認知症の高齢入居者同士で性交渉


にわかには信じられないかもしれないが、老人ホーム・介護施設では、まれにアルツハイマー病などの認知症を患っている高齢入居者の男女が性交渉を試みようとしたり、介護士が目を離したすきに、実際に個室で性交渉に及んでしまうことがあるという。
      
私が、かつて東京都内の某老人ホームで働いていた元介護士(男性)の方から実際に聞いた話を紹介しよう。ある秋の深夜、その介護士が安否確認のために施設の各部屋を巡回していると、3階の角部屋から「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」という怪しげな声が断続的に漏れ聞こえてきた。最初は空耳かと思ったが、耳を澄ますとベッドがきしむ音とともに、やはり「はぁ、はぁ、はぁ」といううめき声が聞こえてくる。
      
「いったいどうしたんだろう?Aさん(角部屋に入居している70代の男性)、喘息の発作が起きて苦しんでいるのかな?ブザーを鳴らしてくれれば、すぐに介護職員が駆けつけるのに」と思って、そっと部屋のドアを開けてのぞいてみた。すると、介護士の目に衝撃的な光景が飛び込んできた。彼は一瞬自分の目を疑ってしまったという。
      
それは、窓から差し込む月明りのもとで高齢の男女が後背位で性交渉に及んでいる場面だった。実は、認知症を患っている80代の女性入居者が、自分の部屋を抜け出して徘徊し、日頃仲良くしているAさんの部屋に忍び込んでいたのだ。Aさんも認知症を患っていた。発見時には、2人とも下半身が裸の状態であったという。
      
どうやらこの女性は、Aさんをすでに亡くなっている自分の夫と思いこんで、Aさんが寝ているベッドの中にもぐりこんでしまったらしい。寄り添って寝ているうちに、お互いに気分が高揚してきて性交渉に及んだとみられる。

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