしたんだな~っていう実感がわいた。
優しかったあの人、大好きだった。
優しすぎて、あの人を慕う同僚女性の思いを断れなかった。
同僚女性、妊娠した…
「ごめん…」
と何も言い訳せず、泣いてあの人をなじった私にされるがままだったあの人。
小4だった娘は、事態を理解できず、私に責められ続けたあの人を見て、
「パパが可愛そうだよ…」
と言って、あの人を泣かせたっけ…
あの人が出ていったのは、14年前。
出ていくために荷造りしているあの人を見てるのが、とても辛くて、あの人の荷物が無いキッチンで泣いてた。
そのころには、娘も事態を理解して、父親との別れを予感して泣いてた。
でも、私は考えを変えた。
優しいあの人に、これからも優しい人であり続けて欲しいと思うようになった。
「彼女のこと、悲しませないであげてね。泣くのは私達だけで十分…」
と言ったら、あの人も泣いてた。
あの人が出ていってしばらくしたら、猫のジョニーも姿を消した。
娘はジョニーを探して歩いたけど、見つからなかったし、帰ってもこなかった。
幸せだった16年前、懐かしい、あの人とジョニーの姿…
あの人に、今度娘が嫁ぐ事を知らせたくて、14年前のメルアドにメールしたけど、宛先不明で戻ってきた。
娘が嫁いだら、私はひとり…
別に寂しくはないけど、画面のジョニーを見てたら、ひとりになったら、また猫飼おうかと考えるようになった。
そして、あの人は元気かなぁと…
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