浮世絵の女 4

 「命に別状はない」
 と言われたものの、その日の晩には高熱でうなされた。
 氷枕を2度取り換えたが。3度目はなかった。

 「お客様。こちらは初めてですか」
 「智美です」
 見るとどこかで前にお会いしたことがあるような。
 しかし記憶がつながらない。
 『まあいいや。一夜限りのことに口を挟む余地もない』
 個室に入るともう一切口を利くことはなかった。
 体を洗ってもらいいよいよベッドに。
 後ろ向きで跨ろうとした女の背中に描かれた絵は弁天様。
 激しい逆ピストンでたちまち昇天した。
 お礼を言って店を出たとき師走の風が冷たかった。