世界で一番愛しい人 (1)

その日は人生最高の日だったと、俺、秋修二は断言できる。
 俺の今までの人生はスポーツ一直線だった。小学校の時にサッカーを始め、ずっと続けてきた。高校二年で唯一レギュラーを勝ち取った時も天に上るほど嬉しかったが、今の歓喜はそれに勝るとも劣らない。

 ずっと独り身だった俺に、やっと彼女ができたのだ。彼女の名前は萩野真雪。
 年齢は俺の三つ下。容姿端麗、頭脳明晰で裏表のないおっとりとした性格の、まるで絵に描いたような美少女だと言える。
 ほっそりとした顔立ちに、肩の辺りでウェーブのかかった髪。少し垂れ目気味な所が、おっとりとした印象を相手に与える。年齢に対し少し背が小さいが、それは真雪の欠点にはならないだろう。
 学力も県内トップクラスの有名私立中学を特待生で入学し、トップクラスの学力を維持している。運動能力も低くない。サッカー特待でなければ三流高校も怪しい俺とは出来が違うのだ。
 先輩にはロリコンだなんだと冷やかされるが、それは嫉妬の裏返しだと理解しているから甘んじて受けている。俺だって、真雪のような彼女を持つ奴がいたら絶対に嫉妬する。
 そんなおおよそ考えうる限りの完璧を備えた彼女に、俺が恋を自覚したのは、実はそう昔ではない。
 萩野真雪は、俺の幼馴染なのだ。初めて会ったのは小学一年の頃で、この頃から兄妹同然、とまではいかないが仲良くしてきたのだ。いきなり女として見ろと言う方が無理がある。
 それでも、時間が経てば事情は変わる。真雪は中学生になっても、子供のようなコミュニケーションを求めてきた。女に耐性のない小僧では、そりゃ心臓も跳ねる。
 結局、どうすることもできずに俺は小僧らしく真雪を拒絶するしかなかった。そうして三日と離れた事のない俺たちは、二週間も顔を合わせなかった。
 それが変わったのは、ある日街中で真雪が男と歩いていたのを見たからだ。それを見た瞬間、頭に血が上り心臓が嫌な鼓動を始めた。
 男はスーツ姿だったが、着崩しで長髪の、いわゆるキャッチだったのだろう。嫌いなタイプの人間だ。
 そういった方面に知識がまったくない真雪は、見事に騙されていた。会話の内容までは聞き取れなかったが、男に言われるままについていった。
 俺は物陰から飛び出し、急いで逃げた。後ろから何かが聞こえるが、そんなものは無視だ。全力で走り抜ける。
 それですぐに仲直りとはいかなかった。真雪を否定した俺は、彼女に不信感を与えていた。俺は全力で真雪に謝った。
 それでも一度開いた距離は縮まらない。少しずつ、少しずつ距離を元に戻し、少しずつ距離は無くなっていった。
 特別、何かがあったわけではない。俺は気づいたら真雪を女として好きになっていた。いや、もしかしたら好きだったのを自覚しただけかもしれない。
 真雪が騙されたちょっとした事件から数ヶ月、俺は真雪に告白することを決意する。真雪も俺の事が好きなのだと自惚れながら。
 正直、そう自惚れでもしなければ告白なんて決意できなかっただろう。ただでさえ男女の経験なんて無いのだ。クラスの女子と軽口を叩くのが精々だったのだから。
 真雪は俺の告白を受け、顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうにうつむいた。
 当時の事は今でも鮮明に思い出せる。回答を待った数秒は、俺は世界で一番格好悪い男だった。期待も自惚れもどこか遠くへと逃げていき、真っ青になりながらガタガタ震えていただろう。レギュラー発表の時もこんなに緊張しなかったのに。
 真雪が小さく頷いた瞬間、座り込んだのも覚えている。俺が世界で一番格好いい男になった瞬間だった。
 強豪チームに勝った時のように声を上げて、彼女を抱きしめる。俺の彼女は腕の中であわあわと慌てていたが、それも気にする余裕はなかった。
 こうして、俺の妹みたいな娘は、俺の彼女になったのだ。


 /////


 俺と真雪の彼氏彼女の付き合いが始まってから、もう三ヶ月になる。正直、自分で言うのもなんだがまるっきり子供のような付き合いだ。
 変わった事と言えば、一緒にいる時間が長くなったのとお互いの意識だけだ。一応傍目には恋人に見えるが、俺的にはあまり変わったとは言いがたい。
 先輩たちもヤる事ヤっていると思って、執拗に尋ねてくるが言えるわけが無い。何もやっていないのだから。
 今のままで不満がある訳じゃないが、その上を求める気持ちは当然あるのだ。それに、そろそろ限界も近い。
 真雪は相変わらず無防備だった。いくら小柄だとはいえ、体を密着されれば当然胸が当たる。ふくよかとは言いがたいが、それでも小僧相手には破壊力抜群だ。ましてや相手は超がつく美少女なのだ。何度真雪の学校が女子中なのを感謝した事か。
 今も、サッカーで帰りの遅い俺を迎えに来て、手を繋ぎながら歩いている。季節的に日が高いと言っても、練習が終わる頃はほとんど夜だ。中学生が一人で出歩いて安全とは言いがたいが、これだけは聞き入れてもらえない。俺も嬉しいことは確かなので、あまり強く言えないのも悪いのだが。
 他愛ない会話を続けながら、俺は真雪を見下ろした。背の高い俺は、こうしないと真雪の頭も見えない。
 真雪には気づかれていないだろう事を期待しながら、視線を動かした。今は夏で、真雪は私服である。服の生地が薄いのは当然だが、露出もまた多い。普通に見ていれば問題ないが、密着して見下ろせばしっかりと胸元が見えるのだ。
 邪な気持ちが抑えられず、思わず凝視してしまう。他の何もかもが頭から抜け出るほど、そこは綺麗で魅力的だった。
「ねえ、どうしたの?」
 真雪の声で、我に返る。やってはいけない事が見つかったかのように、びくりと体が跳ねた。
「何か悩み事? わたしじゃ相談に乗れない?」
「あ、いや、そういう訳じゃないんだよ」
 不安そうに見上げられる瞳を見ながら、あわてて否定した。まさか劣情を抱いてましたとは言えない。
 どういったものかと口ごもってしまう。真雪はなおも不安そうに俺を見上げている。
 その時、そういえばと思い出した。今家には誰もいないはずだ。明日は午後からの練習で、午前中が開く。この上ないチャンスだ。
 心臓をばくばく言わせながら、俺は真雪に言った。
「あの……さ、今日、家に泊まりに来ないか?」
 今の様子はさぞや挙動不審だっただろう。目があらぬ方向を向いているし、手汗も自覚できる。
「うん……、行く、よ」
 俺の恋人は、顔を赤くしながら答えた。心の中で思い切りガッツポーズを取る。
「いや、あ、あー、言っといてなんだけどさ、両親とか大丈夫か?」
「うん、それは大丈夫。家はお父さんもお母さんも帰ってくるのわたしが寝てからだし、帰ってこない事も多いから」
「そうか、うん、よかった。うん、よかった」
 緊張と恥ずかしさから、不自然に口数が多くなった。一緒に寝泊りなんて、小学校以来なのを思い出す。
 それから、真雪と分かれる場所に来るまで俺は緊張しっぱなしだった。それに比べ、真雪はいつもと変わらないように見える。女のほうが強いと誰かが言っていたが、まったくその通りだ。
 俺は別れる寸前で、部屋の惨状を思い出す。汚い、とは思わないが、やっぱり男の部屋で綺麗とは言いがたい。俺の家と真雪の家は歩いて十分程度しか離れていない。来ようと思えば直ぐだろう。
「真雪、スマンけどちょっと部屋掃除するから時間空けてくれないか?」
「うん、分かった。一時間くらいでいいかな?」
「ああ。悪いな」
 真雪と別れて、俺は急いで家に帰った。いつもは家まで送っていくのだが、今日は部屋の掃除を優先しなければならない。
 慌しく家に入ると、リビングに光が灯っているのが見えた。両親は今旅行中で家にいるはずが無い。ならば、家にいるのは一人しかいない。
 普段居ないくせにこんな時だけ家に居る。今までいい気分だったのが嘘のように不機嫌になった。
 リビングには、やはり兄貴が居た。一瞥し、舌打ちを置き土産に階段を上る。背後から舌打ちが聞こえたが無視した。
 俺は兄貴、秋和也と仲が悪い。仲良くしていた事など思い出せず、つまりそれほど昔から険悪だった。
 理由が何だったかなんて思い出せないし、どうでもいい。ただ俺は兄貴が嫌いなのだ。俺のいい加減な人間嫌いも兄貴が理由だ。そういう奴を見てると、兄貴を思い出す。
 人を食ったような態度でだらしない。毎日遊び歩き、ほとんど家に帰ってこない。なにより、背だけは俺より高いのが気に入らない。
 それで頭だけはそこそこ良いらしく、世の中ふざけたものだと吐き捨てた事がある。もっとも、そうでもなけりゃ家の親もとっくに叩き出してただろう。
 正直、兄貴が原因で同じような人間まで嫌うのは自分でもどうかと思うが、こればかりはやめられない。完全に坊主憎けりゃ袈裟まで憎いだ。
 とは言え、互いに殴り合いの喧嘩をしようと言う訳じゃない。俺も兄貴も、もういい年だ。気に入らなけりゃ無視してればいい。
 俺はそれだけで兄貴から意識を外し、部屋を片付けに向かった。
 とりあえず人を入れても問題ない程度に部屋を片付けて、消臭までしておいた。自分じゃ分からない汗臭さなんてあったら最悪だ。
 作業途中に、俺は机の引き出しを限界まで開いた。奥のほうには、真雪と付き合ったばかりの頃に買ったコンドームがある。いつか、と期待をして買っといたものだ。
 ぎりぎりまで準備をしていると、その内チャイムが鳴った。急いで玄関まで迎えに行く。
 途中、リビングを覗いたが、明かりは消えていた。部屋に戻ったのか、それとも出かけたのか。どちらにしろ、目に見える場所に居ないのならばどちらでもいい。
「いらっしゃい、真雪」
「うん、えぇと、おじゃまします」
 真雪は珍しそうに家の中を見回しながら上がった。そう言えば、真雪を家に呼んだことはほとんどない。兄貴と合わせるのが嫌だったためだ。
「とりあえず、俺の部屋に来なよ。ほら、荷物」
「ありがとう修ちゃん」
 表面上は平常を装っているつもりだが、内心は心臓が止まりそうだった。今日キメる、そう覚悟を決めてはいるが、真雪がいる状況でどうすればいいか俺にも分からない。
 自分でも何を考えているのか分からない状況で、部屋に着いた。会話が思いつかない。いつもは滑るように話題が出てくるのに。
「と、とりあえず風呂に入って来いよ。それとももう入ったか?」
「ううん、まだ。じゃあいただくね」
「場所は分かるか?」
「分かるよぉ。一応初めてじゃないしね」
 ごそごそとバッグの中を探し、パジャマを取り出していた。同時に、俺に見える位置で下着までも取り出した。
 思わず噴出しそうになるのをなんとか堪える。真雪は俺の様子に気づかずに、とっとと部屋を出て行った。
「……そうか、ああいうのなのか」
 一人つぶやく俺は、正直すごく気持ち悪いだろうが、それを忘れるほど今の衝撃は大きかった。恋人の前とは言え普通下着を目の前で取り出すものなのだろうか。
 普通だったらああいうのは誘ってると判断していいのだろうが、天然でやっている可能性を否定できないのが萩野真雪の怖いところである。本当に女子中でよかった。
 それよりも印象に残ったのが、真雪の下着だ。薄いピンク色の、かわいらしいものだった。あれが真雪の大事な部分に触れているのだ。
 やめなければいけない、分かってはいるけどどうしても妄想がとめられない。いくら自制しようとしても、女に耐性のない自分を確認するくらいの効果しかない。
「ねぇ、修ちゃん?」
「おわぁ!」
 いきなりの真雪の声に、思わず大声を上げてしまった。真雪は驚きながら俺を見ている。
「だ、大丈夫?」
「なんでもない! いや、なんでもないんだ! アハハ!」
 必死になんとか誤魔化そうとする。そんな訳ないのだが、下着で悶々としていた事を悟られないようにと焦っていた。
「俺も風呂に入ってくるから、適当にくつろいでて!」
 答えも聞かずに、俺は即効で部屋を出て行く。下着と寝巻きを持っていく程度の平常心があった事に感謝した。
 風呂に入り、すぐに冷水を頭からかぶる。これで幾らか冷静さを取り戻す。
 部屋で真雪が待っている。その焦りと期待が、俺をとっとと風呂から上がらせた。
 着替えて直ぐに、台所に向かう。まさかいきなりやりましょう、なんていう訳にはいかないだろう。とりあえず軽く食べ物と飲み物くらいは用意しよう。
「あれ?」
 お菓子を用意し、冷蔵をあけて思わず声に出た。冷蔵庫の中には、開いたペットボトルが一本しかなかったのだ。もっとあったと思うのだが、無いものは仕方がない。幸い中身はほとんど減っていない。二人で飲むには十分だ。
「戻ったよ」
「うん、おかえり」
 テーブルの上に持ってきたものを広げ、真雪としゃべる。けど、俺は緊張しているからいまいち話題が盛り上がらない。真雪も感じ取っているのだろう、ギクシャクとしてしまう。
 無意味に時間が過ぎているうちに、なぜか体が熱を持ってきた。体が熱くなり、心臓の音が聞こえる。試合の後でもこんなになったことは無いというほど、体に熱を持っていた。
 それは、目の前の真雪も同じだった。顔は高潮し、目がとろんとしている。その姿に強く色気を感じ、俺のチンポはいままで無いほど強く勃起していた。
「その、熱いね」
「あ……ああ。エアコン付けるか」
「うん」
 空調を最低温度でガンガンに効かせているのに、何故か全く効果が無い。むしろ火照りは進行していた。
 会話がなくなって、もうどれほど経つだろう。チンポは既に射精寸前で、今にでも真雪に襲い掛かりそうだ。それだけは、やっちゃいけない。
「真雪!」
「ひゃ!」
 俺は真雪を抱きしめた。腕の中で小さな悲鳴が聞こえる。真雪の体は予想以上に小さく、力を入れたら折れてしまいそうだった。
 自分がよく分からなくなる。どちらかと言えば腰が引けるタイプだし、こんなに積極的に動けるなんて思いもしなかった。
「なあ、真雪。俺はお前を抱きたい」
「修ちゃん……」
 真雪が俺にもたれかかり、小さくささやいた。そのしぐさに思わずぞくりとする。
「修ちゃんのしたい事、わたしは拒否しないよ。だから、そんな事言う必要ないよ」
 その言葉で、俺の理性は完全に切れた。電気を消して、真雪をベッドに押し倒す。そして悲鳴も上げさせずに、そのままキスをした。
 いつものような触れるだけのキスではない。口の中に下を入れた、ディープキスだ。
「ん、んわぁ、ふぅ」
 ぐもった声とぴちゃぴちゃという音を聞きながら、俺は服を脱ぎ始めた。口を離して、すぐに上着を放り捨てる。
 パジャマの前ボタンをもどかしく思いながら外すと、真雪のブラジャーに包まれた小さな胸が見えた。無理やり上にずらせば、そこには月明かりに照らされる乳房が現れる。
 自制の効かない俺は乱暴に胸を揉みしだいた。同時に下も脱がしていく。
 現れた真雪の股間は、とても綺麗だった。暗がりが原因かもしれないが、毛はほとんど見えないし、ぴったりと閉じていた。
 前に先輩と一緒に見た無修正ビデオとはまるで違う、とても綺麗なマンコだった。
 濡らすんだったか。よく分からない。手で触れてみたが、濡れているのかいないのか、ぜんぜん分からない。興奮しすぎだ、落ち着け。
 ぴたりとしたそこに、チンポを付ける。それだけで俺は射精してしまった。びちゃびちゃと精液がマンコにふりかかった。
「ひゃぁっ!」
 真雪が声を上げる。真っ赤になった顔が、こちらを見ていた。
「な、なに、今の」
「なんでもない! 大丈夫だから!」
 まさかあれだけで射精しましたとは言えない。俺がすごい早漏になってしまう。それに、生でするわけにもいかない。
 急いで引き出しを開けて、コンドームを取り出す。一回射精したにもかかわらず、チンポはギンギンに勃ったままだった。
 てこずりながらも装着し、マンコに密着させる。真雪に覆いかぶさりながら、耳元でささやいた。
「なあ、いくぞ」
「う、うん」
 俺はゆっくりとペニスを押し込んだ。多少抵抗があるものの、いれられない程じゃない。濡れてるのか、かかった精液か、どちらかよく分からないが滑りながら入ってはいる。
 入れて直ぐに抵抗の強い場所に差し掛かった。これが処女膜だろうか。俺は力を入れて、一気に奥まで差し込んだ。
「う、うわああぁぁっ、っづううぅぅ!」
 真雪の悲鳴が聞こえる。どれほど痛かったのだろう、涙目になりながら、口元を押さえて耐えている。それを見ながら、また射精した。
 射精が収まる頃には、真雪の悲鳴も止まっていた。でも、体は痙攣していたしぐもった声は聞こえる。
 それを見ても俺は興奮を抑えられず、ゆっくりと腰を前後させる。それですら激しく動かしたい衝動を抑えて、やっとの行為だった。
「うあ、いっ、づぅぅ! くっ、ふうぅ!」
 真雪が苦しげに体を揺する。こんな独りよがりの行為じゃだめだと分かっているのに、ぜんぜん腰が収まらない。むしろ、もっと乱暴に叩きつけたくなる。
 少しずつ、滑らかに動くようになる。今でも抵抗が強いが、最初の中で引っ張られる感覚がなくなり、出し入れをしやすくなった。
 これでもっと早く動かせる。そんな考えだけが体を支配し、腰を動かそうとする。
「すまん、真雪。俺、もうだめだ。もっと、早く……」
「えあっ!? ちょっ、と、まっ」
 腰を乱暴に叩きつけると、真雪の悲鳴があがった。奥の奥を小突いて、肉を持ち上げる感触がある。
 真雪は悲鳴を我慢しながら、俺の腕の中で人形のようにガタガタと動かされていた。涙を流していたが、それすら考える事ができないほど、俺は興奮していた。
 後は、もう俺に記憶が無い。ただ、明け方まで真雪とセックスしていたのだけは分かる。
 朝日に照らされた真雪は、涙と汗と精液と、そして血で濡れていた。その姿に達成感など覚えるはずも無く、罪悪感が俺を支配していた。


 /////


 俺、秋和也には一人弟がいる。秋修二という名の、思い出すだけでも腹の立つクソ生意気なガキだ。
 別に弟なんだから俺の言うことを聞け、なんて言うつもりはない。しかし、頭の固いクソバカの舐めた視線まで許してやるつもりはない。
 どうやらあいつは俺がいい加減なのが気に入らないみたいだが、バカなあいつはそこそこ上手くやってりゃそんなもんどうにでもなる事を理解していない。
 サッカーに熱を上げているからか、死ぬ気で努力する事こそ一番だと思ってる節がある。勘違いも甚だしい。
 自分で言うのも何だが、俺は見える部分ではやる事はやっている。勉強は上の下くらいは維持しているし、先生とくっちゃべって顔も覚えてもらっている。こうすりゃ大抵何とかなる。
 あとはばれないように遊べばいい。それでの友好もバカにできず、適度に協調していくタイプの俺は顔が広い。相当危険な所じゃなければ、どの業界にだって自分をねじ込む事ができるくらいには。
 早い話が、俺は義務をそこそこ、あとは遊んでますよって。
 世の中常に真剣に全力でやらなければならない訳じゃない。物事には最低のラインが引かれていて、それを割らなきゃいいだけだ。
 そこそこ上手く、あとは遊べがモットーの俺と修二では、そりゃ意見が合わないだろう。毎日顔を突き合わせてればお互い嫌いにもなる。
 さて、所で俺はいつかあのクソガキをへこませてやろうと思っている。年下のガキに舐められっぱなしではいそうですと済ませられるほど、俺は大人じゃない。
 一度喧嘩でへこませてやろうかと思ったこともあったが、それでは意味がない。別に負けると思ってるわけじゃない。確かに体格だけは負けているか、こっちも喧嘩の経験はそこそこ。やり様なんていくらでもある。
 問題は体育会系のあいつが一度負けた所でさほどダメージはないだろうって事だ。疲れる上にこっちも痛い思いをする、さらに意味がほとんどないときた。
 これが別の奴なら手足の一本でも貰えばいいが、相手が弟なら必ずバレる。かと言って荒事が得意な連中に余計な借りを作っても碌な事がない。
 そうして機会を窺っている内に、チャンスは来た。
 ある日修二が慌しく帰ってきたのだ。何だとしても関係ないと無視していたが、部屋に篭ったかと思うと急に掃除なんて始めだした。
 ちょっと前から女が出来たと気づいていた俺は、すぐにピンときた。今日女を呼んでキメる気だと。
 あの甲斐性無しがとっとと食っちまうなんて考えにくい。また遊んでそうな女もないだろう。根性無しだからラブホや女の家、青姦もなし。恐らく今日が始めて。
 俺は相手が処女である事を前提にして、仕込む事にした。三本ほどあったジュースの内二本を隠し、残りの一本をコップ一杯分処分してクスリを入れておいた。
 クスリはセックスドラッグだ。興奮作用と感覚を鋭くする作用があり、使用すれば慣れた人間でもヤりまくりのイきまくりになる優れもの。
 ただし、こいつには欠点がある。感覚を鋭くするために、痛覚も著しく増す。SMプレイなんかでは間違っても使うなと言われている物だ。
 未経験の坊ちゃん嬢ちゃんが二人、それも興奮剤で前後不覚に近い状態で上手く愛撫が出来るはずがない。痛みは相当なものだろう。それこそ、セックスにトラウマができそうなほど。
 もし相手が経験者でも構わない。上手くいかなくても、他の手を考えればいいのだ。最悪、相手の顔さえ確認できればいい。ブスなら御免被るしな。
 仕込が終えたら、あとはベランダでタバコを吸いながら待機する。そこからなら顔くらい確認できる。
 どれくらい時間が経ったか、一人の女がバッグを持って歩いてきた。多分そいつだと顔を確認すると、それは萩野真雪だった。
 確か修二の幼馴染だったかと思い出す。俺も知らない訳じゃないが、せいぜい顔見知りくらいだ。なんにしろ、特定が楽になったのはいい事だ。
 修二が真雪を迎えに行き、部屋に引っ込んだ。俺はリビングへと向かい、冷蔵庫の中を確認する。ジュースは持っていかれてなかった。軽く舌打ちし、戻ろうとしたところで真雪と鉢合わせた。
「あ、和也さんこんばんわ」
「いらっしゃい真雪ちゃん。家に来るの珍しいね。いや、俺あんまり家にいないから気づいてないだけかも知れないけどさ」
「いえ、来たのは久しぶりですよ。ただ今日は修ちゃんに泊まらないか、って誘われてお邪魔しました」
 上品に笑いながら、真雪は答える。
 こりゃ経験済みかな、と半ばあきらめた。慣れてないにしては、緊張感やら羞恥心がなさすぎる。
「そうか、ゆっくりしてってね。お邪魔虫はとっとと退散するよん」
「邪魔じゃないですよぉ。でも、お気遣いありがとうございます」
 早くも計画倒れし落胆した事をおくびにも出さず、冗談めかして言った。それは成功したようで、真雪も軽く答えてくる。
 缶コーヒーを取りに来たふりをして、部屋に戻った。とっとと寝ようと思ったところで、ドラッグ入りジュースの処分を忘れた事を思い出す。面倒くさいので明日でいいやと諦めた。
 ベッドの上でうとうとしてると、小さく女の悲鳴が聞こえた。声は、どうやら家の中からのようだ。雰囲気、というか音的にレイプではないだろう。痛い、という声が断続的に聞こえるが、暴れる音はしない。
 すぐに冷蔵庫の中を確認しに行く。あの様子じゃちょっとやそっと物音を立てたところで気づかないだろう。冷蔵庫の中からは、ジュースがなくなっていた。
 色々と疑問点はある、だが、一応上手く行ったようだ。第一段階の成功に満足し、俺は寝ることにした。寝付くまで悲鳴は止まなかった。
 翌日からしばらく、修二は明らかに落ち込んでいた。初めてのセックスで大失敗をやらかしたんだ、しばらくセックスしようなんて気にはなれないだろう。
 あれから約一週間、真雪の調子も大分戻ってきてるだろう。修二もこれからいよいよインターハイへの追い込みであり、会っている暇は殆どないはずだ。
 情報も集めてある。修二の学校のサッカー部は、インターハイ前の土日は全て止まりこみで練習だ。夏休み直前には一週間の合宿もある。時間は十分だ。
 土曜日、俺は偶然のふりをして真雪に声をかけた。
「やあ、真雪ちゃん、こんにちは」
「和也さん、奇遇ですね」
 手を振りながら、真雪に挨拶する。あくまで気軽な人、しかし軽すぎない人を演じながら。
 少し顔をかがめて、真雪の顔をまじまじと見る。近すぎず、遠すぎずの位置であまり不快感を与えないように。
「あの、何ですか?」
「ん? ああ、ごめんね。一週間くらい前に見かけた時、顔色が悪かったからさ。治ったみたいでよかったよ」
 こんなものは嘘だ。あれから二人の予定をある程度把握するのに忙しかったのだから、気にもしていない。しかし、あれだけの事があって翌日元気という事もありえないだろう。
「すみません、気にかけてもらって」
「気にする事はないよ。知らない仲じゃないから、ちょっと気にかけとこうって程度だしね」
「それでも、ありがとうございます」
 真雪が深々と頭を下げてくる。ずいぶん育ちのいい娘だ。
「それよりも、修二と何かあったんでしょ」
「それも分かっちゃうんですか……」
「まぁ、あいつの様子もおかしかったからね。真雪ちゃんと何かあったからだろうとは思ってたよ」
 軽く言ってる俺とは違い、真雪は随分落ち込みながら顔をうつむけた。あれから二人の仲はおかしいみたいだ。
 馬鹿な奴だ、と心の中で笑ってやる。失敗したら失敗したで、すぐに謝って普通に付き合ってればよかったんだ。セックス失敗しました、女を避けて悩みますなんて本当に女に奥手な童貞クンの反応だ。
 それでもこっちはありがたい。わざわざバカがガードを低くしてくれたんだ。
「ちょっと位なら力になれるからさ、話してみなよ。あ、これから用事あった?」
「いえ、ちょっとコンビニに行こうとしてただけですから。それじゃあ少しお願いしていいですか?」
「構わないよ。そうだ、家においで。知ってると思うけど今修二が居ないからさ、話しやすいでしょ」
「その、お邪魔じゃあ……」
「平気平気、いつ来ても大丈夫だから。それに、修二の事なら俺も結構アドバイスできる事あるからさ」
「それじゃあ、お願いします」
 上手く釣り上げられた。相談にしても、場所の選択なんていくらでもある。それこそ、近所のコーヒーショップだっていいのだ。なるべく良い人を装い、場所をこちらで誘導する。ちょろいもんだ。
 夫婦仲のいい家は、休日になると必ずと言っていいほど出かける。泊り込みな事も少なくない。連れ込む身としてはありがたい限りだ。
 真雪を少々強引に家に上げて、部屋で待っていてもらう。冷蔵庫からこの日のために作っておいた飲み物を取り出して、俺も部屋に入った。
「楽にしてよ。そんなにかしこまらなくてもいいからさ」
 言いながら、ジュースを差し出した。この中身は少量のアルコールが混ざっている。さらに真雪に出したコップの底には少量の興奮剤も入れておいた。
 それほど強いクスリではなく、ちょっと体がほてるという程度のものでしかない。しかし、これがアルコールと同時に作用すると、結構キくのだ。
 真雪がジュースに口を付けた事を確認し、俺も正面に座る。
「それで、どうしたの? 心当たりはあるみたいだけどね」
「はい、実は先週泊まらせてもらったじゃないですか。その次の日から、修ちゃんがあまり話してくれなくなって……」
 つらつらと、前にも似たような事があった、とか過去の例も交えて話をしてくる。不満は無いが不安がある、要約すればそんな所だ。
 さすがにセックスしました、とストレートには言わずぼかしている。と言っても、隠せていると思っているのは本人以外には居ないような稚拙な偽装だが。
 適当に相槌をうちながら、話したいように話させた。情報を引っ張り出す為、というのもあるが、アルコールが回るまでの時間稼ぎだ。
 相談に混ざって、予想外に有意義な情報も手に入れた。真雪の両親は長らく仲が悪く、また二人ともワーカーホリックであるらしい。殆ど家には帰ってこないで、最後に顔を合わせたのも数ヶ月前という話だ。
 修二がインターハイに忙しい以上、真雪が連日家を空けていても気づく者は誰も無い。実に都合のいい話だ。
「わたしも、原因はわかるんへすけど……。はれ? ええと、どこが悪かったのかまでは分からなくて」
 真雪の滑舌が怪しくなり始める。俺はいつの間にか空になっていた真雪のコップに、隠していたもう一つのジュースをそそいでやった。こちらは少しばかりアルコールの割合が多い。
 酒に慣れた人間にはどちらも変わらない程度のものだが、これがドラッグ摂取したアルコール初心者だと大きな差が出る。
 真雪は無警戒に、ごくごくとジュースを飲んでいく。酔いはどんどん加速するだろう。
 そっと席を立って、真雪の横に座りなおした。体が密着しているのだが、真雪は気にかけた様子を見せない。状況をよく理解できていないのだ。
「……らのに、れんひゅう帰りをまつらっていうんれすよぉ。そーじゃらいと、ほとんどあえらくらっちゃうろに」
「そうかい、大変だね。所で真雪ちゃん、ちょっと暑くない?」
「あー? えと、そういえば、暑いかもしれないれふ」
「ちょっと服脱いじゃおうか?」
「えーと、それはダメれふよー」
 ここに来てガードが固いのか。それでも、これだけ酔ってれば押せ押せでなんとかなるはずだ。
「けど暑いでしょ? 脱いじゃってもいいじゃない」
「恥ずかしいらしいのれ、ダメらんでふ」
「恥ずかしい、らしい?」
 妙な事を言い出したな。酔って変な方向に頭が回りだしたのだろうか。
「暑いんだったら、涼しい格好になればいいのに」
「れも、おかーさんが、ひとまえで服をぬぐのは恥ずかしいことらので、しちゃいけませんって言われたのれす」
 考え方が子供の頃にでも戻ったのだろうか。それにしては妙な感じがするのだが。
「真雪ちゃんは服脱いだら恥ずかしい?」
「恥ずかしくないれふよ」
 なんで、と言うように俺を見上げて首をかしげる。
 この娘は何を不思議がっているのだろうか。額面通り恥ずかしくないのに恥ずかしいかと聞かれたからと解釈していいのか、いまいち理解しがたい。
 まあ、なんでもいい。やる事は変わらないのだ。
「恥ずかしくないんなら、脱いでもいいじゃない」
「そう、れふか」
「そうそう、恥ずかしくないんなら、脱いじゃいけなくもないよ」
「いわれてみれば、そうれふねー。ふふふ」
 小さく笑いながらボタンを外そうとするが、酔いのために上手くいかない。俺がボタンを外してやっても、抵抗するそぶりすら見せない。
 上下の服を脱いだ真雪の、下着姿があらわになる。真っ白な肌に細い体の線、垂れ気味の目から与えられる印象は庇護欲をそそる。
 胸や尻は小さく、とてもではないが熟成した女とは言いがたいが、だからと言って幼いだけでもない。全体的に小さいのであり、寸胴体系ではなくほっそりとしている。
 良くも悪くも、可愛らしい娘だった。
 真雪をひざの上に座らせて、体をゆっくりとなでる。真雪はこそばゆそうに体をねじった。
「んんっ、ふぅわぁん、くすぐったい、れすよぉ」
「修二とセックスしたときもやられたんでしょ。ほら、暴れないで」
「んー? せっくす?」
 なぜか、真雪は不思議そうに首をひねり、考え込んだ。
 俺は自分の口が引きつるのを自覚した。まさかヤってないなんて事はない筈だ。ヤってなかったら何か問題があるわけでもないが、ではあの日の悲鳴は何だったのだという話になる。
「あ、思いだしまひたぁ。じゅぎょうでやったれふ。けどなんでこれがせっくすなんれふか?」
「……は?」
 思わず間抜けな声が出るのを、止められなかった。セックスから授業内容を連想するなんて、まずありえないだろう。
 どうやって話がつながったのか、全く理解できない。
「いや、先週修二とやってたでしょ。ほら、泊まりに着た時」
「すごく、いたかったれふ。ここになにかいれられまひた」
 と言いながら、真雪は、ショーツを横によけて自分の恥丘を開いてさらした。俺の目があるにもかかわらず、恥ずかしがっている様子は見られない。
 俺の頭に冗談みたいな考えが浮かぶ。普段なら一笑に付す話だが、この少女相手だと妙な現実感を持っていた。
「ねえ、真雪ちゃん。セックスって言葉、授業以外で聞いた事ある?」
「友だちが、つかってまひた。よくわからないれす」
「誰かに裸を見られて恥ずかしかったりする?」
「だから、ないれふよ。けど、おかーさんがだめって言うれす」
 あまりに馬鹿馬鹿しい事を確信した。真雪は、性に関する一切の情報を持っていない。意図的に隠してもこうはならないだろう、偶然が重なったのだ。
 さらに、羞恥心がない。と言うよりも、感性が恐ろしく幼いのだ。まるで幼稚園児並で、見ても見られてもなんとも感じないだろう。
 まるで天然記念物のような、珍しいお嬢様だ。雪のように穢れない、という表現がこれほど似合う人間もいないだろう。
 俺は最初、何度か手を出したらそれを修二に見せ付けて終わりにしようと思っていた。しかし、もしかしたらこの娘はもっと面白い事になるかもしれない。
 まだ産毛しか生えていない丘をゆっくりとなでる。真雪の体がびくりと跳ね上がった。
「そこ、いらいから、さわっちゃらめです」
「大丈夫、痛くしないよ。むしろ気持ちよくなるさ」
 手のひらで陰部を包みながら、皮に包まれたクリトリスを優しく揉んだ。反応が薄かったが、すぐに艶やかな声を発するようになる。
「んぁっ、あっ、これ、なんか、へんな、かんじれす」
「ね? 痛くないでしょ? ほら、全部脱ごうね」
 俺は別にこのままでもいいのだが、替えの下着がない。ぐしゃぐしゃにしてしまっては問題がある。明日両親がいつ帰ってくるのか分からないのだ。他の女ならまだしも、真雪では修二の耳に入る。
 真雪は従順だった。まったく抵抗せずに、むしろ脱ぐのをてつだってすらいる。
 俺の上に、全裸の真雪が晒された。決して女っぽい訳でも色香を放っている訳でもないが、高いレベルで全体のバランスが取れた体だった。単純に胸の大きい女、マンコの具合がいい女はいたが、これほど良い印象を与える女はいなかった。
 胸は今までの女でも一番小さくまだ芯が残っているが、触ってみればこれも悪くないと思えるから不思議だ。マンコをゆっくりと刺激しながら、乳首を押し込み、つまんで柔らかくする。
 手のひらにはもう愛液が付いていた。薬の効果はなかなかのもので、ろくな経験のない真雪でも感じさせられる。
「うあ、ふぅ、ふぅ、あっ、っあぁん」
「ね、気持ちいいでしょ」
 真雪は犬のように舌を出してあえぎ、なすがままになっている。垂れた涎が胸元にかかっても、よく分かっていないようだ。
 全身が潮紅し、手が体を這い回る度にびくびくを跳ねる。かなり感じているのは分かるが、先日まで処女の上、全く性的興奮をしらない体では愛液の出も悪い。
 股間から手を離して、ローションを取る。
「あの……」
 刺激が止まったからか、真雪が物欲しそうに俺を見上げていた。瞳を潤ませて、唇をてらてらと輝かせている顔はガキのものではなく、既に女のそれだ。
「安心してね。もっと気持ちよくしてあげるよ」
 真雪の足の間に膝をさしこんで、大きく開かせる。見えやすくなった薄い草原にローションを垂らしながら、手で包んでぐちゅぐちゅとかき混ぜた。
 ついでに胸にも垂らして、ゆっくり揉んでやる。何も知らない子供は、嬉しそうに笑いながら感触を楽しんでいた。
「まゆきちゃん、どんな感じ?」
「よ、よく、わかららいけどぉ、これぇ、きもちいい、かも? けど、これ、しゅきぃ」
 快楽を覚え始めてるのを見て、ほくそ笑んだ。
 羞恥心がないから拒絶しない、快楽を知らないから従順。おまけにこの容姿に体だ。もしかしたら予想以上のタマになるかもしれない。
 あごを上に向かせて、唇を吸う。舌を進入させて、口の中を嘗め回した。真雪の舌が俺の舌に絡み、にちゃにちゃと音を立てる。
 クリトリスを少し強めに摘みながら、頂点を押してやる。体をびくびくと動かしながら、口の中で舌が暴れた。
 平らで硬かった胸も、大分柔らかくなっている。ローションで輝いた胸は、俺の思うとおりに形を変えながら、乳首を犬の尻尾のように揺らしている。
「んちゅ、ちゅ、ちゅう、くちゅ、んんっ! っぷ、ふぅ、えへへぇ」
「んっ、はあ、どう、真雪ちゃん。すごくいいでしょ?」
「はい、いいれふ。こんなの、はじめてれす」
 こういうのもたまらないな。真雪のとろけた顔を見ながら、素直にそう思った。
 また真雪の口にキスをする。と言っても、これは彼女に自分の股間を見せないためだが。
 正直な話、ここからが本番なのだ。これから膣を弄ろうというときに、痛みを思い出して暴れられては困る。視覚からのフラッシュバックさえ防げば、絶対に感じさせられる。
 胸の刺激を強くして、真雪が意識する場所を分散した。そして、恥丘の間のスリットをゆっくりと撫でながら、分からないように少しずつ中指を進入させる。
 指が第二間接まで入っても、真雪の様子に変化が現れなかった。上手くいった事を確信し、指の腹でやさしくGスポットをさすると、膣の中がうごめいた。
「ねえ、真雪ちゃん。これ痛いかな?」
 俺の言葉でやっと気づいた真雪は、視線を自分の股間に向ける。真雪からよく見えるように、股間を浮かせてやる。指が半ばまで進入した股間が、俺たちの目に現れた。
「あ、あれ? いたく、らい?」
「じゃあこれは?」
 あくまで優しく、Gスポットを押しながら前後させた。膣が萎縮し、あきらかに分泌される愛液の量が多くなる。
「あう!? ぅあ、あっ、いたく、ない、きもちいぃ、ぅあん! なん、れ? しゅうくん、の、いらかった、のに」
「うん、そうだろう」
 指を奥まで入れれば、体を反らして喜ぶ。逆に引き抜けば、ぷるぷると体を震わせて腰を落とす。あえぎ声を隠そうともせずに、俺の耳元で歌い続けた。
 出し入れを早くしながら、媚肉をぐちぐちに溶かす。肉はどんどん柔らかくなりながらも、俺の指をきゅっと締め付ける。体の痙攣はどんどん早くなった。
「こりゃ一回イけそうだな」
「うおぁ、あっうあ! い、っかい? ら、にぃ?」
「天国連れてってあげるって話」
 膣の中を攻めながら、同時にクリトリスも弄ってやる。真雪が暴れだすが、これは逃げようとしているのではなくどうすればいいか分からないだけだ。
 クリトリスとGスポットを両側からつぶす。それがとどめになった。
「うあっ! あっ、あっ、あっ、あっあああぁぁぁ!!」
 腰を大きく突き出して、潮を散らす。ぷるぷると体が揺れるたびに、床に色の変わった染みができる。
 真雪は全身を脱力させて、もたれかかってきた。細い腰を両手でがっちりと掴み、持ち上げる。
 俺はイったからと言って、それで終わらせるつもりは欠片もない。真雪には今日、できる限り俺が気持ちいい、俺だから気持ちいいと言う事を覚えさせる。
 既に勃起しているチンポを、真雪のマンコに合わせた。正直、こんなに小さい娘を食うのは初めてだ、ちょっと興奮する。
 あまり大きな声を出させないように真雪の口を塞いで、チンポを挿入した。真雪の目が見開かれ、口の中で声が響く。それが収まったところで、口を開放した。
「こわい、これこわいんれす。やめてぇ……」
「本当に、怖いだけかな」
 慎重に体を持ち上げて、引き抜きながらさんざん刺激したGスポットを押す。全部引き抜かれる直前で、またゆっくりと挿入し、子宮口を持ち上げない程度に奥まで入れた。
 軽くイったのか、尿道からぴゅっぴゅと粘液を吐き出す。真雪の顔は、普段の穏やかな雰囲気を忘れて、淫らに花咲いていた。
「これ、すごいぃ。すごぉい」
「そうだろう。俺に任せてくれればもっと気持ちよくしてあげるけど、もうやめる? それとも、もっと続ける?」
「もっと、もっとして。たくさんしてぇ」
 クスリをつかったとは言え、随分感じやすい体質のようだ。妙な知識と本来必要な常識がない分、未知の感覚を素直に受け入れられる事も助長している。
 繋がったまま床に倒し、さらに半回転させて正常位の体制になる。乳房とクリトリスを、挿入の動きと連動するように刺激した。必ずどこかで快楽を感じるように。
 壁肉をぐりぐりとえぐりながら、挿入を続ける。正直これくらいじゃイけないが、真雪を感じさせるのが主目的なので構わない。俺がイけるような動きでは、まだ痛みを思い出すかもしれない。
「ねえ真雪ちゃん、凄いでしょ。ぜんぜん違うでしょ」
「うん、うん! これ、しゅごすぎるぅ! きもち、よすぎちゃうぅ!」
 真雪は快楽に笑いながら、自分で腰を躍らせる。どう動かせばいいのか分からない様で左右に振っているだけだが、自分から求めるのはいい傾向だ。
 赤く染まり、汗に反射して光る肌はとても綺麗だ。ロリコンの気などまるでなかったが、こういうのも悪くないという意見も今なら理解できる。
 胸を小さく絞って、乳首をつまむ。手のひらで包んで揺らす。乳首だけを親指で押して、ぐりぐりと動かす。
「ほら、おっぱいはどう?」
「き、もちいい! おくまで、きもちよくなるのぉ!」
「じゃあこっちは?」
 クリトリスの皮を指でつまんで、上下に動かししごいてやる。摘んだりバイブレーションを与えてやれば、ほら、また真雪が喜んだ。
「ここ、も、すごいれす! ジンジンきちゃう!」
「最後に、ここは?」
 俺は下腹部を撫でながら、膣の中を意識させた。円を描きながら肉を柔らかくし、とろとろにする。
「そこも、すごいれす! ちがう、ぜんぜんちがう! しゅうちゃんのと、ぜんぜんちがうんれふぅ!」
「ねえ、また天国イきたい?」
「え、へへぇ……。イきたい、すごくイきたいれふ。てんごく、イきたいれす」
 真雪の答えに満足し、カリ首でGスポットをえぐる。腰が小さく痙攣し始めて、顔もだらしなく弛緩する。それでも、潤んだ目だけは期待に俺を捉えていた。
 同時にクリトリスと胸も攻めてやると、限界まで快楽を得ていた真雪はあっというまにイった。
「っ――――っ!」
 ぷしゃっと音がなり、俺の体に熱い粘液が飛んでくる。膣が一瞬だけぎゅっと絞まると、脱力して緩く開いた。
 全身を床に投げ出した真雪は、疲れと酒の影響で寝てしまっている。とりあえずベッドに移しておこう。
 床の上は汗やら潮やらで少し異臭がする。カーペットを取り替えて処分してしまおう。ついでに模様替えしとけば怪しまれまい。
 少しばかり片付けて、シャワーを浴びる。結局射精はできなかったが、それはこんどのお楽しみに取っておこう。
 パンツだけの格好で部屋に戻れば、真雪はもう起きていた。酔いも既に醒めているのだろう、目はしっかりとしていた。申し訳程度に体をシーツで隠しているが、やはり恥ずかしそうな様子はない。
「べつにいいよ、そんなの。ほら、俺もこんな格好だしね」
 と言って、手を広げてみせる。隠れてるのは股間だけの、人前に出るにはみっともなすぎる格好である。
「そう、ですか? えへへ、すみません」
 申し訳なさそうに笑いながら、真雪はシーツを外した。まだ赤く充血している股間も、いやらしく輝く胸もまるで隠す様子がない。
「それにしても、和也さんは凄いですね。あんな事ができるなんて。修ちゃんの時は、わたし痛がっただけで……」
「じゃあ、さ。俺が訓練してあげるよ」
「訓練、ですか?」
 俺は真雪の無知と幼さを知った瞬間から今まで、ずっと計画を立てていた。正直、修二に見せ付けてはい終わりでは、この娘はあまりにもったいない。もっと、遥かに楽しめる方法がある。
 頭の中で大雑把な計画を立て、それに必要な手順と連絡をリストアップした。人任せな所も多いが、概ね上手く行きそうだ。
「そう。修二とまたやった時に、痛いだけじゃ嫌でしょ? だからさ、俺が気持ちよくなれるようにしてあげるよ」
「きもち、よく……」
 真雪の目に期待があるのが、はっきりと見える。期待の中身は、修二との時に、だけではないだろう。
「その、お願いします」
「うん、俺も全力で協力するよ」
 真雪は大して悩まず答えた。
 本当に、こんなに上手く行くとは思わなかった。その上、萩野真雪は思わず拾い物だ。ポーカーフェイスを保ちながら、心の中で大笑いした。
「あと、修二にはナイショね。俺も今ちょっと嫌われてるからさ」
「仲がよくないんですか?」
「悪い、って程じゃないけどね。何年かすれば、あいつも普通に話しかけてくるさ。それに、わざわざ俺の話を出して機嫌を損ねる必要もないしね。年頃だから気にするほどの事じゃないよ」
「そうですか……。わかりました」
 自分の両親の事を思い出したのか、すまなさそうに答える。正面から仲が悪い事を見せなければ、彼女の口から俺の名が修二に漏れる事はないだろう」
 こうして真雪に手を出した時点で、仲違いが消える事など永遠にないわけだが。
「それで、その、すみません、もう一度して欲しいんですけど……」
 いつの間にか、真雪は太ももをすり合わせていた。瞳もやや潤んでいる。興奮剤の方は、まだ抜け切っていなかったようだ。
 俺が近づくと、真雪は自分から足を開いた。恥丘がおねだりするように、ぴくぴくと動いている。
 指を密着させて、さするように動かす。これでは刺激がたりず、さぞやもどかしいだろう。
「もっと強く、お願いします」
「その前に、最後に一つ。俺の言う事に逆らっちゃダメだよ」
「え?」
「だから、ちゃんと出来るように教えてあげるんだから、絶対言う事聞いてね」
「えと、はい」
「ほら、ちゃんと言う」
 親指でクリトリスを、中指で膣を、他の指で恥丘全体を刺激する。激しくではなく、ゆるくもどかしい刺激だ。
「う、あぁ。はい、言う事聞きます! 絶対逆らいません! だからもっと!」
「うん、よくできました」
 真雪にキスをしながら、マンコを強く刺激する。彼女は既に、雌の匂いを発し始めていた。
 こうして、蝶は蜘蛛に囚われた。