真横のパチンコ台に移ってきた彼女「お兄さん、何人泣かせてきたの?」


タマにはパチンコでも…と、平日の朝早くから久し振りに開店前に並び、パチンコ屋へ。
その店はよく出る店なので、既に沢山の人がいました。
「不二子ちゃん」を打ちました。(この台、大好きだったんです。)
案の定、3000、6000、9000、と出玉より財布から消えるお金が無制限。
イライラしていると、2つ隣にスッピンでサバサバした女性が座りました。
パチンコ屋に来る女性客には大体、連れの男性がいるものです。
気にせず、パチンコに没頭していた俺に、「次、絶対くるよ!」と彼女が教えてくれました。
予言通り、確変で当りました。
「ありがと。」と言うと彼女は急に話だしました。
「お兄さん、何してる人?」答えに困り、「自由業です。」と答えました。
彼女は噛んでたガムを吐き出すくらい笑いました。
「ロクなモンじゃないねぇ~。」と言うと、俺の真横に台を移り、「ココ出ると思う?」と聞くので、「俺には、分らんよ。」とだけ答えました。
移って直ぐに彼女は”確変”大当たりで俺より出しました。
「昨日は8万も負けて嫌になったよ…。」と彼女がポツリと言うので、その瞬間、ま、まさか!と嫌な予感がしました。
連日、平日の昼間にパチンコができて、8万負けても、ケロっとしていられる女性て・・・。
ネオンが点灯される頃、彼女が「すんごい勝ったから、飲みに行こうよ!」と誘ってくれました。
「俺は酒飲めへん。メシやったらエエよ。」と返事しました。
「人は見かけに寄らないよねぇー。ゲコなの?」と俺を見て笑うので、「飲めない方が何かと楽だよ。」と言いました。
彼女は”ガン飲み”・”ガン食い”で、終始、口を動かしていました。
感心しながら見ていると、「あんま、見んなよ。」と照れていました。
酒が進むにつれて、彼女はゲラゲラと笑いだしました。
「お兄さん、何人泣かせてきたの?」遠回しではありますが、核心を突いた質問に少々、タジロギました。
「何の話?」と恍けて返事をすると彼女は「隠しても、プンプン臭ってるから!」と追い討ちをかけてきました。
「あっそ、・・・4人くらいかな。」と答えると彼女は疑いの眼差しで「4,5人で、そんなに人間、汚れないよ~。」とトドメを刺してくれました。
「私は、昔からアンタの様なロクデナシと付き合って来たから。臭うよ。」と彼女は6杯目のオカワリを注文しながら言いました。
「そうやね、人間、染みついたニオイは消せないな。」と苦笑いしました。
気分も萎えたところで、”そろそろお開き”という空気を必死に放出しましたが、彼女には通じず、「今日は飲むぞ!悪代官!」と既にノリノリでした。
しかし、いざ、店を出るとなると、足元がフラフラで一人で立つことも出来ず、仕方なく、彼女を担いで「姉さん。ウチどこや?近所?」と聞くと、駅前のビジネスホテルを指差し「あそこが私のウチだよ!」と言いました。
訳が分らず、ホテルの部屋まで彼女を担ぎ込みました。
部屋には結構、彼女の私物が置かれてあり、滞在期間の長さを物語っていました。
サイドテ-ブルの上には、眠剤、抗アレルギー剤・抗生物質剤がありました。
彼女はミネラルウォーターをがぶ飲みして、服を脱ぎ出しました。
左肩から左胸にかけて、虎の親子の刺青が綺麗に浮き出ていました。
彼女は「やっぱ、驚かないね。アンタ。」とこっちを見て笑っていました。
「抗生物質の乱用はガンジタになるよ。」と錠剤を手に取り言いました。
「分ってるよ。ありがとう。」と彼女は手招きしてベットに座るように言いました。
近づいて刺青を見てみると、刺し傷らしき痕が肩口にありました。
「前のダンナと別れる時に刺された。今は別荘に入ってるよ。」と過去を話し出しました。
彼女は18の時に、前夫と知合い直ぐに結婚して19で業界に入った。
イイお客さんがいて彼女を支えてくれたけど、2人の関係が前夫にバレて、相手の男性は彼女の目の前で刺し殺され、彼女も負傷したらしい。
「もう直ぐ、アイツが仮釈で戻ってくる。怖いよ・・・。」と
「アンタ。私が一生、面倒見てやるから、助けてよ!」と言うので首を振りました。
彼女は寂しそうに「冗談だよ。本気にするなよ。」と言うとベットに潜り込んで泣いていました。
知合いの電話番号をメモ書きで渡して、「最悪、困ったらココに電話して○○の紹介です。と事情を説明しろ。200はかかるけど…。」と伝えました。
彼女は起き上がり、「そんなの要らないよ!」と抱きついてきました。
「大丈夫。もう、君を襲いには、来ないよ。」と言うと「絶対、来るんだよ!!」と反論して、「頼むよ。頼むから。」と震えていました。
前夫の名前を聞き、調べてやるから。と彼女の前で知合いに電話して安心させ、
そのまま、彼女に添い寝して、寝かせました。
翌日のお昼過ぎ、知合いから報告の電話がありました。
驚く事に、前夫は既に1年も前に出所して、居所がわからない。と…。
???これ以上、関るのは危ない!と感じ急いで部屋を出ようとしました。
・・・ガサガサ、彼女が起きてしまいました。
「何処?行くの?」と聞かれ、「知合いに会ってくる。」とだけ答えました。
すると、彼女は豹変して「アンタも私を捨てるの!!」と怒鳴りました。
完全な二重人格者でした。
これはマズイと、「大丈夫。戻ってくるよ。」と宥めて、彼女を抱きしめました。
すると彼女は俺の服を脱がせて、「何処にも行かないで。」と求めてきました。
勢いに任せて彼女と関係し彼女が再び寝入った所で、部屋を出ました。
2週間後、事実が2つ判明しました。
一つ目は知合いから電話があり、殺されたのは彼女の前夫で、殺ったのは、彼女が前夫として名前を言った”イイお客”の方でした。
彼女の中でいつからか、話しが逆転してしまった様です。
当時、殺人教唆の疑いで共犯の女性が1人、犯行時に被害者を庇ったとして、不起訴処分になった。と言ってました。
多分、彼女の刺し傷は、自らが殺しを依頼した前夫を庇い、”イイお客”に刺された痕だと思いました。
2つ目の事実は”愚息”が異常に痒くなり、赤く腫れあがりました。
”ガンジタ”に感染してました。定期検診を待たずに先生の所へ行きました。
あれから7ヵ月、絶対に近づかない駅が東京で1つ増えました。

良かったら「いいね」してください。誰でも「いいね」出来ます!


同じジャンルの体験談

トップページに戻る