子供の頃、小学校三年の時、知り合いの温泉宿に無料入浴券をもらって母と二人で出かけた。
浴場の脱衣場に入ったら客は俺たちとお婆さんが二人だけ。それと端っこに工具やタイルが置いてあった。
おかしいなと思っていた。
俺も母も裸になった時、入浴券をくれた宿の主人がいきなり入って来て、修理しなきゃいけなくて、俺たちと職人が女湯に居るけど気にしないで入ってって言い出した。
母は裸を隠す暇もなく素っ裸で立ってた。
済まないね、仕方ないんでって言いながら母の裸を主人はジロジロ見てた。
母も戸惑ってたけど、あ、あーそうなんですかってオッパイを両腕で隠しながら返事してた。
下の方は丸出しだった。
主人がズボンの裾をまくり上げて浴室に入っていくと、仕方ないわねって言いながら母が脱いだ服を畳んでたら、お婆さん達は上がってしまった。
入れ替わりに職人が入って来た、済みませんねーって大声で言いながら入ってきたのは、俺の同級生の父親だった。
父母会で職人も俺の母親も役員をやってて、地域やクラスでの付き合いがあった。
母はさすがに知り合いでしょっちゅう顔を合わせてる男の前での全裸は恥ずかしかったらしくて、前を隠したまましゃがみこんでしまった。
あ、あー、すまないね、仕事、仕事なんでさと言いながらおじさんは母の裸をジロジロ見てた。
イヤーと言いながら母は真っ赤になって、どうしようって俺に聞いてきた。
俺も驚いていた。
仕方ないわって呟いて、おじさんにここで会った事、裸だった事を誰にも言わないでって頼みな
がら立ち上がった。
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