裏のお姉さん


うちの裏に平屋がある。昭和に建てられた古い貸家。
昔、そこに江美ていうお姉さんが住んでいた。歳は確か、私の7つ上。黒髪ロングで背が高く、河北麻友子にちょっぴり似ていた。
ある日、小4だった私は学校から帰ってくると、リビングに書き置きがあった。裏の家に回覧板を届けてほしいという内容。
私は仕方なく届けに行くと、玄関の引き戸が半開きになっていた。不用心だと思いながら回覧板をポストに入れ、すぐに立ち去ろうとしたら――

「あぁっ……あぁぁん……♡」

お姉さんの怪しい声が聞こえてきた。
迷った挙句、庭のほうへ回り込んだ。足音を立てないように突き進んでいき、一番奥にある部屋にたどり着く。
窓ガラス越しに中をこっそり覗き込むと、そこには彼氏と正常位で交わっているお姉さんがいた。

「江美ぃぃぃ♡ 江美ぃぃぃぃぃ♡」
「うっ、うぅん……うぅぅぅん……」

お姉さんは枕をつかんで目をつぶり、身を委ねている感じだった。ベッドが軋むたびに乳房を弾ませ、いやらしい喘ぎ声をずっと漏らしていた。
汗で濡れた前髪が額にベタッて張りつき、悶えている様子はまさに女の貌だった。

「それにしても……急にどうしたの? 一昨日したばかりじゃない……」
「しょうがないだろう♡ だって、またシタくなったんだから♡」
「うちの親、あと2時間くらいで帰ってくるから……それまでに早く済ませちゃってよ」

その途端、ピストンが一気に加速した。
お姉さんも先ほどより激しく喘ぎ、ラストスパートに入った。まもなくフィニッシュを迎えた彼氏は、肉棒からコンドームを取り外し、また別のコンドームを装着。
2回戦が始まり、これ以上は悪く思えたので静かに退散。

数年後、お姉さんたち一家は引っ越していった。
空き家になった貸家を見るたび、例の光景を思い出している。

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