今夜、実際どうなった?


母は徒歩15分位の大きな温泉旅館で仲居のパートをしている。
今日、9時前に、どしゃ降りの雨が降って来たので僕が迎えに行った。
入口のリビングでTVを見ながら待ってると、入って来たコワイ系の男達に
囲まれる形になり、脱出できなくなった。
50歳位のエネルギーの塊の様な組長らしき男が、母の姿を目で追い「あの仲
居イイ体してるなぁ〜。今夜抱きたいから、女将を呼べ!」と言った。
呼ばれた女将さんは話を聞き「あの仲居はパートの主婦ですよ。寝たりしま
せん。」と言ったが「是非、抱きたい!」と若い男に母を呼びに行かせた。
呼ばれた母は、さすがに緊張して男のソファーの前に膝まずいた。
「悪いネ!、あんたの色気に参ったよ。床代は弾むから今夜、相手をしてく
れ!」と言うと、母は「いいえ、私は...」と俯いた。
親分は母の手を取り、さすりながら「ヤクザとSEXした事は無いだろう?
腰が抜ける程よがらせて、泣きながら何度も極楽往生させてやるぞ!」と呟
くと母は真っ赤になり、「すいません」と小走りに去って行った。
この母の様子を親分の横で見ていた超イケメンの男が「あの女、慌てては要
るけど、口説かれて”感じてる”よ。相当の”好き者”だ。社長、あの女間
違い無く今夜抱けますよ!」と言うと、「おおっ〜、そうか!お前が言うな
ら間違い無い。もう一度あの女に話を付けて来い」と若い者を走らせた。
30分位して、男達が部屋に入った隙に僕は飛び出し、母を捜したが姿が
無く、仲居に聞くと「とっくに帰ったはずよ」と言われ、安心して帰った。
家に帰ると父から「今日、団体客が入り忙しいので旅館に泊まる」と母から
TELがあったと聞いた。
僕は驚き、飛んで旅館に戻って、女将に全部話すと、女将さんはしばらく考
えた後、真顔で「子供が関わる話じゃ無い!お母さんは、ただ、忙しいだ
け!」と、恐ろしく落ち着いて言われたので、僕は一言も返せず帰った。
帰り道、母は本当にヤクザに関わっていないかマジ気になった。
女将さんは、少し間を置いて何を考えて、僕に返事をしたのだろう?
今、帰宅しても心配です。

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