母の幸せ


私が3歳の時、父が逝去した。
そのため、母はまだ20代という若さで未亡人となり、その後は女手ひとつで私のことを育ててくれた。
朝早くから新聞配達に出かけ、昼は定食屋、夜はスナックと朝から晩まで働きづめの生活を送り、家計を支えてくれた。
私はそんな母が大好きで、いつも幸せになってほしいと願っていたが、まさかあんなことが起ころうとは思いもしなかった。
中2の時、学校から帰ると見知らぬお兄さんが居間で座っていた。
「やぁ、泰子ちゃん(私)だね。こんにちは!」
「はい、こんにちは……」
顔はそこそこ男前で、歳は20代半ばといったところ。
しかし、母(当時38歳)の友人にしては若すぎるし、てっきり仕事仲間だと思い込んでいたが、母の口から思いもがけぬ言葉が飛び出してきた。
「お母さんね、この人と結婚しようと思ってるの」
衝撃だった。まさか、母がこんなに若い人と再婚を考えてるとは思いもしなかった。
なんでも2人は、母が働くスナックで知り合い、その後もたびたび顔を合わせていくうちに親しくなり、結婚を誓い合うようになったとのこと。
それから間もなく母は再婚し、義父との3人暮らしがスタートした。
義父はとても優しい人で、私のことを可愛がってくれたが、ひとつだけ不満があった。
「あぁぁ……加寿子さん(母の名前)!! 加寿子さん!!」
「ちょっと泰子に聴こえちゃうじゃない!! もっと静かに〜〜っ!! あぁっ♡」
2人が毎晩のようにエッチするようになったのだ。
それこそ夜12時を過ぎたあたりから、「パンパン、パンパン」という音とともに、2人の喘ぎ声が私の部屋まで響いてきて、眠れない夜が続くようになった。
中3の時に妹が生まれ、これで2人の関係も落ち着くかと思いきや、そんなことはなかった。
母が40歳を過ぎてからも、義父は「夜の相手」を求めていたらしく、相変わらず2人の部屋から喘ぎ声が聴こえてきた。
現在、私も1歳年下の彼氏と交際しており、肉体関係も済ませているが、母と義父の愛には敵わないと思っている。

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