ケツたたき家族


うちの家には昔から変なルールがあった
それは毎月小遣いをもらう日の前日、母親に悪事を告白するという謎の儀式
一つ上の姉、俺、二つ下の妹が順番にその月にあった悪事を正直に話し、
母親にケツをたたかれるかわりに翌日に小遣いがもらえる
これをやらないまま小遣い日を迎えるともらえないので、みんな必死に自分からケツを向けた
ただ、もちろん罰も兼ねているので
3人ともケツが真っ赤になるまで母親にたたかれるのだが
小学生の間はまだ良かった

中学生になると、恥ずかしさが芽生え始めて
そろそろやめようかという流れになったのだが、
姉と俺が中学生になっても、妹はまだ小学生
自分達が味わってきた屈辱を妹だけが回避するのはずるいと姉が言い出し
結局、俺と姉が中学生になってもなお母親にケツをたたかれる習慣が続いていた
ここまでくると姉もヤケクソだったのか
妹が中学に入ったことでやめるかと思っていたら
高校生の姉は月末になるとやはり母親にケツたたきの要求をしていた
そうなると俺と妹も同じようにケツを出すしかない
思春期になると困ったのが姉や妹より俺である
さすがに妹に欲情はしなかったが、姉のケツが丸出しで母親にパンパンやられている姿は
実の姉といえど股間にくるものがあった
見つかるとからかわれるので股に挟んで隠すのだが
勃ってしまったらバレバレである

「おかーさん、○○○ちんこ勃ってるー」

3人ともケツ丸出しなのは同じだが、こうなってしまうと男が不利である
母親にもからかわれ、ケツをたたかれながら「興奮してごめんなさい」と復唱させられた
妹はガン見するだけであまり何も言ってこなかった

妹が高校生になるのをきっかけにこの習慣は"罰"ではなくなった
母親もあまり力をこめてたたかなくなったし、ケツが真っ赤に腫れあがるまで、という目安も廃止された
ただコミュニケーションの一環として、ケツたたきが始まる日はあった
姉が母親に頼んでケツを出すと、俺も妹もやらなくちゃいけない空気になる
2人が嫁いで実家を離れるまでは続いたが、
いまだに俺は母親と2人きりになると、ケツをたたかれる時のことを思いだしてやや気まずくなる

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