慰安旅行の夜(2)


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慰安旅行の夜(2) 内田守衛

社「なんでも生保レディの団体200人来てるって。」
全「エ゛ー生保レディ−!?200人!」(にひゃく!)
社「ここは混浴だから工事のY田さんなんか背中流してもらって大喜びだって」
他「部屋へ入り浸ったり、引っぱり込んだりしてるらしいぞ」
O「ほんとかよ−?!U田くん、まずいんじゃないの?なんか間違いあったら」
U「知りませんよ。みんな大人なんだから」なんでオレがそこまで面倒見なきゃなんねえんだ。
なんだ?もう宴会の時間かよ。まだ風呂も入ってねーよ。

U「みなさ〜ん!宴会が終わったらエロ8mmと花電車の準備してますからねーッ」
えっ?何人か風呂から出て来ない?知らねーよそんなの。
U「エロ8mmは不肖U田が弁士を勤めさせていただきます」って集まり悪りーなぁ。
課「集まり悪いね、U田くん」
U「課長、僕のせいじゃありませんから」 何処行っちゃったんだよ皆んな。
課「つぎ、花電車だったよね。見たことないから楽しみにしてんだよ」
課「花電車も集まり悪いね、U田くん」
U「ほんとだ、僕と課長と経理のW林さんと現場のS藤さんか、あと添乗員さん。O山さんいないな」

花電車はオレも初めてだったけどすごい技術だね。
オレは両替えが好きだな。千円札入れると百円玉10コになって出てくるやつ。
あとバナナ切りもいいなバナナを入れるとウンと締めて途中で切るやつ。
皮付きで切れる猛者もいるらしいぜ。
あと、こよりの綱引き!あそこにこよりの端を突っ込んで反対側を口で喰わえて、ヨイショって引っぱるやつ。
目の前であそこに力入るから見ごたえあんだ、コレが。
フーン、S藤さんこよりの先に火を着けたよ。
あれっ「危ない!」ってS藤さん、だめだよ触っちゃ。
火を消そうとした?上手いこと言って、現場じゃトロイのにこういう時だけ素早いんだから。
パチパチパチ... お疲れさまー。
U「オレ幹事だから残って着替えるとこ見てていい?お支払いもあるし」
課長はマン習字で書いてもらった色紙でご満悦だな。
U「えっ額に入れて事務所に飾るんですか?やめてくださいよ」バカじゃねーの?

あーやれやれ。やっと解放されたよ。
ところで皆んな何処行ったんだろ?風呂かな?
U「S藤さん、O山さん達どこか知ってますか?」
エッBARがあるの?
何?皆んなそこでチーク踊ってる?ホントかよー?!!

ああ、あれか。きったねーBARだな。でも満員じゃねーか、オレ達のお陰で。
ははァ、踊ってる、踊ってる。バカ面こいて。
アレッ?課長?O山さん?大工のT畑さんも?あんな若いコと踊っちゃて。
オレの相手いないじゃねーか。出遅れたな。完全に。
ン!ひとりババアが座ってるな。しょーがねぇ、座ってるか、ここに。

U「こんばんわ、ここ、いいですか?」エッ隣へ来いって?いーよ、こっちで。
U「おばち..、いえ奥さん、生保の方ですか?」
バ「いいですよ、おばさんで。保険会社です」まだ定年じゃないの?
U「僕?ええ会社で来てるんです。慰安旅行で仕方なく」
バ「お兄さん、踊りましょうか」お兄さんだって?オレのこと。
U「ええ、いや、踊るの苦手ですから」早く終わらねーかな1曲。
U「あ、曲が終わった。選手交替してもらわなきゃ」
課長め、手つないで帰ってくんじゃねぇよ、うれしそうに。
U「課長!言ってといて下さいよ。BARに来るんなら」
課「よぉ!U田くん、来てたのか?ここの勘定はT畑さんが持つそうだ」
っていつもそうじゃねえか。当てにしてんだろ、それを。
U「あの、そちらの課長と踊ってらっしゃった方、お綺麗ですね。独身ですか?」
えっ結婚してる。ま、いいか。
バ「わたし独身です」っておばちゃんに聞いてないだろ。
U「結婚しててもいいから、つぎ、僕と踊っていただけますか?」なんちゃって。
課「だーめだよ、U田くん。次も予約済みなんだから、ねぇー。私こういう者です」
って会社の名刺出すんじゃねえよ、こういうところで。
課「どちらから?あッじゃー私の会社の近くだ」
チェッ、暗に交際持ちかけやがって。
バ「わたし新小岩に住んでます」って聞ーてねえだろ。
あっ、次の曲始まっちゃった。あっ、みんな行っちゃた。

バ「また二人になれましたね」って好きでなってんじゃねーよ。
バ「お話してるのも楽しいですね」誰が!
U「でもねぇ、せっかくだから踊らないと」
バ「あの、よろしかったら私と」
エッ、おばちゃんと?!あんまりよろしくないけどなぁ。
U「しょーがないから、踊りましょうか」トホホ。
バ「踊りはお上手?」オレ踊れないんだったー。
U「いや、あまり機会がなかったんで」
バ「じゃ、私リードしましょ。もっと、しっかり抱いて」ってあんまり抱き甲斐がねーな。
バ「ごめんなさい。チークですから、もっとこう!」あーっ尻を抱き寄せた。

リズムに合わせてウロウロしてたら、何だか踊りになってきたぞ。次に踊る相手、物色しとかないと。
バ「ハァ、ハァ」あれ?おばちゃん、ハァハァ言い出したぞ!
U「大丈夫ですか?気分でも?」
バ「ごめんなさい。若い人と踊ってたら、つい」なんだ興奮してたのかよ。
あ、そんなに×××押し付けられたら立っちゃうって、いくらおばちゃんでも。
バ「あ〜ッ、あ〜ッ」おい、ヨガリ声出してきたぞ、今度は。
U「本当に大丈夫ですか?気持ち悪くなったんじゃないですか?」
バ「ごめんなさい。あ〜ッ気持ちいい」まいったな。
まずいぞ、立ってきちゃったぞ、中ぐらいの息子が。
U(小声)「すいません。くっ付けてたらあそこ立っちゃって。分りました?」
バ(小声)「いいんですよぉ。もっとくっ付けて下さいよぉ。あ〜ッ」
おばさん目つぶっちゃったよ。逝っちゃうんじゃないかな?

あ、終わった、やっと終わった!曲が。
ねぇ、そこの浴衣着ないでわざわざボディコンのミニ穿いて、男引っかけに来たと思われても仕方のないような「お嬢さん、次ぎ踊っていただけますか?」
U「 えっ、ダメ?」エ゛ーッ!もう閉店なの?!
ラストオーダー済んでるから、テーブルの飲み物飲んだら帰れって?!じょーだんじゃねェよ。
U「もう1曲やってよ、もう1曲!」ダメ?11時で閉店?!頭くるな−。

バ「これ飲んだらお別れですね、ゆっくり飲みましょう」って呑気なことを。
こっちは息子が立ってんだから、もう、女なら誰でもでもいいや!誰か、誰か..。
あー、みんな引き上げちゃうなー。他人の金で飲んで。
T「U田さん、いいお相手見つかったじゃないですか」ってT畑さん、自分は若いコ連れちゃって。
U「T畑さんこそ、どこかの若奥さんと、チェッうらやましいなあ」
T「へへへ、これから勘定済ませたらこの若奥さんとX地点で楽しむんだよ−。ねぇー」X地点??
U「X地点?何ですかそれ、布団部屋?まさかトイレじゃあ?」

まいったなぁ、オレまだ風呂も入ってねーよ。・・・ ( ゚∀゚)') ソウダ!
こうなったらこのおばちゃん連れて露天風呂行こうか!
U「ねぇ、風呂行きませんか?露天風呂」×××やりに。
バ「いいですねぇ、露天風呂ですか」そこでヤリヤリだよ、分かってんの?
T「U田さん、露天風呂だって?いいねえ。俺達も行こうかな」大工の親父まだいたの?
U「来ます?T畑さん達も」2×2か、いいかもね。
U「じゃ行きますよ−、露天風呂」
というわけで、オレ達4人の男女は露天風呂へ向かったんだよ。そしたら。
入口に紙が貼ってあんだよ。なになに?「露天風呂も午後11時まで」・・・マジかよー?!

2007.09.12

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