真夏の夜の夢[23](最終回)


 いった……、本当にいった……。マサルのそれの先からはまだドロドロと液体が流れ、体は
すべての関節から力が抜けたようにだらんとなった。マサルの精子は皮が防いだのか飛び散る
こともなく、ただ静かに溢れ出てきたのである。私もミサキもそれからしばらく動けないでい
た。摘まんでいる棒の弾力が次第になくなっていくのを感じる。白い液体が私の指の上にも流
れ、少し温かい。気が付けば、それは小指の第一関節程度の大きさに戻っていた。
 「いった……」、しばらくして私はそう呟いた。その頃にはマサルの小さな寝息が聞こえ始
めていた。ミサキは「うん……」とだけ答え、また沈黙が部屋を包む。ミーン、ミーン。部屋
にはマサルの寝息と外のセミの鳴き声だけがこだましていた。

それからの片づけはあっという間だった。私がティッシュでマサルの汁を拭き取り、またミサ
キが足を上げてパンツを履かせる。布団を被せ部屋を後にするのに五分もかからなかった気が
する。私たちは一旦ミサキの部屋に入るとそのままベッドに腰を下ろし、しばらくそうしてい
た。私の右手にはデジタルカメラが握られている……。
「いったね」、そう切り出したのはミサキだった。
「いったね」、私もそう繰り返した。それからまたしばしの沈黙が続く。

「ねえ、お姉ちゃんはアソコが濡れたりしたことある?」、ミサキはどこを見るでもなく言った。
「え、うん、まあ……」
「私、パンツの中ベトベトなの」、そう言うミサキの顔を覗くと、耳までもが淡いピンク色に染
まっていた。私は何も言わずに宙を見つめていた。視界に入った時計は朝の四時を過ぎようとし
ている。

(終)

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