忘年会異聞

 
 会社でよくある忘年会。

 職場の忘年会だけでなくいろんなパターンがある。

 チー牛と呼ばれる僕は酒を飲まない。よってできるだけ飲み会はスルーするし、実際出ても苦痛なだけで何もいいことはないからなるべく早く席を立つことにしていた。


 「あいつはロリコンなんだ」

 『なんだ、俺のこと言ってんのか』

 しかし、それは僕のことではなかった。

 「事件が起きてしまったんですよ。あれ以来泊りの忘年会はしなくなったんだとか」

 『さもあろうがね。何が起きてもおらあ驚かね~ヨ』

 しかし、話の成り行きは何か思い当たる節があるほうへと発展していった。

 「ゴスロリ。余裕ですよ」

 『そのロリコンさんは余裕でゴスロリなんだね』

 昼休みが終わろうとしていた。


 「こんにちは」

 さすが新卒の娘は違うね。こちらを見るまなざしもまっすぐでとても好感がもてる。

 白いニットとデニムのスキニーはこちらまで学生時代に戻ったかのような錯覚を覚えるものだった。

 確かみゆきといったな。

 それは遠い記憶だった。


 「チー様。こんばんわ」

 「う、うん。みゆきちゃんじゃないか」

 変われば変わったもんだなあ。

 量販店のレジで買い物袋に食品を詰めていた。

 人形のようなメイクとハロウィンの仮装のような黒服は一瞬およそ日常とはかけ離れた場所に立ち入ったかのようだった。

 『これからナイトフィーバーと洒落込むのかい。こちらは君をおかずにナイトハッスルさせてもらうよ』

 
 あれは12月も末でちょうど忘年会のころだったかなあ。