エロ本ロード 2


 いわゆるひとつのそういう思いや考えにとらわれるのは、正直暇なときだろう。

 まだ社会に出る前で、結局、お金もなく、街をさまよっていると、ふと気づいた路地裏の明かりは、とある本の自販機だった。

 いつもそうだが、かならずや、客は、少女か熟女かの選択を迫られる。

 
 しかし、そんなジレンマを解消するかのように、街にはなぜかそういう映画を放映する映画館があった。

 
 洋画か邦画かの選択でもぎりのお姉さんに邦画と伝えて、学割の切符をもらった。

 
 「洋画ですよね」

 顔が一回り大きく、光も当たりやすいのか、てらてらとした顔立ちのもぎりのお姉さんは、邦画と聞いて、はっとしたかのようにほくそ笑んだ。

 中に入ると早速のようにあえぎ声が。

 客は見たところ、僕一人だ。

 あえぎ声の主は、立派な熟女だった。

 
 しかし、めげずに粘っていると、今では当たり前のようになんでもありのご時勢だが、見たところはたち前の若い女性が登場した。(もちろんスクリーン中に)

 当時はそれだけで大変貴重な映像だった。

 ペニスの張子を渡され、画面の外からは、男の声で、

 「これをどうするんですか」

 とたずねられる若い女。

 すると、女は、まず張子の裏筋にキス。

 そして根元から亀頭部分まで舌を這わせると、カッポリと筒先からくわえ込んでしまった。

 「お~」

 「あ~」

 いつ入ってきたのか、〇ばさんの一団が後ろのほうで嬌声を上げた。

 立ち上がり出口に向かう。

 春先のかすかに匂いの漂うトイレの男性便器で、僕は一発抜いた。

 
 

 

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