ある日の帰り道③


前回:  ある日の帰り道②

毎度どうも、このシリーズを書かせていただいているものです。
さっそく続きをば。

どうやら、終わったらしい。自分は、真っ白いシーツが敷かれたベッドの上に横たわっていた。さっきは、まったく変な夢を見ていた気がする。あれは・・・。

とにかく話は数か月前に遡っていく。

その日のある時間帯。自分はある病院に、検査と診察を受けに訪れていた。前回手術したところがまた大事になってしまったので、
その再手術の日取りを決めるためでもある。
まずいつも通りに、レントゲンやらなんやらを済ませ診察の順番を待っていた。
「あ~、なんでこんな時期になって再手術になるかな。ったく、その頃は、とっくに学校が…、はあ・・・。」などと。

ついに診察の順番が来た。診察室に入ると、いつもの見慣れた先生がいた。そこで自分は手術の日取りを決め、その日は帰った。
手術日は、予想していた通りというか、学校の始業式が始まってすぐの4日後だった、あいにくな事に。

そして、なんやかんやで時間(とき)は過ぎてゆき、学校の卒業式も終わり、友人たちと2次会も済ませ、新たなる学校生活への期待と不安、そして手術に対する不安も含めた気持ちを抱いたまま、春休みを順調に過ごした。

4月上旬、よく「だるまさんが転んだ」でおなじみのフレーズ、≪初めの一歩≫を踏み出す時が来た。新しいクラスに、新しい仲間、
新しい環境、などなどいろいろ新しいモノ尽くしで、困惑しながらも順調なスタートを切った。

まあしかし、時は待ってはくれないわけで、たった2日の登校で入院とあいまった。

特に病院では、検査など以外はすることはなく、暇をもてますところだが、勉強もしないといけないわけで。

なんやかんやで、手術日が来た。朝にすべての身支度を済ます。自分の手術は、一番最初らしい。
その時は、母親が朝早くから来ていた。

ストレッチャーに乗せられ、自分の病室から手術室に運ばれる。そこで待ち受けていたのは、色々な医療器具や、レントゲン、
そして、自分の手術を担当するであろう先生方などなど。何度見ても、なれるものではない。
麻酔科の先生に、麻酔の点滴を打ってもらう。なんだか頭がぼんやりしてきた。
「先生、お願いします・・・。」と涙ながらに何度も、近くにいた先生に言っていた。前回は、緊張でこんなことなかったのだが。

その点滴を打たれて深い長旅へと続く眠りに落ちるまで、約3分程度。いつの間にか、まぶたは、閉じていた。
                                 ・
                                 ・
                                 ・
しばらくして、目を開ける。そこは、なにやらICUとでも呼ばれていそうな部屋。しかし、突如として自分は不安な気持ちに駆られる。
とても落ち着かないのだ。周りには自分一人だけ。そばには、誰ともわからないどこぞやの先生。やたらと寒い。
やたらと広々。とにかく、あらゆることが自分の気持ちをざわめかせる。
しかし唐突に、隣にいた先生に「じゃあ、行きましょうか。」と声をかけられた。
「?、どこに」という疑問を持ったまま、どこかに連れていかれる。そして、まぶたは再び閉じられた。
                                ・
                                ・
                                ・
次に目を開けた時には、もう自室にいた。そばには母親がスタンバッていて、意識を回復した自分に気づいた様子。
色々と声をかけられた。しばらくして、看護師が様子を聞きに来た。
ようやく落ち着いたところで、もう一度あの夢とも現実とも似つかない、あの風景をを思い出してみる。
(なんだったんだ?、あれは・・・。?)

                      疑問は、ますます深まるばかりだ。

                  
                             ~END~

良かったら「いいね」してください。誰でも「いいね」出来ます!


同じジャンルの体験談

トップページに戻る