使っても減るものじゃなし、どうぞ


昔の話し
もうすぐお盆だけど、後家さんのお接待ってあったの知ってる?
家へ坊さんに来てもらってお経を上げてもらうとお布施をださなきゃならないけど、
戦後貧しくて後家暮らしの家ではお布施代も苦しい。
そこでお経が終わると、どうぞと云われ、隣の部屋へゆくと、
床がのべてあって、後家さんが
「使っても減るものじゃなしどうぞ、お接待させてください」
といいながら腰巻の紐を解いてお坊さんを誘ったという。
坊さんが後家さんの腹の上でお接待を受けて一儀が終わると
「結構なお接待でございました」
「いえ、御粗末さまでございます」
こういうのがけっこうあった。
春秋のお彼岸、お盆に、祥月命日にお坊さんは後家さんの家の法要を欠かさなかった。

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