シャッター商店街


地方の商店街は、どこもこんなものでしょう。

全長40メートルほどの、低いアーケードにおおわれた我が商店街に、営業してる店はほとんどありません。

昼間でも薄暗く、自転車が走り抜けていくばかりです。

僕が親から頼まれて番をしている、文具と煙草と少しの雑誌を並べてる店は、なんとか客が時々来ます。

ところがこのごろ、見慣れない制服を着た女子学生たちが、よく店の前を通るのです。

彼女たちはどこかに入っていくのです。

ある時、商店街の酒屋の主人と その事を話したら、主人はニヤリと笑って言いました。
「まあ、ちょっと来てみて下さいよ。どうせ今の時間、客は来ませんよ。」

主人は僕を、数軒離れたかつての洋服店に連れていきました。
シャッターのかたわらにあるドアを、鍵で開けると僕を中に入れました。

パチッ

主人が灯りをつけました。僕は驚きました。
そこは壁に大きな黒板が掛けられ、教壇が置かれ、机と椅子が並んだ教室になっていたのです。

「学習塾になったんですか?」
僕が聞くと主人は首を振りました。
「スタジオにしてるんですよ。」

主人はそう言うと、スマホを取り出して操作し、僕に画像を見せました。

それには二つの机の間にまたがり、しゃがんだ姿勢をとった女子学生が写っていました。
女子学生はパンティーをはいてなくて、股間のワレメがまる見えでした。

よく見ると、教壇のかたちや机のようすなどが この教室と同じなのです。
主人は言いました。
「シャッター閉めてるだけじゃ芸がないですからね。あちこちの店のシャッターの奥を改造して、撮影用に勉強部屋みたいにしたり、ラブホみたいにしたりしたんですよ。」

僕は、思いだしました。
「すると、あの時々見かける女子学生たちは……」
主人は笑って答えました。
「モデルですよ。もちろん現役の素人ですがね、ヌードも平気ですよ。でも 彼女たちはよくても、本物の教室などじゃ撮影は出来ませんからね。」

「撮影してるのは誰なんですか?」
僕が聞くと、主人は
「それは、まあ……色々な人ですな。まあ、うちの商店会としては、芸術活動のために場所を提供してる、って建て前ですよ。」

すっかり寂れた商店街。
でも、シャッターの奥に、秘密の営業が繰り広げられていたのです。

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