百年の女 3


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 「それじゃ話は終わっちゃうのよ」
 
 コンビニの外ベンチでるみさんはコーヒーを飲みながらそう言った。
 「いいお天気ですねえ」
 ひと声かけて立ち去るつもりだった。
 「旦那がまた入院しちゃって」
 「そりゃ大変だ。早く行ってあげないと」

 そそくさと車に乗り込もうとした時、またあのアヒルのような口が。
 それから数日後には訃報があった。
 
 『未亡人になってしまったのか』
 年甲斐もなくとは言うが、百年後の浦島太郎は、きっとこんな気持ちに違いない。
 玉手箱の中からは煙が。
 そしてまた百年の恋に。

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