浮世絵の女

 浮世絵というのは、=春画でいいのだろうか。
 とあるギャラリーで見かけた浮世絵は、もちろんレプリカではあるのだが遊女が描かれたものだった。
 しかし、遊女=春画とは限らない。
 妻の智美は、浮世絵に描かれた美女そのものだった。
 床上手でもあった妻のおかげかさみしくなった頭頂部。
 
 浮気癖が治らず40過ぎても社内の女性にちょっかいを出しては心配をかけていた親友の古内君には子供がいない。
 奥さんの奈菜さんは父親が私の上司だったので、入社した時から知っている。
 「娘に注射はしないでくれよ」
 ムチムチショートパンツからはフェロモンがあふれ当時不覚にも劣情をもよおしてしまった。
 しかし、注射をしたのは、同僚の古内君で、奈菜さんはヴァージンだったと社内での噂になった。
 ときどき見せるすがるような目つきには毅然とした態度をとったつもりだった。
 そんなある日、
 「妻の奈菜に何をしてくれたんですか」
 古内君からあらぬ疑いをかけられた。
 「何もしてないよ」
 と答えたものの、自信はなかった。
 「ところで、智美さんてかわいい人ですね」
 「私らより10くらい若いからな」
 「一度お願いできませんか」
 頭頂部から湯気が立ち上った。
 「奈菜もやる気満々だし、実はこの間智美さんと飲み会でご一緒した時、足が密着したものですから。そのときまんざらでもないというようにウフフとお笑いになった」
 『ああ。そういえば、最近智美が笑みを浮かべることがよくあるなあ』
 「今度家にいらしてください」
 
 と、そんなことを智美には話した。

 翌週の土曜の午後私は古内君のお宅を訪ねた。
 同じ日同じ時刻に古内君は私の拙宅を訪問。
 お互いゴムはつけようなといったにもかかわらず、3か月後智美にはつわりがありました。