冨重圭以子の『タブーを破る母子』


人名用漢字の新字旧字のネタを拾うべく、1980年代の新聞記事をあさっていたら、別のネタを拾い上げてしまった。冨重圭以子の『タブーを破る母子』(毎日新聞, 第38735号 (1984年2月13日), p.13)という記事で、冨重記者が「心とからだの相談センター」(主宰・荒川和敬)で臨時カウンセラーをやった際の体験レポートが中心だ。たまたまとは言え、妙なネタを拾い上げてしまった気がするので、とりあえず一部を引用して、記録に残しておくことにする。
   
一昨年、同センターにかかった男性からの電話のうち約一割、三百件が近親相姦(ペッティングも含む)である。相手は▽母三八%▽姉三六%▽妹一〇%▽母とペッティング八%▽義母四%▽その他四%。
荒川さんの手元には、母子相姦の相談ケース十件を録音したテープがある。うち半数は、マスターベーションを手伝ってもらっている段階。
息子は十四歳から十九歳、母親は三十五歳から四十歳。このテープを聞くと、パターンが似ているのに気付く。
まず、きっかけ。マスターベーションを母親に見られ「手伝ってあげる」と言われた、あるいは入浴中に母親が入ってきて……というケースが多く、母親の方が積極的だ。「高二のとき、ガールフレンドとセックスしているのを見つかってしかられ、代わりにおかあさんが」「高校入学のお祝いに」などというのは、母親が自分の性欲のはけ口として子供を利用しているとしか思えない。
「母親が妊娠、どっちの子かわからないけど産むと言っている」というケースまである。]]
  
1984年のこの時点では、『密室の母と子』(潮出版社, 1980年5月)が刊行されて既に4年が過ぎており、この手のネタは、もう社会的にはありきたりだったかもしれない。だが、いくら記者が女性だとしても、正直このレポートは、新聞本紙としては、やり過ぎだという気がする。
そもそも、そのテープの内容が真実なら、公表しちゃまずいだろう。そのあたり、毎日新聞はどう考えていた、あるいは現在どう考えているのだろう?
   
   
https://www8.atwiki.jp/mainichi-matome/pages/1024.html
  

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