ユリ


なおぼんが「ユリ」という仮名でお仕事してたときのオハナシ。

「ナマでしたいんでしょ?」
上目遣いでユリが言う。
「そりゃ、なるべくなら・・・」
俺は乾いた唇で、声にならない声でわずかにそう答えた。
「アタシもね、なるべくならゴムはつけたくないの」
ベッドの上を滑るようにユリが俺の腰元あたりから伸び上がり、右側の空間を占有した。
真横に彼女の瓜実顔(うりざねがお)があった。甘い吐息はカンパリの香りを帯びている。

一重瞼(まぶた)の細い目はある種の冷たさを感じさせたけれども、その奥に柔和な光を湛(たた)えていることも、俺は見逃さなかった。

四十に手が届こうかという女が、これまで経験してきた苦渋を一反の生地に織り成しているようでもある。

「どうしたの?急に黙っちゃって」
一瞬、不安そうな表情で俺に聞く。
「えっと、きれいな目だなって・・・」
「やだ、やめてよ気持ち悪い」

俺は、そんなユリが愛おしく思えてならなかった。
腕を彼女の頭に回して、向こう側の頬をゆっくり撫でながら「何で」と問う。
「だって、そんな歳じゃないから。アタシ」
「歳なんて関係ないさ」
俺は半身を起こし、ユリのふっくりした唇を吸った。
「あ・・・む・・」
ひとしきり、お互いの口を貪り合い、いいかげん息が苦しくなって口を離した時、
「ねえ、宇多さんともしたんでしょ?どうだった?彼女」
唐突な質問に面食らってしまった。宇多佳代子との事を知っているのか。
「え?宇多さん?」
「とぼけちゃって。裕二君、先週の金曜日に宇多さんとここに入ったでしょ?」
「ここ」とは、このラブホテルのことだ。
しっかり見られていたらしい。俺は観念した。
「カヨさんが飲み直さないかって、言って来たんでつい・・・」
「カヨさんって呼んでんだ。社内ではウダさんって言ってるくせに」
明らかに俺をいじろうとしている雰囲気だった。
「イク時も「カヨ」って叫ぶんでしょ」
「わかんねぇよ」
と、そっぽを向こうとしたら、力を込めて半起ちのペニスを握られたからたまらない。
「痛い!」
そして、ユリは乱暴に俺の口を奪い、激しく舌でこね回してきた。
その目は切るように冷たかった。
「宇多さんなんか経産婦よ。子供が二人もいるんだから。あそこがガバガバなんじゃないの?あんたのチンポなんかスポスポ抜けちゃうでしょ?」
「そ、そんなことなかったよ」
実際、佳代子のあそこはよく締まり、俺はひとたまりもなく、いかされてしまったのだから。

ユリのペニスをしごく動きが早くなり、痛痒くなってきた。なんでそこまでカヨを口汚く罵るのだろう。
しかし、そうすることで、ユリが淫乱に変化してゆくので、一種のセレモニーみたいなものなのかもしれないとも思った。
ユリの手淫は激しく、握力に抗うように俺の分身は圧力をいや増し、鋼(はがね)のようによみがえった。
「硬いわ。裕ちゃんの。もう、いいよね」
独り言のようにそうつぶやいて、ユリは俺を跨ぎ騎乗位で我慢できない風に素早く「鋼」を胎内に納めた。
「あっつーい。ユウ・・・」
結合部分をよく見ようと、俺は首を起こしたが、すでに根元まで呑み込まれて、何も見えなかった。
ユリは俺の方に倒れ込んで、その柔らかな双乳を押し付けてきた。
「ね、このまましばらく、いいでしょ?」

ユリの体は、汗でじっとりと湿り、甘い乳製品のような香りを発散していた。尖った乳首が俺の乳首にこすられ、ますます硬くしこってきている。
そして、そのたびに、ユリの肉筒が俺を締める。
「あはん。いい。裕二の、いい」
ゆっくりと円を描くようにユリの尻が回り出す。それに連れて、俺の「軸」が捻られる。
射精が近づいていた。
「うう、ユリ、俺もう」
「まだよ。まだ・・・」
小さな声が耳元でする。覆いかぶさるユリの髪のシェードの空間で彼女が囁やく。
「ユウちゃんのおちんちんが、いっぱいにはまってる・・・」
「ユリ、ユリ」
俺はただ彼女の名を呼ぶだけだった。
「宇多さんよりいいでしょ?ねぇ、どうなのっ?」
「いいよ、ぜんぜんユリのほうがいいよ」
「でしょ?キツイでしょ?あたし・・・。ああん」
ユリの腰使いが激しくなり、ベッドが軋む。ユリが俺の上でバウンドしている。
腰が落ちるときに俺は反対に突き上げると、白目を剥いたユリが恐ろしい形相で狂っていた。
「おお、あう、いい、ああ」
ユリが吼えていた。
「逝くよ、いくっ」
俺はユリの奥深いところではじけた。
「あつ~い、ああああ・・」
俺の肩を血がにじむくらいににわし掴みにして、腰を押し付けて震えているユリ。
こんな激しい交接は生まれて初めて経験した俺だった。
余韻を楽しんだユリは腰を離し、俺を吐き出して足早にバスルームに消えた。
シーツに粘液を夥しく、染み込ませて・・・

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