浮世絵の女 5


 店の名は、雑居ビルの四階にあって「大江戸キャビンアテンダント」といった。
 一枚看板なので、三階の居酒屋と同居しているわけではなかった。
 フロントは、
 「アシスタントパーサーの古内です」
といたって真顔だった。
 「智美です」
 なぜかチャイナドレスのその女性は、今日入店の現役JD とのことだった。
 
 個室では、現役JDのフェラテクに六十九であっけなく昇天させられた。
 「二回目いけますか」
 もはや空のタンクを奮い立たせる勇気はもちあわせてはいなかった。

 翌日店を訪れると、店のあったビルの4階はもぬけのからだった。
 しかたなく向かいのビルにあった「今だけ一万円」のオイルエステに。
 「奈菜です」
 少し長身で黒のニットワンピ。ショートカットが印象的だった。
 全身にオイルを塗りたくられ、フェイスタオルやバスタオルで拭き取られることを繰り返すうちに、いつの間にか手こきで発射させられていた。
 しかし、しばらくしてリピートしたその店も、なくなっていた。
 もちろん、女の行方は杳として知れなかった。

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