高速エクスタシー


着替えやお土産の入った重いバッグを手に、自動ドアをくぐった。
室内は暖房がきいていて、寒さにこわばっていた体がホッと緩む。

夜行バスのターミナル。
色々な方面にバスが出ていて、ひっきりなしに乗り場にバスが入ってきている。
年の瀬だからなのか、人もとても多かった。

飲み物を買って、待合室のイスに座る。
携帯を開いてみると、彼氏の蒼太からメールが届いていた。

『もうすぐバスの時間かな?会えるの楽しみにしてる』

私と蒼太は高校の時の同級生。
卒業して、蒼太は地元、私は遠方の大学に進学して遠距離になった。
今はこうしてたまにしか会えないけど、それでも仲良くやっている。

メールの返事を打っているうちに出発時間になった。

乗り場へ行くと、結構な列。
多分、ほとんどが私と同じ帰省客っぽい。

バスに乗り込み、チケットと席番号を交互に見ながら進んでいく。
どうやら一番後ろの席のようだった。
そして、二人掛けのその席には既に先客が居た。

ニット帽を目深に被った、同年代の男の人。
その人は私に気づくと、シートに沈めていた体を起こした。

「ここの窓際ですか?」
「あ、ハイ…」

うわぁ、隣、男の人なんだ。
ちょっと緊張するなぁ…。

でも、仕方ない。
空いていれば席の移動もできるけど、生憎今日はとても込んでいる。
とりあえず、荷物を棚に上げなくちゃ。

「ん、しょ…」

手に提げていた時も重かったけど、持ち上げるとますます重く感じるカバン。
背伸びしてそれを押し込もうと奮闘していると、横から手が伸びてきて、スッと楽になった。
ふと横を見ると、隣の席の男の人が立ち上がって、私の荷物を押してくれていた。

「すみません」
「いーえ」

頭を下げた私に、帽子の隙間から細めた目を覗かせたその人。
悪い人ではなさそう…?席に座ると、程なくしてバスが動き出した。
バスは夜通し走り続け、目的地に着くのは明日の朝。

本当はバスに乗ったらすぐに寝ようと思ってた。
でも、隣が男の人だと、やっぱりちょっと寝づらい。
この人が寝てしまってから寝よう。
そう思って、私は窓の外に目を向けた。

「あのー…」

走り出して少し経った頃だろうか。
突然、隣の男の人に話しかけられた。
左隣を見て、じっと見つめられていることに気づいてドキッとする。

「あの、人違いだったら失礼なんだけど…」

訝しげな視線を向けた私に、その人は少し言いにくそうに言葉を続けた。

「もしかして、結衣ちゃんじゃない?」
「えっ…」

びっくりした。
いきなり自分の名前を言い当てられてしまったから。
……何で私の名前知ってるの?

そんな私の心の中を読むかのように、その人は被っていたニット帽を勢い良く脱いだ。

「覚えてない?俺、彪流。高校の時、同じクラスだった」

名乗られて、私は思わず、「あっ」と声を出してしまった。

彪流くん。
当時はあまり喋ったことはなかったけど、確かに同じクラスだった。
髪型とかでだいぶイメージが違って見えるけど、そう言われてみれば面影がある。
「奇遇だねー」なんて言いながら、思い出話とご近所話に花が咲いた。
話題は途切れることはなくて、まるで昔からの親友のように、私たちは喋り続けた。

ドリンクホルダーからペットボトルを取って喉を潤す。
喋りすぎて、喉が渇いてしまった。
軽い気持ちで「飲む?」と彪流くんに勧めると、「うん」と普通に受け取られてしまって少しドキッとした。

間接キス。
たかが同じペットボトルに口を付けることくらい、全然どうってことない。
でも、誰とでも出来ることじゃない気もするから、妙にドキドキした。

「だけど、彪流くんがこんなに話しやすいなんて、知らなかったな」

動揺に気づかれないように、私は話を変えた。
そう思っていたのは本当。
こんな楽しい子だって高校の時に知っていたら、当時からいい友達になれてたかもしれないのに。

「俺は昔から結衣ちゃんに興味あったけどな」

ペットボトルの蓋をクルクルと閉めて、「ありがと」と私にそれを返しながら彪流くんが呟いた。
思いがけない言葉に、頬が熱くなる。

「俺は仲良くなりたいなーって思ってたけど、結衣ちゃん、蒼太にべったりだったじゃん?」

ラブラブすぎて俺の入る隙間なんてなかったってー。
そう言って、彪流くんは冗談めかして笑った。

そっか、同じクラスだったってことは、私と蒼太のことも知ってるんだ。

当時の私は、どこに行くのも何をするのも蒼太と一緒だった。
登下校も、昼休みも、移動教室も。
見せ付けていたつもりはないけど、誰もが知ってる公認カップルだったという自覚はある。

恥ずかしくなって下を向く。
「今さら照れなくてもいいじゃん」と、彪流くんが肩を軽くぶつけてきた。

「まだ、蒼太と付き合ってるの?」
「……うん」
「うっそ、マジで?めちゃくちゃ長くない?」

彪流くんが感嘆の声をあげた。
確かに、当時付き合ってたカップルは、高校卒業してから次々と壊れていっていた。
その時は本気だと思ってはいても、所詮は高校生の恋愛。大人になると色々あるものだ。
だから、私と蒼太のようにずっと続いているのは、結構珍しい方だと思う。

「もしかして、将来は結婚とかも考えてたり?」
「……あ、うん。このままいけば、多分」

具体的な約束はまだだけど、いつかそうなる気がする。
私の言葉に彪流くんは目を丸くして、しきりに「凄いなー」と繰り返していた。
そんな話をしながら、夜は更けていく。

喉の渇きと、不自然な体勢からくる体の痛み。
だんだん意識がはっきりしてきて、いつの間にか寝てしまっていたことに気づく。
しかも、隣の彪流くんに寄りかかるような格好になっていた。
慌てて体を離そうとしたら、ぐいっと引き戻された。
いつのまにか、私の背中から腰へ、彪流くんの腕が回されていた。

「……彪流くん?」
「寄りかかってていいよ」

車内灯が消えていて、車内は薄暗い。
周りの人も寝ているみたいだから、小声でのやり取り。
いいよ、って言われても……。

「喉、渇いちゃった」

ごまかすようにそう言って体を起こした。
それは嘘じゃないし、もうすっかりぬるくなってしまった液体を口に含む。
すると、彪流くんも体を起こして私の手からペットボトルを取った。

「俺にも飲ませて」

そう動いた彪流くんの唇が、ペットボトルではなく私の唇を捕らえたのに気づいたのは、それから数秒経ってからのことだった。

「ん、んッ…?」

訳がわからなくて、それでも反射的に離れようともがいた私の背中に右腕を回した彪流くん。
その腕にはしっかり力が込められていて、身動きが取れない。
そのうちに、口の中に彪流くんの舌が入ってきた。

「ん…んぅッ…」
「シー。変な声出したら周りに気づかれちゃうよ」

一旦唇を離して、彪流くんが耳元でそう囁いた。
そしてまた、唇を重ねられる。
事態を未だ把握できないまま、ただひとつ、はっきりと思えたこと。
他の人に気づかれるのだけは…避けたい。
抵抗をやめた私を見て小さく笑みを浮かべた彪流くんは、反対側の手で太腿を撫でてきた。
軽く触れた状態でさわさわと這い回るその指先が、私を変な気持ちにさせていく。
ストッキングの上を滑る指の動きがいやらしい。

「ねぇ…、高校の時から蒼太と付き合ってるってことはさ…もしかしてさ…、蒼太以外の男を知らないってこと…?」

耳たぶをぺロッと舐められて、飛び出しそうになった声を慌てて飲み込んだ。
口を掌で覆って、彪流くんを睨む。

「そうなんだ?」

愉しそうに口元を歪めた彪流くんに、私は何も言えなかった。

「初めての彼氏しか知らなくてさ、しかも遠距離じゃあ……欲求不満、結構溜まってるんじゃない?」

太腿の上に置かれていた彪流くんの手がまた動き出す。
短めのスカートをまくられて、そこに入ろうとする彪流くんの手を、私は太腿をぴっちりと閉じて拒んだ。

「いや…やめて」
「だめ?」
「当たり前…っ」

太腿の手が離れ、諦めてくれたのかと思った矢先。
今度は頬に手を添えられて、また唇を吸われた。
彪流くんは完全に体を私の方に向け、覆い被さるような姿勢になっていた。
シートに体を押し付けられ、舌を絡められながら、今度は胸に手が伸びる。
ゆっくりと撫で回され、次第に力を込めて揉みしだかれる。
そして、中央の敏感な部分を爪で引っかかれるようにされて、思わず反応してしまった。

「服の上からでも感じる?」

私の反応を見て、彪流くんが嬉しそうに囁いた。
一番反応が良かった部分を、なおもカリカリと引っかく。

「ッ、や……」
「嫌?」

私の言葉を確認しつつも、彪流くんはやめてはくれない。
そのうち、私の背中に手をやって、器用にも服の上からブラのホックを外した。
そして、間髪入れずに服の隙間に手を入れてくる。

「……っ」

ひんやりした手の感触が、熱を持った肌に伝わる。
直に胸を包まれて、私はまた掌で口元を覆う。

「ココ、すっげぇ硬くなってる…気持ちイイんだ?」
「違っ…」
「へぇ。じゃあもっとしちゃお…」

彪流くんはそう言うと、私に毛布を被せ、その中にもぐった。
そして私の服をまくりあげて、露わになったそこに口付けてきた。

「……ッ、やぁ、」

胸元に掛かる熱い息。
唇で乳房を食まれ、ねっとりと先端に舌を這わされる。
私は声を出さないように我慢するのがやっとで、身を震わせてただ、耐えていた。

「は…、は…ッ」

それでも漏れてしまう吐息。
目尻に涙が滲む。
声を出せない分、体の中に熱が溜まっていくようで、息苦しさで気が遠くなりそうだった。
余裕のない私の隙をつき、彪流くんが私の太腿に手をかけた。
あっ、と思った時にはもう遅かった。

「だめ…!」

小さく抵抗してみたものの、もうすでに彪流くんの手がその場所へ到達していた。
指で触れられ、そこがもう濡れてしまっていることに気づかされる。
恥ずかしくて、太腿を閉じるように力を入れたけど、彪流くんに強引にこじあけられてしまった。

「すごいね、ココ…」

ストッキングの中に、彪流くんの手が入り込んでくる。
そして、手はそのまま下着の中に侵入してきた。
茂みを撫でて、さらに下へ。
クチュッと指が窪みに沈んだ。

「あ…っ」
「すご…結衣ちゃんの中、熱い…」

ぐるん、と中を一周かき混ぜられた。
内壁に感じた刺激に、腰がひくひくと痙攣する。

「やっぱり、溜まってたんでしょ、結衣ちゃん」
「やぁ…違うっ…」
「恥ずかしがらなくていいよ。俺がヨクしてあげる…」

そう言って、彪流くんはゆっくりと私の中から指を抜き、手をクリトリスの方に移動させた。
愛液がべっとりと付着した指先が、茂みを割ってそこにたどり着く。
ヌルヌルの指で下から上へ撫で上げられて、私は思わず彪流くんの服をギュッと掴んでしまった。

「っは…、っ、ん」
「ん…、いいよ、俺に掴まってて」

ふるふると震える体。
唇を噛んで快感に耐える。
彪流くんの指は、規則的にそこを撫で続けていて、どんどん愛液が溢れてくる。
クリトリスが興奮しきって膨らんでいるのも自分でわかる。
円を描くように、時には指の腹で押すように。
弄られ続けて、おかしくなりそうで、うまく息ができない。

そのうち、彪流くんは指を増やして、さらに私を追い込んだ。
クリトリスを弄る指を親指に変えて、人差し指と中指で中をかき混ぜてきた。

「ふっ…、あっ…やっ…」

私はもう、完全に彪流くんに体重を預けてしまっていた。
彪流くんの胸に顔を埋めるような体勢で、腰を浮かせ、彪流くんからの愛撫を受けていた。
周りの人にバレるんじゃないかという恐怖。
たまたま同じバスに乗り合わせた同級生と、どうしてこんなことに。
色々なことが頭の中に浮かんでは消えて、最後には、何も考えられなくなった。

「ん…やっ、やぁ…ぁんっ」

体が勝手にピクピクと震え、アソコにも力が入る。
彪流くんは、締め付けで動きづらくなった指を、強引にピストンし始めた。
ぐちゅぐちゅ…という音がアソコから聞こえる。

だめ…もうイッちゃう…!

彪流くんにしがみ付いて、訪れる最大の快感に備え目をきつく閉じた瞬間。
バスのスピードが急に落ち、同時に彪流くんの手の動きが止まった。

え……?

バスはサービスエリアに入り、停車した。
どうやら休憩らしい。
運転手さんから休憩時間が告げられる。
何人かは席を立ち、また、眠ったままの人も居た。
私は呆然とシートに座ったままで居た。
声も出せない息苦しさから解放された安堵の裏で、未だジンジンと熱を持っている下半身。
中途半端でモヤモヤする。
そんな私を、彪流くんは外へと誘った。
手を差し出されて、戸惑いながらその手を取る。

「そのままだと気持ち悪いでしょ?」

彪流くんが私に耳打ちした。
バスの外に出てみると、キンと冷えた空気が、濡れた下着の冷たさを際立たせた。
私の手を引いてトイレに向かう彪流くんは、至って普通に戻っていて。

……もうしてくれないのかな。

私はそんなことを思ってしまっていた。

トイレの前まで来て、それまでなんとなく繋いだままでいた彪流くんの手を離した。
そして、「行ってくるね」と一度彪流くんを振り返って、女性用の方へと足を踏み出した。
その瞬間だった。

「きゃ…!」

いきなり、強い力で腕を引かれた。
突然のことに驚いて、悲鳴を上げそうになった私の口を、誰かの掌が塞いだ。
力に翻弄されながら聞こえたのは、ドアが閉められるガラガラという音と鍵が掛けられる音。
そして目の前に広がったのは、車椅子用トイレの室内だった。
後ろから私の口を塞いでいるのは、他の誰でもなく彪流くん。
もう片方の腕は私の腰あたりに回して、しっかりと拘束されていた。

「何するの…!」
「シー」

首だけ振り返って抗議しようとした私の頬にそのまま手を添えて、彪流くんに唇を奪われた。
口をこじ開けられ、舌を絡められる。
途端にさっきまでの余韻が蘇ってきて、ゾクッと快感が駆け抜けた。

「んッ、んん…ッ」

キスしながら、彪流くんの手は私の体をまさぐり始めた。
コートの前を開けて、服とブラを一気にまくり上げる。
露わになった胸に彪流くんの冷たい手が触れて、いつもよりも敏感に反応してしまう。
たちまち息が上がってきた。

「イケなくて不満だったんでしょ?さっき」
「…っ」
「良い子だね」

満足気に呟いた彪流くんが私に近づく。
スカートを捲り上げた状態で、下着が丸見えの私の下半身。
彪流くんの手が、ストッキングごしに太腿を撫でた。

「もうこれ、破っちゃってもいいよね?」

私が返事をする前に、彪流くんがストッキングの股の部分に爪を立てて引っかいた。
ビリリ…と布が裂ける音。
そして、カチャ、とベルトを外した音がしたかと思うと、彪流くんが勢いよく後ろから貫いてきた。

「あうっ…あっ…んぁっ!」

ぐちゅ、という水音と共に下半身に衝撃が走った。
あけられた穴から下着を横にずらされて、そこにモノを押し当てられ、一気に貫かれた。
ものすごい圧迫感に、一瞬息が出来なくなる。
奥まで挿入すると、彪流くんは大きく息を吐いた。

「は…、めちゃくちゃ締まる……。ホントに全然使ってないんだ?」

使ってない、とか。
下品なこと言わないで…。
恥ずかしくて下を向くと、後ろから伸びてきた手に顎を掴まれた。
そのままクイッと顎を上げられると、洗面台の前の鏡が目に入った。

「見ろよ?今、何されてんの、結衣ちゃん?」

そこには、胸を丸出しで。
スカートを捲くられ、彪流くんに後ろから覆い被さられている私が写っていた。
頬がカッと熱くなる。
目を逸らそうとしたけど、彪流くんの手の力がそれを許さなかった。

「ちゃんと見てろよ。彼氏以外の男にヤラれる自分の姿」

意地悪な笑いを含んだその言葉と同時に、私の中で彪流くんが暴れ始めた。
初めから、まるでクライマックスの如く、激しく突き上げてくる。

「あぁっ、あ、あぁぁんっ」
「こら、大きい声出しちゃダーメ」
「んッ、んん、ふうっ、んはぁっ」

思わず声をあげてしまった私の口の中に、彪流くんが指を突っ込んだ。
人差し指と中指で舌を挟まれ、声が出せなくなる。
でも、彪流くんの腰の動きは激しくなる一方で、私は必死で洗面台を掴み、辛うじて立っていた。

グチュッグチュッといやらしい音が、トイレの室内に響く。
切れかけの蛍光灯の白い光が、やけに脳裏に刻まれる。
私は自由のきかない舌で、無我夢中で口の中の彪流くんの指を舐めた。

「結衣ちゃんの舌、やらし…」

鏡の中で彪流くんが愉しそうに笑った。
そして、私の舌をさらに指で弄ぶ。

「ふっ…ぅ、んはぅ…」

口の端から唾が零れる。
エロ…、と彪流くんがまた含み笑いした。

「あー…、ホントいいわ、結衣ちゃんの中」

しみじみという感じで呟きながら、彪流くんがぐるん、と腰を回す。
粘膜が彪流くんのモノでかき回され、私も意識が飛びそうなくらい気持ち良かった。
溢れた愛液が、太腿を伝っていく。

「もっと堪能したいけど…」

そう言って腕時計に目をやった彪流くんが、私の腰を掴んだ。

「そろそろお時間ですねー…」

残念そうに呟いた彪流くんが、また激しく動き出す。
硬くて太い彪流くんのモノは、全く衰え知らずで私を攻め立てる。

「ん、は、やっ…ん、あ…っ」

ズンズンと最奥を攻めてくる彪流くんの先端。
良いところに当たるたびに、アソコが締まるのを感じる。
彪流くんの息も上がってきて、背中にハァハァと熱い吐息を感じた。

鏡を、もう一度見てみた。
自分とは思えないくらいにいやらしい表情。
後ろから彼氏じゃない男の人に挿れられて感じてる、はしたない表情…。

「ん…、もっ、と」

彪流くんに犯されてるような感覚がたまらなくなって、無意識にそんなことを口走っていた。
一瞬動きを止めた彪流くんが、確認を取るように私の耳に顔を寄せる。

「もっと?どうして欲しいの…?」
「っ…、もっ、と奥…」
「奥?ココ?」
「あんっ…!ソコ…っ、いっぱい、突いてッ…」
「おっけ」

グイッと奥まで腰を進めると、彪流くんはソコばかりを狙って突き動かしてきた。
快感が一気に上昇して、たちまち達してしまいそうになる。

「あ、ああっ…!あ…すごいっ…!」

一番奥をゴツゴツ叩かれるような感じ。
突かれる度に背筋がゾクゾクして、身体が震えた。
気を失わないように保つのがやっと…

「はっ、ん、あっ」
「結衣ちゃんの好きな奥突いてるよ。気持ち良い?」
「んっ…き、きもち、い…ッ」
「淫乱ちゃんだな~。こんなとこ蒼太が見たらどう思うかなぁ?」
「や…っ、ん、はぁぁっ」

罪悪感を煽るそんな言葉にすら感じてしまう。
むしろ、快感を何倍にも増幅させていく。
自分の中にこんな一面が潜んでいたなんて、知らなかった…。

「あ、あぁっ、ダメ、イッちゃう…」
「ん…結衣ちゃん、誰のでイクの…?」

鏡の中の彪流くんと、目が合った。
意地悪な微笑み。

「……っ、……彪流くん、の、で」

私にそう言わせると、満足そうに口角を上げた彪流くんが、最後のスパートをかけた。
私の腰に手を回して、もう片方の手で胸をめちゃくちゃに揉んで。
私は与えられる衝撃に、ただ悲鳴みたいな喘ぎを出すしかできなかった。

「あっ、やぁ、イクっ…、あぁっ、イッちゃうっ…ああぁぁっんっ!」

多分、バスの中で焦らされた分の快感も、一緒にきたのだと思う。
今まで経験したことのないほどに、私は思い切りイッた。

そして、お尻から太腿へ、破かれたストッキングの上を熱い液体が流れていくのを感じて、彪流くんも達したことを知った。

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